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サイクリング・ランニングに最適 engo2アイウェア

engo2とは

フランスのActivelook社が発売しているARサングラス。
ARといっても最近流行りのRokidやXREALなどに使われているフルカラーのものとは異なり、光源に使われているのは黄色い単色のmicroOLED。
画面に表示できるのはシンプルな数字や簡単なパターンなのみだが、おかげで軽量かつバッテリーも長持ちする。同社はさらに親会社のmicroOLED社が開発製造している光源をサングラスに採用してサングラスを作っている。
ちなみに日本では技適が通せていないのでサンプル扱いでしか販売していない。ドジャースの大谷選手が使用しているということで業者が仕入れを始めたようだが、仕入れた後に技適を通しているのか疑問だ。(現在アメリカ在住のため自分は普通にFCC通過されたものとして使用している)

何ができるのか

平たく言えばドラゴンボールのスカウターの様なもの。ただし、スカウターは他人の能力を見るものであったが、これは自分の能力を見るようなもので、ランニングやサイクリング時に自分のペースやパワー、走行距離などをサングラスに表示しながら進められるというもの。

だから何なのか?

自分はサイクリングをメインに運動しているが、ランニングをしている時に、自分のペースがどれぐらいなのか、時計をチラチラ見ながら走っていないだろうか。で、もし早すぎたり遅すぎたりしたらペースを変える。
自転車の場合はハンドルやステムに取り付けてあるサイコンを見ながら距離やペース、パワーを確認しながら乗る。
これをどの程度の頻度で確認するのかにもよるが、基本的には正面から視線をずらすことになるので危ない上に、フォームが崩れることもあり、基本視線を正面から外さなくていいならそのほうが良い。
これを実現するのがこのengo2である。反対にいえば、その数字を表示をする以外のことはできない。例えばスマホとつないで会話もできるようにしたりとか、ナビをさせたりといったことはできない。かなりシリアスにパフォーマンス管理をする人向けである。

外観

同社のサイトを見てもらいたいのだが、同社のラインナップはengo1・engo2の2種類、さらに、engo2には黒・白・スモークの3色、さらに最近調光レンズモデルが追加された。engo1の特徴が調光レンズだったので、この追加で重量的に軽く、デザインもよりスポーツに寄せたengo2の優位性が際立つ形になった。

ホワイト・ラージ
背面

ご覧いただければわかる通り、中央のモジュールがイメージを描画するが、光源を直接見るのではなく、一度ミラーで反射し、そのイメージをさらに反射したものを見ることになる。

表示イメージ

表示できる内容

これはペアリングするデバイスにもよるのだが、自分が使っているGarminのデバイスであればかなり多数の項目を表示できる。さらに、ジェスチャーで表示できる項目を切り替えることも可能。
自分はヒルクライムの時にはパワー・ラップ距離・時間・心拍数を表示させている。(一度に表示できる項目は4つまで)
特にどちらかといえばアップライトに乗るほうが呼吸を整えやすいヒルクライムの時はサイコンを見なくてよいというのは最高のアドバンテージと感じている。ランニングの時も手を見なくてよいのでペース確認のためにペースが落ちるということもない。
このおかげで自分はサイコンを使うのをやめ、すべてランニングウォッチに集約。ナビが要るときはスマホでナビさせている。

表示イメージ

デメリットは?

一言でいえば、アイウェアの選択肢が無くなる事。Oakleyを使いたい、100%を使いたい、アイウェアは目の保護だけでなく、ファッションアイテムでもあるので、その選択肢がengo2一択になってしまうのはデメリットといえばデメリット。ただ、その選択肢を放棄してもこれだけでいいと思えるほど数字が目の前で確認できるというのは大きい。後は当然電池が切れたら終わりなのだが、充電が専用ケーブルなので、泊りの時などは持ち運ぶ必要がある。フルチャージにも数時間かかるため、すぐには使えない。

レンズの種類

上で紹介したホワイトラージは最初に買ったengo2だが、一つだけ気になる点がある。ランニングではあまり気にならないのだが、結構背後から入る光が内部反射を起こし見にくい時があるのだ。
これはどうも光源からのイメージを反射させるためにレンズにコーティングを施しているのだがこれが場合によっては悪さをする。以下のイメージをご覧いただければイメージできると思うが、ミラーの様に光を反射しているのがわかるだろうか。これが太陽光の下だと背中から光が入ると微妙に反射するのだ。眩しいとかは無いが、イメージのコントラストが落ちるイメージだ。

レンズ反射

他のバージョン

そのため、何分気に入っていたengo2だが、ロングライドなど、数字を都度確認しなくてよいシーンでは別のアイウェアを使っていた。その方が見やすいからだ。そのため、この点がクリアできるものはないかと探していたが、それがほかのラインナップに存在することが判明した。それが黒・白のほかにラインナップされているスモークバージョンだ。同社のサイトで確認する限り、このバージョンに搭載されているレンズにはコーティングが施されていない。なので、購入してみることにした。気に入らない点がクリアされているのであれば試してみる。それぐらいengo2を気に入っている。

スモークバージョン

以下画像の通り、当初の想像通りミラーコーティングが内部に施されていない。これであれば奇妙な内部反射はないはずである。が、このコーティングは画像を反射するのに使っているため、コーティングがないのは逆に数字が見にくくなるのでは?と思っていたが、実際にイメージを反射する部分にだけコーティングが施されている。これでユーザーの視界を邪魔せずデータだけをクリアに表示できる。
事実、100㎞程乗ってみたが、非常にクリアな視界で安全にライドを楽しむことができた。ただ、奥のホワイトバージョンをご覧いただければわかるが、レンズ表面もミラーコーティングはされていないので、シースルー気味に正面から顔が見えることになる点は好みがわかれるところだろう。

スモークバージョン
背面
表示面のみミラーコーティング

調光バージョンが・・・

とスモークを購入したのはいいのだが、ふとengo2のサイトを見ていると、Photochromicバージョン(調光レンズ)がリリース予定であることが判明。普段の安全性と快適性を考えれば調光レンズは朝一や夕方以後でも使いやすいこともあるため、スモークを返品して調光バージョンへ移ることにした。 engo2は30日間の返品を受け付けており、カスタマーサポートに連絡して返品伝票を作ってもらって送り返すだけ。簡単である。


調光バージョン到着

ということで、調光バージョンを発注。3日もすると通関して到着。紫外線が当たらないところではクリアレンズだが、日が当たると黒く変色してくる。これが調光レンズの便利なところ。便利ではあるがスモーク同様表にミラーコーティングはされていないので、やはりデザイン的にはホワイトが一番好み。これからこの調光バージョンをしばらく使い込んでいこうと思う。

調光バージョン
日光下(といっても雨模様なので変色度合いが微妙)

最後に

日本で販売していないので当たり前ではあるが、engo2に関する情報がほぼ無いため、人柱的に購入、2023年の富士ヒルでも使用したが、色んな要素が上手くいってゴールドリングが取れたが、engo2も間違いなくその要素の一つだった。サイコンを見なくてよいというのは本当にありがたい。レースの状況に常に集中できるし、パワーの出しすぎなどにも常に注意ができる。シリアスに結果を求める人には間違いなくお勧めできるアイウェアだと思っている。早く日本でも発売してほしいし、このActivelookモジュールがあればほかのメーカーもサングラスを作れるので、もっと選択肢が増えてほしいところではある。



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