金曜日にはビールを。

花金なんて言葉があるように、金曜日の夜は町が花やぐ。「少し暑いな」と思って窓を開けると、笑い声が聴こえてくる。きっと近くの居酒屋で飲んでいる人がいるのだろう。部屋で一人でパソコンに向かいながら、「これが片付いたら、コンビニでも行って、ビールでも飲むか」と思った。

決してお酒が好きというわけでもない。それに強いわけでもない。飲んでも週に1度か2度、350mlの缶ビール1本とチューハイ1本ぐらいで、満足できる。飲まないとやってられないなんて日は、年に数回ぐらいしかないし、そんな日でも記憶がなくなるまでとか、吐くまでとか、そんなふうにも飲むこともない。二日酔いになったのは、いつが最後だっただろう。

YouTubeで、美味しいビールを紹介する動画を見つけて、何の気なしに観ていた。出演している人は、「酒にしか興味がない人」なんて言われていて、大層美味しそうにビールを飲んでいた。

「見てください、この色!金色!!光ってるでしょ」

グラスに注がれたビールを見て、目を丸くしながらそう言っていた。カメラ目線で「いただきます」と言って、こぼしそうなほどの勢いでグビグビとビールを飲む。半分以上飲んだところで、口からグラスを離し、目をしぼめて「かぁ、美味い!」と叫んでいた。

そんな様子を観ていて、生唾を飲み込んだ。とても美味そうである。まだコンビニも行っていない。お酒も買っていない。でも、ものすごく飲みたい。お酒が好きというわけではないと書いたけれど、もしかしたら好きなのかもしれない。コンビニ行ってこようかな、こんな時間だけれど。

金曜日が「金」曜日なのは、最もビールが似合う曜日だからなのではないかと思う。乾杯。

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