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顔が曲がっているよ。

小学生のときだったと思う。「顔が曲がっているよ」と言われたことがあった。自分ではまっすぐ前を向いているつもりなのだが、顔は左側に少し傾いているらしい。写真を撮るときなんかは特に顔の傾きを指摘された。

その後も、何度も「顔が曲がっているよ」と言われることがあった。友だちと対面でご飯を食べているときにふいに言われたり、就活用の写真や車の免許証の写真を撮るときに指摘されたりした。

今日、整体に行ってきた。やっぱりそこでも「顔が左側に傾いていますね」と言われた。整体師さんがぼくの顔を手でそっと触れ、「ここです」と正しい顔の位置を教えてくた。いまだに顔の傾きに自覚がないから、正しい位置だと教えてくれても、違和感しかない。むしろこちらのほうがよっぽど歪んでいるんじゃないかと思ったぐらいだ。自分はいつも顔が傾いている分、世界を曲がって見ているらしい。

「顔が曲がっているよ」だけではなく、歩き方についてもよく指摘された。「なんかすごく焦っているように歩くよね」とか「リズミカルな歩き方をするよね」とか「ティラノサウルスみたいな歩き方だね」とか。とにかく前傾姿勢で、顔が前に出ている。そして左右に揺れて歩いているらしい。これもやっぱり今になっても度々言われる。今日の整体でも「顔が前にも出ていますね」と言われた。

町中で、腰が90度に曲がったお年寄りの方を見ると、「歩きづらくないのだろうか」と思うことがあるけれど、周りの人はぼくに対しても同じように思っているのかもしれない。人のふり見て我がふり直せだ。

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