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早いですね、1年が経つのは。

「もう今年も残り1ヶ月ですね、早いですね、1年が経つのは」と会う人、会う人に、口癖のように言っている。いや、もはや口癖だ。言っている自分自身が聞き飽きている。言わなくてもわかっているじゃないか、とはいえ、言いたくなるぐらい1年が経つのは早い。

と書いてみたものの、本当に1年が経つのは早いのだろうかと疑問が浮かんだ。改めて考えてみると、そうでもない気がする。それなりに色々なことがあって、それなりに忙しかった。やっと1年間生き抜くことができたと思う気持ちもないでもない。がんばった。がんばらねば、過ごしきることができない日々だったと思う。やっと年末だと、ようやく一区切りつくのだと、そんな充実感というか、安堵の気持ちが多少湧いている。

ただ実際には、1年経つからといって、なんら区切りがない生活を送っている。仕事が休みになるわけでもない。依頼があれば、年末年始関係なく進めなければならない。家で過ごすだろうから、ほとんどいつもと変わらない。実家に帰ってもきっと同じで、パソコンと向き合ってばかりいるだろうと思う。

1年の終わりに何をすると上手く切り替えができるようになるだろうか。大掃除だろうか、年越しそばだろうか、紅白歌合戦だろうか。そもそも切り替える必要性はあるのだろうか。切り替えるとは、一体何を切り替えるのか。

時間は当たり前のようにずっと流れている。早まることも、遅れることも、戻ることも、止まることもなく、とめどなく流れ続けている。そんな時間に対して、早いだの、早くないだの、区切るだの、区切らないだの言っているのはなんだか可笑しい。いや、とめどなく流れているからこそ、どう感じたのかを振り返ったり、自分の中で区切りを設けたりするのかもしれない。



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