玄米。

ここ数年、家では玄米を炊くようにしていた。偏った栄養バランス、長年の運動不足、喫煙・飲酒。不健康でしかない生活を送っているから、せめてお米ぐらいはという思いから、玄米を食べるようにしていた。

正直、玄米を炊くのは死ぬほどめんどくさい。お米をとぐ前に、まずは水に浸すという工程が必要になるからだ。それもかなり長時間。正確な時間はわからないが、5時間ぐらいは浸けておくのがいい。そうしないと芯が残り、食感が悪くなってしまうのだ。また炊飯器に入れてからも、玄米は炊けるまでに時間がかかる。うちの炊飯器のスペックが低いからかもしれないが、だいたい1時間半から2時間近くかかる。ということは、12時にお昼ご飯を食べたいなと思ったら、朝の5時ぐらいには玄米を水に浸す必要がある。朝が苦手なぼくにとって、それは不可能だ。だから前日から用意をしておかなければならない。寝る前に玄米を水に浸し、朝になったら炊飯器のスイッチをオン。計画性のない自分がそんなことができるのか、否、できない。つい用意をするのを忘れ、寝てしまうのがオチである。だから、玄米を食べることができる日は、滅多になかった。炊くときは3合を炊き、冷凍庫に保存するようにしていたから、数日は玄米生活を送ることもあったが、長続きすることはなかった。

先日、玄米を炊こうと思って水に浸けていた。しばらく時間が経ち、様子を見にいくと、水が黒く濁っていた。ドウシテコウナッタ。スマホを手に取り、調べる。見つけたメディアの記事には、「玄米が劣化している」と書いてある。そう言えば、購入したのはいつだったか。思い出せないぐらい前であることは間違いなかった。記事を読み進めると、「食べない方がいい」と書かれている。もったいない。そう思って、炊いて一度だけ食べてみたが、問題はなかった。とはいえ、食べ続けていたら、健康を害すかもしれない。健康のために玄米を食べていたのに、それじゃあ、元も子もないじゃないか。神様、仏様、農家様。愚かなぼくを許したまへ。申し訳ねぇ、と心の中で土下座しながら、捨てることにした。

もう2度と同じ過ちを繰り返すまい。そう思い、無洗米を買った。玄米は一旦休止しようと決めたのだった。

今日、無洗米を食べたのだが、あまりにも美味い。玄米も美味しかったけれど、やっぱり白米、美味い。納豆1パックだけで2杯も食べてしまった。玄米の再開はいつになることやら。


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