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アメちゃん論考

おばちゃんの手提げには、結構な確率でアメちゃんが入っている。
何故だろう。

何故とも思わずに来たこの疑問が、ふと、友人の文章を読んでいた私の脳裏をかすめた。

私は東北生まれ関東育ちだ。アメちゃん文化では育っていない。
仕事をしていたのは東京と沖縄。あ、少しだけアメリカも。
そして考えてみるとそのどこででも、仕事でくたびれた顔をしていた私に「はい」とアメちゃんが差し出された。半分有無を言わさない形で、絶妙な距離感の笑顔と一緒に。そして確かに心癒されたし、「血糖値があがる」という物理的?な元気要素以外にも不思議な効果があるような気がしていた。

松潤ドラマで私がスキな99.9 -刑事専門弁護士-というのがあるが(映画はまだ観てない)主人公はよくアメちゃんを回りのひとにあげている。コミカルに描かれているが、決して小道具に留まらない重要な意味があるのは経験で知っている。

相手が自分をみていてくれている、という事実。
心を砕いてくれている、と思える嬉しさ。
しかもわざわざお礼をしないでもいい「なんでもなさ」がいい。
アメを食べる気分でなくても、口に放り込むと血糖値がぐおんと上がるし、それ以上に「その人の優しさとか思いやりでエネルギーチャージさせてもらっている」と思える。心がほんわりと暖かくなる。

そう考えると「大阪のおばちゃんの手提げに入ってるアメちゃん」ってすごい威力だ。そういえば、私の母もいつからか鞄に小さな「アメちゃんバッグ」が入っていたな。貰えるのは主に「クラシックコンサートに行ったときなどの咳払い防止」という理由だったけど(笑)

小さくて何気なくて、でも上手に手渡されたら心が間違いなくあったかくなるアメちゃん。そういえば私は研修医時代(疲れてる上にごはん食べる時間がない、という自分の必要性もあったけど)後輩によくアメちゃんをあげていたな。オットもその一人だった。
それが彼の心を「この人、好きかも」にさせたのかどうかはしらないけど。その一粒が,私が「気にかけている」ことは伝えてくれたような気はする。

・・・ん?もしかして世の中の女子は結構そういうのを「恋の小道具」にしてるのか?私が今まで気付かなかっただけで・・・・

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