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あなたはカッコイイからイケメンじゃなくてもいいんだよ

最近ずっと見て/聞いている音楽はK-POPのSeventeen(セブチ)とVaundy。素顔云々はよくは知らないのでここでは置いておいて、「カッコつける」という言葉がとても良い意味で彼らを輝かせているなぁと思っている。格好つける、じゃない、「カッコつける」ほうね。

セブチは完全に娘の影響という記事は以前に書いたけれど、Vaundyはひょんなことで・・・きっかけは去年の暮れのこれ↓。沢山の人が聞いているので皆さんもご存知と思うけれど。

miletもAimerも以前から好きなシンガーで聞いたのだが、これはこの3人だからこその耳に心地よく残る声、というのでいやほんと、「何この3人!集めた人天才!」って思ったのだった。で、何度か聞くうちメロディも歌詞もすごいな、と。。。。

これで初めて、このプロデュースをしたVaundyというアーティストを知る事になる。

まさか50を過ぎた自分が20代アーティストたちに元気をもらうようになるとは。もちろん若い頃よりいろんな音楽を聴くようになったしアート作品も昔よりなんでも見てみよう触れてみよう触ってみよう(もちろん触ってイイものだけですが)になった。

それぞれのジャンルのなかでも自分に響く記憶やら感情やらが必ずどこかにある。最近の私には何が好き、ということではないらしい、自分の記憶と今のアーティストの表現との間で渦を巻き始める不思議なエネルギーを楽しんでいるのだと思う。

さて、タイトルはこの曲の歌詞の一部。

で、本日のテーマ、【カッコいい】ということについて・・・
個人的に女の子はクールビューティというかカッコいい女の子っていうのがとっても好きなんだけれど、男の子は・・・昔から難しくてねぇ。

若い頃は正直「カッコいい男の子」にはものすごく嫌悪感が強かった。突き抜けた格好良さは別格として、カッコつける男の子というのは大抵アホ丸出し、と思ったり(ゴメンナサイ)かえって子供っぽく見えたり(ほんとゴメンナサイ)いろんな意味で危なく感じて近寄りたくなかったり。
自分がカッコいいと分かってる男の子、それでちょっと周りの男の子に対して優越感抱いてる男の子とかが大嫌いだった。まぁ私はあちらが気にするような女の子ではなかったと思うのでちょっと嫌な顔したところで何とも思われなかったでしょうけど。

私はむしろほのぼのくんが大好きだったし、カッコつけかたが分からない男の子とか「もうそのままで!そのままのほうが魅力的だから!」って背中をたたきながら本気で応援していたりした。

でも今は思う。
若い男の子がさ、周りを気にしてかっこつけたりするのもいいじゃない。その未熟さも痛々しい頑張りも(ゴメンナサイ)いいじゃない。その一生懸命さが切ないくらいその若さにこそ似合うeau de Cologneみたいで良い。その年齢でしか似合わない、纏うには安っぽいけどちょっとだけイイ感じの爽やかな甘い匂いで。

もうどうやったって子供の部分が一生捨てきれない男の子だからこそ、彼らはカッコつけたいんだよ、隠したいんだよって若い頃の自分に諭してやりたい。許してあげて、それも愛おしい彼らの表現の仕方だと認めてあげようよ、って。彼らは隠してるつもりだけど実際はその下にある凸凹がみえる、それがきっと若さならではのセクシーさだったりするんじゃないの。

無駄に尖る必要は無いけれど、多少尖って人生に挑戦状を突きつけるくらいなのもいい。その彼らの苦悩は多分、その年齢にしかない薄氷でできた上着みたいなもの。着てみたり気恥ずかしくなって脱いでみたり、もう一度袖を通したら脱げなくなってしまったり。

そうやって自分で年齢と経験を積んだら、その薄氷のジャケットは少しずつ溶けて、自分で「あははは、氷だったよ、バカだったなぁ濡れちゃうだけなのに」くらい言えるようになって、そうなったらそれは余裕とちょうど良い諦めとを含んだ色気になるような気がする。そんな、ずっとは着ていられない上着こそが「かっこつける」なんじゃないかと最近は思う。


・・・なんてことを、セブチにしてもVaundyにしてもだね、自分の半分くらいの年齢の男の子達に感じているのだ。
ずっとは着ていられない「カッコつけ」ジャケット。
そして彼らはだんだんそのジャケットが溶けていくのに気付いていく、いや、気付いているから脱がないのだろうね。
その刹那的な感じ、その一瞬だからこそ見える複雑な乱反射の色が輝きが、今は愛おしく素敵だなぁと素直に思う。

男の子はカッコつけていていい。そうしなくてもいいけど、それでもいいんだ。
そしてその薄っぺらで溶けてしまいそうな上着にふん、と鼻をならす女の子がいて、儚い期間の上着だから魅力を見出す女の子がいて、そのカッコ良さに憧れる男の子がいて自分にはできないと悲しそうに笑う男の子がいて。そのどれもが素敵だなと思う。とてもいいなと思うのだ。


あの年齢だから許される薄氷印の上着。今の私には眩しいと感じられるし苦笑いしてしまうし、明日には変わってしまうものだと知っているから「もうちょっとそのままでいいよ」と思うんだろうなぁ。

・・・・なんてことを、Vaundyのこの曲を聴きながら思う。 そしてこの切なさと苦しさと空を見上げるような曲を歌うこの才能は、間違いなくカッコいい。


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