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がらんとしたのは部屋だけではなく

子供達が大学に行って家を出て、まだ2週間くらい。
時間や空間の使い方がまだ分からなくて私はもぞもぞしている。

娘は家族と一緒だとよく喋るので、居ないと本当に家が静かになる。それは差として当たり前に出る。
でもびっくりするのはもう一人のこと。息子なんかは家に居たときも部屋からあまり出てこなかったし、出てくるのはごはんの時とバイトに行くとか友達と会うために、っていうくらいだった。なのに今との差はなんだ。

人の気配って強烈なものだな、と日々実感する。そうやって息子が短時間家を空けても、彼の部屋の辺りになんとなくなにかが残っていた。いつだって何かの気配が家の一角を占めていたのに、今はこの2週間で 少しずつその気配が薄れていく。部屋に掃除機をかけに入ると、無人の部屋のにおいに変わっていっているのがわかるので、なんとなく消臭がわりにアロマディフューザーを置きたくなる。

三匹の猫たちも、今まで以上に私の周りに居る。いつも。
これをタイピングしている今も、すぐ横に一匹が座り込んでいる(うちは食卓に猫がのるのを禁止wしてきたが、最近はもう、なし崩し的にOKにされているわ・・・)。

私が家を空ける時間はそれぞれのお気に入りの隠れた場所で昼寝をしているけれど、帰宅すると見える範囲にやってくる。下手をすると オマエ達は犬か、と言いたくなるくらい私の後を追い、足許であれやこれや話し、それでも私が勝手に動いているとみると 私の視界、それも目の高さに近くなるところにやってきて自己主張する。
家はさほど大きいわけではないのだが、猫たちもがらんとした空間にいたくないようだ。

毎晩11時頃には3匹ともが より私の近くに座ってくる。ダメモトで「一緒に寝ようよ」と言ってるのだな、というのがよくわかる。子供達がいつも一緒に猫と寝ていたからな。飼い主冥利に尽きると言えばそうなんだけど、うちは主寝室と階下は基本、猫立ち入り禁止。毎晩「ごめんねー」と一匹一匹に声をかけてから眠る。

私もそうだけど、猫たちも気持ちに、1日の中の時間に、子供達がいないというぽっかりした隙間があるんだろう。がらんとしたのは 空間だけのことじゃないんだ。

もうすぐ慣れるだろう、そういうのが普通になるだろう。・・・私も猫たちもね。

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