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ありがとうの効能

はじめは小さな火種から


夫はよく「ありがとう」と言う人です。

当たり前にやっている家事などに対して、すごく感激した様子で「ありがとう」と言います。

慣れないうちは、いやいやそんな大袈裟な、と思っていました。

もちろん私も夫に対して「ありがとう」とは言います。

しかし、夫の言う「ありがとう」と比べると何かが違う。

うーむ、わからない。

考えてみてもわからないので、ひとまず真似をしてみることにしました。

何かしてもらって嬉しかったとき、感激した様子で「ありがとう」と言ってみることにしました。

すると、心がほわーんとあたたかくなるような気がする。

自分の中に小さな火種が生まれる。

伝えた相手も嬉しそうで、それを見てまた心がほわーんとする。

火種が少し大きくなり、心がもっとほわーんとする。

おかげでなんだか気分良く過ごせるので、「ありがとう」夫バージョンが、少しずつ自分の中に浸透していきました。

「型」の落とし穴

考えてみると、私が生まれ育った家庭では、お互いに心から「ありがとう」と言いあうことが少なかったように思います。

型として、人に何かもらったり、してもらったりした時には「ありがとう」と言うんだよ、と教わったとは思います。

とはいえ、肝心の心がなければ、その「ありがとう」はとても味気ないものとなり、心がほわーんとなることもありません。

茶道、華道、武道などの型を重んじる文化を持つ私たち日本人の良くないところは、型を重んじるあまり、心が置き去りになりがちなところです。

その道の達人に言ったら怒られそうですが、型を真似るだけなら簡単です。

でも、心が伴わなければただのハリボテ。

私の「ありがとう」はハリボテだったなと、ずいぶん大人になってしまってから気づきました。

自分の中の熱を知る

感謝の想いが、実際に熱を感じるものなのだと知って、ひそかに大きな衝撃を受けました。

心のあれこれを表現するときに、情熱とか、あたたかいとか、熱で表現することが多いことはもちろん知っていました。

が、見えない心の動きが、エネルギーとして、本当にそこにあるのだとこれほど実感したことは、これまでなかったかもしれません。

自分の中の熱を実感してから、他人の中の熱も感じられるようになりました。

自分の中の熱を維持できるようになると、熱の足りない他人に熱を伝播させることができるようになりました。

これが安定してできるようになった頃、毎日が当たり前にスムーズに過ごせるようになっていることに気づきました。

謎の効能

わかっていると思っていたことが、実はわかっていなかった。

目からウロコどころか、脳みそ丸ごと洗われたような感じです。

ことの始まりは、これまでの「ありがとう」を疑ってみただけなのです。

それだけなのに、見える世界が一変してしまった。

自分でもまだよくわかっていないのですが、この現象はなんですか?

ひとつ言えることは、心からの「ありがとう」、言ってみて損はありません。

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