イスラエル ネタニヤフ首相は政治的に終わった 9

結局、パレスチナ国家は出来る。イスラエルが米国を使ってこの流れを押し戻す力は、、、徐々に徐々に失われてきている。

対パレスチナでイスラエルには大きく三つの選択肢があったように思う。

a)パレスチナ国家を認めない。ヨルダン川西岸地区の入植地を拡大して、徐々にパレスチナ人を押し出し、国家建設に必要な領土領域をなくしてしまう。今のネタニヤフの立場だ。

b)1967年のグリーン・ラインを境界線にパレスチナ国家を建設を認める。

c)パレスチナ国家は認めるが、その領土は1967年のグリーン・ラインを削り取り、イスラエルの領土に組み込む。一部の国際社会の同意を取り付け、新しい境界線をもとにパレスチナをイスラエルから切り離す。


ネタニヤフ及び大イスラエル主義者は a)で突っ走った。。パレスチナ自治政府とハマスの対立を煽って(いわゆるdivide and ruleです)、パレスチナを統合する一元的な代表機関の成立を阻止しして、時間を稼いで、最後には無数の入植地でぐちゃぐちゃにしてしまおうと考えた。

しかしながら、今回の戦争で、パレスチナ自治政府とハマスは恩讐を超えて大同団結するだろう。ハマス内部でイスラエル国家を認めない派からイスラエル国家を認める派が力を持ち、イスラエル国家を認めたうえで、パレスチナ国家建国へと突き進んでいくだろう。そして国際社会が認めるイスラエルとパレスチナの国境線は1967年のグリーン・ラインとなる。

今頃になって c )にすればよかったとイスラエルは後悔していることだろう。1967年のラインをもとに、イスラエル側に都合が良い形でパレスチナ側と領土のスワップ(交換)を行うことをイスラエル政府は検討していたはずだが、このまま全部を奪い取ってしまえと突き進んだ結果、「最悪」の結果になりつつある。

株取引でいうなら、多額の含み益を抱えた株を持っていながら、もっと上がれ、もっと上がれと握り続け、結局、暴落して、買値に戻った状態だ。

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