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(2020:その 1) 教会長拝命経緯

天理教の教会長になった際に信者さん方にお話した最初の神殿講話です。

以下の本から抜粋しています。

天理教会長もいちゃんのお話(2020年6月〜2021年12月) | もいちゃん | 宗教入門 | Kindleストア | Amazon

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(2020:その 1) 教会長拝命経緯
 
 5月26日のお運びで、5代目会長就任のお許しを頂きました。これからも宜しくお願い致します。
本日は、自己紹介を兼ねて、私が教会長に就任するに至った経緯をお話したいと思います。宜しくお願いします。(かしわ手)
 
 私は現在、躁うつ病を患っており、毎日精神科のお薬を飲んでいる状態です。

発症の経緯をお話します。

私は、平成5年に大学院を卒業して、一般企業に入社致しました。

一般企業というのは利益をだすのが目的ですので、いかに安く買い、いかに高く売るかということを常に考えないといけないものです。

いまでこそ、サービス残業、パワハラがあったらブラック企業と言われて社会から糾弾されますが、当時社内では全く当たり前の状況でした。

皆さんご承知のように、天理教では、心を低く、八つのほこり(おしい、ほしい、にくい、かわいい、うらみ、はらだち、よく、こうまん) (注)を積まない心づかいで他人に接するようにと教えられていますが、一般企業にいたらこういった心づかいでいい人でいると、あくが強い人から踏み台にされて蹴落とされていきます。

私は上司が言ったことには口答えせずに、ハイと言って仕事をしていました。

結局そんな状況ですから、私の所に仕事が山のように廻ってきて、毎晩12時、1時まで仕事をしているような状況でした。

そのため、最後には精神が壊れてしまいました。

34才の時に自宅の浴室の浴槽の中でパニック発作を起こして、救急車で運ばれました。

その時、
『自分はこんなに頑張っているのに、みんな自分を責める。もう誰も信じられない。死にたい。助けて。』
と叫んでいました。

翌日会社に行って、
上司に
『自分は壊れました。』
と話したところ、
会社の産業医の所に行くように言われました。

産業医からは精神科を受診して会社を休職するようにいわれました。

診断名は『うつ病』でした。

それでも、1年間休職した後、また復職することができました。
 
天理教の教えに従って、いい人になろうとすると、厳しい世の中では、打たれて、潰されやすいものです。

私は天理教の教えに従って会社の中で心を低くしていった結果、潰されてうつ病になったと思いました。

この為、その時は天理教を恨みました。

しかし、今は、神様は私を虐めたくてこんな病気にしたのではなく、私の心の成人を促す為に、あえてこういった環境に私を置いたのではないかと思っています。

復職後、私の病気もかなり安定してきて会社でも次長級のグループ長をしていたのですが、その頃に二番目の妻と知り合いました。

『実家が天理教の教会をしていること』
『親戚が電機メーカを経営していること』
『私がそれらを継ぐ可能性があること』
『私がうつ病を患っていること』

を話した上での結婚だったのですが、結婚後数年経つと、私が会社を辞めて地元に帰って、天理教か会社を継ぐならば離婚すると言い出しました。

私としても会社に残って定年までいてもそれはそれでいいかと思っていたので、その段階では特に反論もしませんでした。

しかし、4年前に職場の上司からのパワハラによってうつが悪化して、会社の産業医からまた休職するように言われました。

そのことを自宅に帰って妻に言ったところ、
『キチガイが家に居たらこっちまで気が狂う。
キチガイは出て行ってくれ。』
と言われ、私は行く当てもないままに、実家の教会に一人戻ることになりました。

しかし数週間経っても妻から実家の教会には何の連絡もありませんでした。

私は妻にはうつ病のことは以前から言っていたのに、キチガイと言われてはもう一緒にはやっていけないと思いました。

ただ、天理教の教えでは離婚はさけるべきと言われているので、自分自身がどうしたらいいのか分からなくなっていました。

そこでワラをもすがる思いで天理教教会本部の別席(注)を受けにいきました。

17歳で初席(注)を運んでから、ちょうど30年かけて、満席(注)になりました。

満席後すぐにおさずけ(注)の理(注)を拝戴したのですが、それでも心が定まらず、日を開けずに3日講習会(注)に行きました。

それでも心が定まらずに、天理教のある先生の所に相談に行きました。

その時、その先生は
『あなたのうつ病は脳のホルモンバランスが崩れる病気ですよね。
頭の病気だからあなたは目上の人を立て切れていないのではないですか?』
と言われ、
私は最初意味が良く解らなかったのですが、
『ご両親はあなたにどうして欲しいと思われていますか?』
と問われ、
『きっと実家の教会に帰ってきて欲しいと思っていると思います。』
『ならばあなたは大学を卒業してから25年間親不孝していたのですね。』
と言われてハッとしました。
『親不孝?私はいい大学を出て、いい会社に入って、親には何も迷惑を掛けていなかった筈なのに。そうかぁ。』
と愕然としました。

そこで、天理教をするならば別れると言っている妻とはきっぱり別れて実家の教会に帰ろうと決心し、離婚調停を申し立てて妻と別れました。

その後、修養科(注)に行き、そのまま教人講習(注)にも行きました。

その後、2018年の3月末で会社を退職して、4月から親戚の会社に入社しました。

入社後1年経ったときには2週間会社を休ませてもらい、教会長検定講習(注)にも行きました。

4年前迄は実家の教会に帰ってくることは全く想像していませんでしたが、なかなか教会に戻ってこない私に対して、これでもかと事情(注)、身情(注)をみせられて、神様からの御手引きがあったのかと思っています。

今は親戚の会社の社長もしておりますが、先月お運びをして教会長を拝命することとなりました。

現在、病状も比較的に安定しており、発病してからの人生の中では、一番いい状態ではないかと思っています。

今が結構だと思えるのも、ある意味別れた妻のお陰だとも思い感謝しております。
 
また、心の病を経験したことで、心の病を患っている方のお助けも出来るのではと神様に感謝しています。
 
以上つたない話ではございましたが、御清聴ありがとうございました。(かしわ手)
 
 
 
(注)
八つのほこり:
おしい、ほしい、にくい、かわいい、うらみ、はらだち、よく、こうまんの神様がきらわれる8つの悪いこころづかい
 
別席:
おぢばで聴かせていただく親神様のお話です。同じ話を日をあらためて合計で9回聞きます。
初席:1回目の別席のお話
満席:9回目の別席のお話

さずけ:
9回の別席を聞いて、心を洗い立てなおして人救けをしたいと願い出ると、真柱(しんばしら)様から病む人の体をさすると病気を平癒できるヒーリングの力をいただくこと。
 
理(り):徳、ことわり、おしえ
 
真柱(しんばしら):
教祖中山みきの子孫で天理教の信仰的代表者
 
3日講習会:
天理教会本部である2泊3日の天理教の勉強会
 
修養科:3カ月間天理教会本部で天理教の勉強をするコース


 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

教人講習:
修養科卒業後に、更に教理を学びたい場合にうける約2週間の講習
 
教会長検定講習:
教人講習修了後にうけられる教会長になれる資格を取得する約2週間の講習
 
事情:
人間関係、金銭、暴力などのトラブル
 
身上:病気

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