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青けりゃいいってモノではないけれども。

ピアノが弾ける
ジーンズは穿かない
英語はペラペラ
帰国子女
偏差値が高い
青魚は食べない
実家が太い
運動神経が良い
お寺の娘
 
って、だ~れだ!?
 
ここまで書いてみると、一体どこの令嬢(令嬢?)と思われることだろう。
 
これらは、ン十年かけて様々な分野の他人が私に抱いていた思い込みの一覧(一部)である。
 
そして答えを言うと、全部違う。
言わせないでよ!
ていうか、なんだお寺の娘って。
 
怖い事に、幼馴染数人もこの思い込みメンバーに含まれている。
まさかでしょ。
 
偏見とまでは言わずとも、何故、どうしてここまで実態とは真逆のイメージを抱かれているのか。
子どもの頃から不思議だった。
容姿端麗な子どもなら多少の「思い込まれ」はあるかもしれない。
うわぁ~ピアノ習ってそう~とかね。
自分で言っておいてちょっと悲しくなったが、残念ながら子ども時代もパッとしない見た目であった。
 
面と向かって言われる度に驚きと共に湧いて出る「Why?」。
 
「キッサちゃん、ジーンズ穿くの?!」と高校生の時に幼馴染に驚かれる。
言ったか?一言でも言った事あるか?、
「私ジーンズ嫌いなんだよね」って。
 
「キッサちゃん、英語喋れるやろ?」
聞いた事見た事あったか?私が英語で喋ってるとこ。
 
他人の思い込みで「私」を形成されてしまうと、子ども時代は怖い事が起きたりもした。
足が速いと勘違いされて体育祭の持久走とかリレーの選抜に何度か抜擢されたり。
いや、足の速さも普通なんだよ。
実際走ってみせると皆が「は?」って顔するんだよ。
 
合唱コンクールの伴奏者に2年連続で推薦されたり。
1年目の時にちゃんと「いや、弾けないし、弾いた事ないし」と固辞したのにも拘らず、2年連続だ。
意味が分からない。
 
私の知らないところで真逆の私が蔓延っていては困る。
だって真逆だから。
 
 
それにしても
私は他人に対してこのように思い込んだ事がないのだが、
額面通りに受け止める以上の何かが湧いて出るのが普通なのかしら?
 
そうであってほしいという願望?
 
私には青魚を食べてほしくないってそんな願望ある?
鯖大好きだっちゅうの。
 
勿論、私はそれらの願望(期待)に応えなければならない、といった強迫観念には至らないし、
むしろ逆の感想を持つタイプだから、大人になった今は他人の思い込みで私が実際に迷惑被る事はない。
もう持久走とかないし。
面白い発想するなぁと余裕を持てる。歳取れば更にどうでもよくなってくる。
大人と言えどカチンとくるような思い込みもたまに言われるけどね。
それは単に失礼な人。
 
 
何年前からかは忘れたが
英語圏では自分の年齢を言う時や、相手に年齢を尋ねる際に
「I’m 35 years young.」とか「How young are you?」と表現するのを見聞きする機会が増えた。
これを私は本来の目的とは反対であろう意味で良い表現だと思っている。
謙虚に見えてくるのだ。
「私はまだまだ35歳の青二才です」って聞こえてとてもいい。
これが90歳とかだったら最高だ。
90歳の青二才。
人間は死ぬまで青二才って、まるで宇宙に対してホモサピエンスなんて…って謙虚な感じで面白い。
 
他人に対して期待や偏見や思い込みを持つ。
それらが決して相手を形成する訳ではないが、内容によっては傷付く事だってあるだろう。

皆が青二才。
 
そう考えると、偽の私が造りあげられた上記の思い込みが、昇華出来るんじゃないかって。
一生伴奏者にはなれないし、英語ペラペラじゃないからって、期待はすれど「私」を残念がる人はいない。
そこがポイントだと思う。
私自身もピアノが弾けないから自分が残念な人間だと思わない。まぁ弾けたらいいなぁ程度は思う。駅ピアノとか格好良い!っていつも思ってる。
 
 
ただし、これとは別に、「雑な人」との関わりを、そろそろ見切っていこうかなと思うようにはなった。
友達は多ければ多い程、人生が豊かになると信じて疑わない知人もいるが、
私はあんまりそう思っていない。性格や相性は置いといて。
 
こんな歳して未だデリカシーのない幼馴染がいるのだが、こういった場合は見切るに見切れない。
幼馴染故に、親同士も知っているわけで、縁なんて切る事は出来ない。
距離を取るしか対策はない。
幼馴染だからって、イコール親友ではない。私は親友だなんて思った事ないし、もし大人になって知り合ってたら、秒で切っていただろう。
私自身は相手をする事に心の底から辟易している。
そもそも期待なんかしていないのに、そっちから勝手に裏切ってくるデリカシーゼロっていうのは手強い。タチ悪い。こんな人間、いるんだなって。
 
だけど誰もが青二才。私もあなたも。
 
そう思って生きて傷や心を軽くするしかないのだ。

ただし、その青さを眩しく思ってはいけない。

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