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読書記録「知ってはいけない 隠された日本支配の構造」矢部宏治 (著)

出版された当時『日米合同委員会』が話題になった。
日米地位協定』については、米軍人が日本で事件を起こす都度、マスコミに取り上げられている。
最近では、コロナ禍で出入国制限のなか、今まで通り米軍人がスルーで沖縄基地に出入りして、沖縄でいち早く多くの感染者が発生したことがニュースになった。

こういう類の本は、自分なりに内容を確認しながら読んでいる。
(ウソの情報を読んでも仕方がない)
自分で確認した限り、書かれている大凡のことは、残念ながら事実だと思う。

だからと言って、一市民一国民ができることは何もない。
米軍が日本国内で行うあらゆることは、日本国法律の適用除外なので、日本の領土内で発生した事案であっても、日本政府ですら手出しできない。

誤解を恐れずに言えば、日本は米軍下にある「法治国家」である。
他国との条約 > 国内法 なので考えてみれば当たり前なのだが。
 
日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約 が 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約 に変わる当時、砂川事件の検察側が行った最高裁跳躍上告での裏の動きをアメリカ国立公文書記録管理局等の資料で地道に調べているジャーナリストもいる。

今回読んだのはこの本。

類するKindle Unlimited 対象の本はこちら

この本の事実関係を確認した主なもの
日米合同委員会組織図:https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100060689.pdf

防衛省発表合意概要:https://www.mod.go.jp/j/press/news/2023/02/16b.pdf

上の2つは、日本政府がWebで公開している直近の情報。

この本に度々出てくる、米軍横田基地が支配する空域は次の通り。
(防衛省HPから)
http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2006/2006/html/i42c5000.html

羽田・成田空港から西日本へ向かう航空機は関西・大阪空港行きを除き、横田空域を避けての飛行が義務

横田空域の返還(の国への働き掛け):東京都都市整備局

雑感

以前から耳にしていたことではあるが、一冊の本をまとめて読むと事実確認できるとともにガッカリする。
ただそれを、つらつら書いても仕方がない。
各章のまとめが、章扉の次に四コマ漫画で描かれているのでそれを転載する。(商用目的以外での使用可となっている)

上の例は横田基地だけだが、日本全国に同様のものがある
沖縄での米兵犯罪、殺人等はようやく逮捕されるようになってきたが
ベトナム戦争時、沖縄の米軍基地はベトナムへの出撃基地となった
当時「日本国との平和条約」のもと米軍が沖縄を支配し、1972年の沖縄返還により日本に復帰した
うち1回の会合はニュー山王ホテル(港区南麻布:米海軍管理、アメリカ軍関係者が東京訪問時の宿泊施設)で開催される
丸山眞男氏は1960年代後半「欺瞞に満ちた戦後民主主義」の象徴として全共闘の学生などから激しく糾弾された

日本のような小国は国際情勢を鑑みると、一国だけで自主性を保つのは難しい。
香港やウクライナの二の舞には、なりたくないものの、いろいろな意味で摂取され続けるのももどかしい。

一国民としては、出来るだけ真実に近いところを理解しておくくらいか。
知らない方が、ストレスが溜まらないのだが…

MOH

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