『さらば、神よ 科学こそが道を作る』の改題文庫版。
この本のレビューは下手な内容説明より、あとがきの後に付け加えられた『「解説 世界の見方」佐倉統 東京大学大学院情報学環教授 』が分かりやすい。いくつかを引用する。
感想
もともと神や悪魔を信じていないので、この本に書かれていることは腑に落ちることばかり。
第1部では聖書(旧約、新約を問わず)に、書かれている内容は史実ではなく、神話(事実ではない物語)であることを歴史的・科学的見地から徹底的に説明する。
第2部では、日本では少数派と思われる「進化論を信じない人たち」に対して、生物学をもとにそれらの妄想の根源を明らかにしている。
後半、シュレティンガーの猫、コペンハーゲン理論が出てきた時には「量子論まで話が行くのか?」とワクワクしたが、著者の専門ではないらしく、その説明は尻切れとんぼに終わる。
読了後、世界の信者がどんな分布かを調べてみた。
ブリタニカ国際年鑑(2017)世界の宗教別人口ランキング
1位:キリスト教 22.5億人(US:2.3億、Brazil:1.8億、Russia:1.2億)
2位:イスラム教 14.3億人(Indonesia:2.0億、Pakistan:1.8億、India:1.8億)
3位:無宗教 9.5億人(無宗教を宗教と呼べるか? 中国・日本等に多い)
4位:ヒンズー教 9.1億人(India:8.3億)
5位:仏教 3.8億人(中国:2.4億)
西側諸国の中では、米国の2.3億人(人口3.3億人)が突出している。ロシアの人口は約1.4億人なので、ほとんどがキリスト教徒。
ウクライナ戦争で鍵を握る主要国に、キリスト教信者が多い不思議。
MOH