そっちに行ってくださいね

「世間一般」と違う人間は、責められて当然なのだろうか。

生きづらく、世間一般からは大きく外れてしまった子を持つ親として考える。

息子を学校へ迎えに行った時、同じクラスの子達が私に口々に言った。

「息子くん、おかしいよ」
「注意するとね、こうやって(息子の泣き真似)泣くんだよ」

その姿を娘と一緒に見ていた。
娘は、息子のことが大好きだ。自分と違うことを分かっていても、それでも息子のことが大好きで世界でたった一人の兄なのだ。

娘は泣いてしまった。
自分の大切な兄が誰かにこうして心無いことをいわれていることに、5歳の心が爆発しそうだったんだと思う。

息子は自分が周りと同じになれないことに悩み「死にたい」と言った。
まだ小学2年生の子供に、私はそんなことを言わせてしまったのだ。

違うことは悪なのだろうか。
周りとの違いに、もう充分悩んで、それでも前を向いて生きようとする人間を責めていいのだろうか。

息子の見ている世界を君たちは知っているの?
君達が見ている世界やルールが全て正しいと思っているの?

息子は周りの協力もあって、支援学級に行けることになった。
それは決して道を外れたということではない。
息子の心を守りながら、世の中で生きていく術を身に着けるため。
言ってみれば学校生活のリズムを身に着けるために決めたものだ。

先生が見ていないところで、息子を囲んで色んなことを言うだろう。
優等生で授業参観では立派な意見を言える子が率先して息子に心無い言葉をかける。

そんな姿を見て、私が思うのは
「はいはい。君たちはそっちにずっといなさいね」

戦うことも大切かもしれない。
でも、戦うことで見失うことがある。
それは「一番大切な人の心」だ。

自分の心を守るために人を傷つけていいと思っている人。
そっちにいてくださいね。

こっちは優しい世界に行きますので。

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