キャラメルカプチーノ

僕はいまだにきみがスキで、
それでもいつまでも「好き」になんてなれなくて、

それがどうしようもなく、虚しくて、
遠くて、

川の向こうに、届かない。


僕はいつまでもきみがすきで、

それでも君と付き合いたいとか、

そんなんではないんだ。

ぼくはどうしたってそうはなれない。

それが分かってしまうから、

君に「好きだ」なんて言えない。

こんなにもすきなのに、

「好き」はいつだって、

嘘になってしまう。

君が欲しいな。

君が欲しいな。

僕はいつまでも、


きみの"彼女"にも、


きみの"友達"にも、


なれやしない。



女にも、男にも
なりきれないのに、

身体ばっかり女らしくて、

心はこんなにも君に近い、

夜に会いに行ってしまうほどに、

ほいほい車に乗ってしまうほど、

深夜だってどこだって君と一緒に居たいくらいに、


ぼくは"ぼく"で、

"わたし"じゃない。


君が求めるぼくは、


"わたし"かな、

「そんなことない」って

君は言うだろうけど、


僕は"わたし"になって、

きみにふつうに恋したかった。

"女の子"なら、

君はぼくをどうしてたかな?

見向きもされなかったとしても、

それでも僕は、

かわいらしく乙女として、

きみの横顔にそっと遠くから見惚れてる女の子になりたかったな。

そうしていつか君に想いを伝えて、

「ありがとう、でもごめんね。」

なんて、

ちゃんとふつうに振られることができたら、

それでよかったのに。

そしたらちゃんと君を"過去の思い出ファイル"に
そっとしまって忘れられたのに。



恋人にも友達にもなれやしない僕は、

いつまでも君を手放しに「好き」になんてなれないし、
それでもいつまでも君がスキで、

君を軽やかに"友達"になんてできないから、

想いは伝えようもなく、

振られることすらできなくて、

いつまでも名前のない曖昧な関係のまま、

いつまでも君との思い出を、思い出になりきらなくてだらだと延長させてしまった今の君を、

一体なんて名前のファイルにしまっていいのか、

いつまでも分からないでいる。


いっそ「もう好きじゃない」
「もういらない」

なんて、


言ってくれればいいのに。


いつまでも、

君への想いはまとまらない、

なんて名前なら、

君と話すことが、

君をすきでいることが、

許されるのかな。


いつになったら、

なんの後ろめたさも違和感も感じずに、

ただ素直に君への想いを包み隠さず伝えられるのかな。

そしてそれは一体なんて言葉なのかな。


わからない。

わからない。


それでも今も、きみが忘れられない。




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