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Manchester by the sea

I can’t beat it.   乗り越えられない。


今年もサクラが開花して、3月の終わり頃には恐らく満開を迎える。

つまり、恩師がなくなって約1年が経とうとしている。

お葬式に出るように言われたが、行かなかった。行きたくなかった。

私の記憶の中で、先生はいつも笑って飛び跳ねていて45周年を迎えるパーティ運営は昔とスタイルは違えど、いつでも誰にでもオープンだった。

数年ぶりにあっても、いつもそこでわたしを迎えてくれるホームだった。

もう違うんだな、と認められなかった。

お友達とランチに行こうとしていて、突然頭の血管が切れたらしいということだけは、どこからともなく伝え聞いた。

先生らしい最期と言えばそうかもしれない。

何も恩返しなんてできなかった。

何かで活躍して功績を残した報告もできなかった。私に英語や世界、平和という言葉、今の私が大切にしているもの全てを教えてくれたのは先生だったはずなのに、早く何者かにならなきゃとは思っていたはずなのに、何もできなかった。

桜が満開になる度に思い出すんだと思う。

何もできなかった自分と未だに恩師の死を乗り越えられていない自分を。


ヒトはいつ、死を乗り越えるんだろう。

中学の先輩の死や、高校の副担任、祖父、恩師、人生のどこでも死はあったけど、私は乗り越えられたことがない気がする。

どうすれば違った結果があったんだろう、って未だに考えてしまう。

後悔ではないけれど、私はそのヒトの死に対して全力を尽くせたかと言われると、答えは毎回いいえになる。

いつか、はいって言える日が来るのかしら。


今日は映画に救われた気がした。

桜開花のニュースと共に、なんとなく気分が落ちていたから。

映画の中で、大の大人(男)が乗り越えられないって認めていたから。

状況は全然違えど、死を乗り越えられないヒトもいて良いのだと認められた気がしたから。

私はまだまだ乗り越えられそうにない。

今日もいい天気である。

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