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分類別古単no.39:はなはだ

39■はなはだ

受験生のための単語リストです。
ここでは「はなはだ・たいして」というニュアンスを持つ語を集めてみました。
全体の50音索引はこちらへ

■次の語の意味をA→Bで確認!

A 単語リスト

1・いと・いと~打消
2・いたし・いたく~打消
3・いみじ
4・いとど:いとどし
5・あいなく・かしこく・ゆゆしく・むげに・わりなく

B 語義と語感

1・いと
➀たいそう
②(打消しを伴い)たいして~ない
■→いと・いたしは否定語を伴って使われる場合は「たいして~ない」と解釈すべきだということは重要。

2・いたし
➀たいそう・甚だ
②すばらしい
③ひどい
④(打消を伴い)たいして~ない
3・いみじ
① たいそう・はなはだ
②素晴らしい
③ひどい
2・3■→いたしは、肉体的精神的苦痛が転じて痛みを感じるほど程度が甚だしい意を表し、■→いみじ忌むと関連した語で、不吉なほど甚だしいというニュアンスが原義。■下の用言を修飾していく場合には「たいそう~・ひどく~」と程度の甚だしさを表し、■形容詞として自立していれば「すばらしい・ひどい」のプラス・マイナスの両方の用いられ方がある。■また連体形で名詞を修飾していくケースもニュアンスは同じである。■いたしいとと同様に打消しを伴う場合には「たいして~」という意味になることにも注意。

4・いとど・いとどし
=いっそう・ますます甚だしい
■→いとどは「いといと」の略。程度がいっそうはなはだしいさまを表す。

5・あいなく・かしこく・ゆゆしく・むげに・わりなく
■→
これらの心理を表す語も、その語の持つ独自のニュアンスとは別に、連用形で下の語を修飾する場合、甚だ、ひどくの意で用いられることは重要。


■例文で演習!

C 例文

  1. 月を見て、いみじく泣き給ふ

  2. いとやむごとなき にはあらぬが、すぐれてときめきたまふありけり。

  3. その物語、かの物語、光源氏のあるやうなど、ところどころ語るを聞くに、いとどゆかしさまされど、

  4. をかしきこと言ひてもいたく興じ

  5. 世は定めなきこそ、いみじけれ

  6. わりなく物疑ひする男に、

  7. 世を捨てたる人、万にするすみなるが、なべてほだし多かる人の、万に諂ひ、望み深きを見て、無下に思ひくたすは、僻事なり。

D 例文の解釈

  1. 月を見てたいそう泣きなさる

  2. たいして高い身分ではない、とても寵愛を受けなさっていた方がいた。→文法:が=同格の格助詞

  3. その物語、あの物語、光源氏の様子など、ところどころ話すのを聞くと、いっそう読みたい気持ちが強まるが、

  4. おもしろいことを言ってもたいしておもしろがらない

  5. 人生は無常であるからこそ、すばらしい

  6. はなはだしく物を疑う男に、

  7. 俗世間を捨てた人、万事独り身の境遇である人が、おしなべて係累の多い人が、万事へつらい、望みの深いのを見て、ひどく見下すのは間違いである。→文法:の=同格


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