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分類別古単no.56:一日の中の時間帯

56■一日の中の時間帯の名称

受験生のための単語リストです。
ここでは「一日の中の時間帯の名称」を表す語を集めてみました。ここは単語として覚えるというより古典常識であるので、説明を主にし、例文も省きます。
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■次の語の意味をA→Bで確認!

A 単語リスト

→あさ・ひる・ゆふ・ゆふべ・よひ・よなか(夜半)・あかつき・あした:つとめて(翌朝・早朝)・たそかれ・かはたれ・よもすがら(一晩中)・ひねもす(一日中)

B 語義と語感

■正確な区分は微妙だが、おおむね古典では、「夜=よ・よる」を中心とした時間が、ゆふべ→よひ(宵)→よなか(よは)→あかつき(暁)→あしたと流れ、昼を中心にした時間が、あさ→ひる→ゆふと流れる。
■古典を読む上で意識したいこととして、の読み方・とらえ方がある。時間帯としては、「あさ・あした」(ゆふ・ゆふべも。)は重なるが、昼に向かっていく意識においては「あさ」であり、夜から朝に向かう意識においては「あした」という読みになる。それで「あした」は、①早朝・②翌朝の二つのニュアンスをもつことになる。ただ、現代のような「明日」の意味は江戸時代以降であり、ややこしいが、「明日」の意味は古典では「あす」という言葉が表した。同じ①早朝・②翌朝の意味で「つとめて」という言葉がある。これは「夙に」の「早い」という意味からの派生だといわれる。
■また、通い婚において大事なのは宵。男は宵に女の家を訪れて暁に帰るが、「」は「ゆうべ」の次の時間で日没から夜中になる前の時間、おおよそeveningの時間帯と思えばいい。暁は夜明け前のまだ薄暗いころ。「明時あかとき」の意味だという。「あかとき」が平安時代に「あかつき」に変化した。
■また、夕暮れの薄暗いころを別に「たそかれ」と言うが、同じように朝の薄暗い時間帯を「かはたれ」と言う。薄明でよく見えない状態で、「あれは誰だ」というのを、「彼は誰=かはたれ」と言い、それが倒置されて「誰そ彼=たそかれ」となった。英語で言えば、両方ともtwiligjtである。
■もうひとつ、「よもすがら・ひねもす」をセットで覚えたい。「夜もすがら」は一晩中、「ひねもす」は一日中である。春の海ひねもすのたりのたりかな(蕪村)

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