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公募とAIの可能性を探る。

アメリカのSF雑誌が、「AI使ってパクリ作品を送ってくる奴が多いので作品募集を止める」と決定したのがほんの少し前だった気がするのだが、今度は写真のコンテストでもAIを使った写真が受賞していた。もっともこれは応募者自体が「どれくらいAIを警戒しているかを試しただけ。受賞は辞退する」という声明を出したらしい。


「AIに手紙書かせてみたら文法やつじつまがめちゃくちゃw」
「Youtubeで芸人がまったくウソのエピソード作られてて笑った」

といった感じで現状ネタ化されている感もあるAIだが、画像や写真では上記のように既に受賞レベルのものを出せたりするわけだ。「しょせんAIはAI、人間が決めないとちゃんとしたものはできない」という意見も根強いが、まあ程度の差はあれ、浸食は時間の問題である。「スマホなくても今のケータイで電話できりゃ充分でしょ」と言ってたのが今や…となっていった状況と似ている。

ロゴを何百案も一気に作れるのでデザイナーの仕事がなくなるとか、むしろテストが早くなるだけで最終的には選べる人間の力が必要になるとか、いろんな意見を見るが、まあ実際世の中に出ているものは100点満点のものばかりではない。
「おいおいこれせいぜい70点だろ」みたいな商品やデザインがたくさんあるし、しかもそれが適当に済ませているものとも限らない。残酷だが、めちゃくちゃ頑張って70点をたたき出す人もいれば、片手間に作って90点の人もいるのが現実というものである。
まあAIを活用しておかないととんでもないことになるとか、選ぶ力があればAIで仕事がぐっとラクになるとか言ってるのは、だいたい楽に90点を出せる人のイメージだ。そもそもネットでさえ使う人使わない人で分断があるので、それがさらに強まるのかなぁと思う。ちなみに自分も「選ぶ力」に自信がないので、あんまり活用できそうにはない。

で、前置きが長くなったが、公募の一つである「ラジオCM」をAIに考えさせたらどうなるか。架空でありつつイメージしやすそうということで「リフォーム会社のラジオCM」を考えさせてみた。

AI作品1「リフォーム会社のラジオCM」
男性1:「おい、最近うちの家の風呂がちょっと暗くなってきたんだよなぁ。リフォームしようかなぁ。」
男性2:「あ、それなら○○リフォームがいいんじゃない?」
男性1:「え、なんで?」
男性2:「だって、あいつら経験豊富だし、お客様の要望に合わせた提案が得意なんだって。しかも、無料で見積もりを出してくれるって聞いたぜ。」
男性1:「へぇ、それは魅力的なだな。では、早速相談してみようかな。」
男性2:「そうそう、それで決まりだよ。○○リフォーム、あなたのお宅の風呂を超快適にするぜ!」

「あいつら」。男性2の立場が気にはなるがまあ形にはなっている。ちなみに何も指示しないととんでもなく長くなるのと、単なるナレーションベースのものになってしまうので、上記は「会話調で」「110文字以内で」「コミカルに」という注文をつけている。そこまで指示してこれくらいの感じである。

いっぽう、俳句や川柳は文字数が短いせいか、それっぽいのがすぐ出てくる。
「桜をテーマにした俳句を」と書くとこんな感じ。
1.桜咲く空に境界花の雲
2.花吹雪舞い散る桜の匂いかな
3.霞かかる遠く見ゆるは桜一色


もちろん微妙に意味がわからんとか575に一部なってないとかはあるが、最初からこんな感じで出て来るなら充分ではなかろうか。自分で俳句を考える習慣のある人からしたらまだまだなレベルでも、全然考えたことのない人からしたら「できてるじゃん!」となるのでは。

しかし進歩のスピードを考えると、応募にしても実務にしてもAIの活用(浸食?)は当たり前になってきそうだ。中には「子供のころから使うのはダメ、禁止せよ」みたいな意見もあるが、結局人間「あるものは禁止しても誰かが使う」もんだよなぁ。転売ヤーとかもそれでなくならないわけだし。
個人的にはもちろん転売を容認してるわけではなく、むしろ滅べとは思ってるが。

サポートいただけた場合、新しい刺激を得るため、様々なインプットに使用させていただきます。その後アウトプットに活かします、たぶん。