あつまれ銭湯民族。 ~「銭湯文化祭」体験記その2~
前回からの続き。と言いつつゴングから少し遡る。
レスラーの登場を待つまでにI夫婦と話していたのだが、離脱していた間にあったイベントで「ライブ角刈り」があった模様。見ていたIによると
「モデルさんがホントにその場でピシーっとした角刈りになってた」
とのことで、離脱しても特に目当ての買い物ができたとかでもないので、残っておけばよかったなあとMと話した。
しかし番台の付近にどんどん人が集まるのが見えて来るに従い、
「本当に浴室までくるのか?」
という疑問が湧く。銭湯プロレスの観戦がかなり目的のメインを占めていたので、結局全然見えませんでしただと冴えないなあ、と思いながらIと話をする。
「いや、でも椅子を積み上げてた兄ちゃんの感じからしたら来ると思うよ」
「でもどうなんだろうな、風呂場のタイルの上でパワーボムとかしたら死ぬぞ」
「確かにそれはヤバい。湯舟には入るくらいか?」
「まあ場外乱闘、字で書くと『場外乱湯』になるとかはやりそうだな」
てなことをだべってたらついに始まった。登場に歓声が沸く。でも見えない。番台の前にマットを敷いたらしいが、浴室からではさすがにまったく見えない。人だかりの中では何人もスマホで撮影している人がいて、そのスマホ越しに様子を見るという状態。なんとこの狭さにも関わらず4人でのバトルロイヤルであり、まずはチョップの応酬という王道のプロレスムーブが行われていた。バチーンという乾いた音が連続して響き、これぞプロレスという空気が高まる。とはいえやはり狭いのは狭い、というか客が多すぎる。
「やっぱりこの狭さでそうそう投げ技はできないよな」と思っていたらドーンと音が響き、近くに見に行っていたIが「ブレーンバスターじゃん!」と叫んだ。やるんだ、ここで。すげえな。
そうこうしているうちについに場外乱湯が勃発。浴室にレスラーとレフェリーが入ってきて大盛り上がり。3段に積まれた椅子に向かって構えているので「まさか投げ技しないよな」と思っていたら、いわゆるボウリング状態の投げ飛ばし。積まれた椅子がガラガラと崩れ、観客のテンションもマックスである。
その後、湯船に顔を入れようとするレスラーとそれに耐えるレスラーのくだり、銭湯の蛇口から出る水を頭にかけるくだりなど、存分に銭湯を活かしたムーブが披露されていく。これが銭湯プロレスか!
そろそろ浴室から移動かな、となったところで最後にまた浴槽付近でレスラーの絡みが…と思ってたらなんとそれを止めようとしたレフェリーが浴槽に叩き込まれる。
「そっちかい!」
思わず声に出た。しかもレフェリーがなかなか上がってこない。おいおい、どこか打ったのか?と思っていたらレスラーに引っ張り出されて人工呼吸が始まる。もしや、と思っていたらレフェリーの口から放水。期待を裏切らないムーブであった。
その後倒れたままのレフェリーをほっといて試合は決着。浴室から移動してしまったので勝敗がよくわからなかったが、この空気感を味わえただけで満足である。
その後、まだいくつかイベントは残っていたのだが、Мが結局買い物できていないこともありそこでAに話をして退散することにした。
いやぁ、楽しかったぜ、銭湯文化祭。
Aは東京での銭湯イベントにも協力しているようなので(小杉湯とか)、お近くの方がいれば参加されてはいかがでしょうか。銭湯プロレスがあるのかどうかはわからないが。
ちなみに銭湯部タオルは買って帰りました
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