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キングオブコント2021 感想&個人採点

去年はぜんぜん見られなかったのだが今年は生で見られたので感想を書く。
最初に言ってしまうと結果も文句なし、レベルも総じて高い当たり年であった。
というかYoutubeでの消費も早い時代によくみんなこんな練り込めるなぁ。素直に感心。
なおガッツリ内容に触れているので、内容を知りたくないという方はスルーしてください。ちなみに今Tverなどで視聴できます。


1組目 蛙亭 461点(6位)
人工生命体(ホムンクルス)と女性研究者のコント。全然かっこよくない、どちらかというとキモい感じのホムンクルスが、だんだんとかっこよく、愛しく見えていくというところが面白い。トップバッター、しかも審査員がほとんど初審査ということで抑え目になっていたが、順番によってはファイナルステージ進出も狙えたのではないかという出来だった。
個人的採点:94点

2組目 ジェラードン 462点(5位)
まるで漫画のような高校生バカップルを全然ビジュアルの良くない二人が演じる様にツッコミを入れ続けるコント。女の子役が角刈りのおっさん体形なのに少女漫画の幼馴染キャラというところがポイントか。面白かったが「変な奴にツッコミ続ける」というのはある意味スタンダードすぎたかも。
個人的採点:91点

3組目 男性ブランコ 472点(3位)
ボトルメールから始まった文通相手に会いに来ると、清楚なファッションとは裏腹にコッテコテの関西ノリ。しかもそれが好みのタイプだという裏切りに加えて、それが実は妄想で…という凝った構成。コントの実力を感じさせた。これが関西ノリに引いてるだけだったらよくある感じになるところ。
個人的採点:93点


4組目 うるとらブギーズ 460点(7位)
迷子センターにやってくるめちゃくちゃ慌てたお父さん。説明を聞くと子供の名前からファッションから個性的過ぎて迷子センタースタッフがいろいろこらえられなくなるというコント。この「こらえきれない様子」が絶妙にうまい。普通にドラマとかに呼ばれそうだった。慌てるお父さんにももう少し変化が欲しかったかなぁ。
個人的採点:90点

5組目 ニッポンの社長 463点(4位)
バッティングセンターに打ち方をコーチするおっちゃんが現れるが、コーチしながらどんどんデッドボールを食らうというシュールなネタ。ボケる空気を出さずにひたすら無言でデッドボールを食らうのに爆笑した。ただ前半がゆっくりすぎたり、賞レース用の時間の使い方ではなかったのが惜しい。決勝にいってほしかった。
個人的採点:95点


6組目 そいつどいつ 456点(8位)
カップルの女性がずっとパックをしていて、だんだんホラーな雰囲気を出していくというネタ。暗くなるとパックが光る、突如パックが浮かび上がるなど、ビジュアル的にいろいろ工夫が見られた。ただだんだんコントなのかホラーなのかみたいになってきたのが惜しかったか。
個人的採点:89点

7組目 ニューヨーク 453点(10位)
結婚式の打合せにきたがスタッフが優秀そうに見えてバグってて間違い続けるというネタ。てかネタ云々以前に「こういうシャキシャキしきっていく感じの奴いそうだな~」というところが結構ウケた。しかし採点は振るわず最下位。ネタより終わった後の絡みが話題になる状態だったが、それでも平均90点はあるんだよね。今大会のハイレベルさがよくわかる。
個人的採点:90点

8組目 ザ・マミィ 476点(2位)
独り言で悪態をつき続けるいわゆる「アブないおじさん」を全面的になぜか信頼する青年というコント。かまいたち山内の「汚いミュージカル」という言葉が非常にしっくりきた。酒井のキャラに慣れてしまっていたからかそこまで個人的には大笑いというほどではなかったが会場のウケは抜群。2位通過となった。
個人的採点:92点

9組目 空気階段 486点(1位)
SMクラブで火事に巻き込まれた二人の脱出劇。実は消防士と警官という職業のギャップ、二人とも大真面目で火事から脱出してるのにM奴隷というギャップで、挟む小ネタも良く大爆笑をさらった。当然のように1位通過。元々本命だったがこれは2本目でよほどしくじらない限り優勝いくぞと思わせた。
個人的採点:98点

10組目 マヂカルラブリー 455点(9位)
M-1王者の堂々参戦。コックリさんをやってたらマジモンが出てきて野田が操られ続けるというネタ。本当にコックリさんによって操られているような野田の演技は見事。腕に操られるのがちょっと寄生獣みたいな感じ。ただM-1を見てしまってるだけに「漫才でもできそう」感があったのか、そこまで得点伸びず。
個人的採点:93点


<ファイナル>
1組目 男性ブランコ 463点(2位) 合計935点(2位)

レジ袋をケチったがためにいつまでもお菓子を落とし続ける人とそれを拾い続ける人というコント。自分としては別番組で見たことがあったのでインパクトは弱くなってしまった。初見だとかなり面白かったはず。
個人的採点:91点

2組目 ザ・マミィ 459点(3位) 合計935点(2位)
社長と部下の真剣なやりとりかと思いきや、「今のドラマっぽくない?!」というのを重ねていくコント。「マジメ→ドラマ」の繰り返しが最後まで続くので、こういう賞レースの時にはちょっと裏切りがないと厳しいのではと思った。あと「まだ半沢?」というのもちょっとあるか…。「あーあるあるw」という面白さはあるのだが。
個人的採点:89点

3組目 空気階段 474点(1位) 合計960点(1位)
前2組が爆発までいかなかったので同じレベルなら優勝だが…と思っていたら2本目もしっかり笑わせてくれた。自分の考えた漫画の設定でカフェを開いている変なおじさん、というシチュエーションだが、客がドン引きせずにむしろツッコミどころを楽しむあたりが現代っぽい。コーヒーの呼び名を「ブラックホールの湧き水」にしてるくせに豆にこだわってるとか、笑いどころがいちいち上手い。
個人的採点:94点


■総評
総じてハイレベルで、あからさまに外したとか全然笑えなかったという出場者はいなかった。ネットではニューヨークのコメントが不遜とかネタ自体が面白くないとか叩かれてたが、周囲が強かっただけであれも十分面白い部類だったと思う。てかネタの内容より好感度の問題で叩かれてる感じ。
にしても変わってきたな、と思うのは「変な奴が現れた時に受け入れる」パターンが増えてきたこと。それこそ少し前までジョイマンの「何だコイツ~」を踏襲するような「変な奴が現れてひたすら変なことをするのにツッコミ続ける」パターンが多かったのだが、そこにひねりを加えるようになってきた。
時代なのか飽きられてきたからなのかわからないが、いずれにしても「コントおもろいなぁ」と素直に思えたいい大会だった。

追記

そういえばひとつ気になったのが、空気階段の紹介VTRのBGMが、pillowsの「Funny Bunny」だったことである。ファンなのかな?「キミの夢が叶うのは誰かのおかげじやないぜ」ってこういうときすごく合ってる。

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