見出し画像

時代を先取りしすぎたアソビ

皆さんは「ユウジロー」をご存じであろうか。ファミ通の読者投稿4コマからそのままプロとなり、ファミ通やアスキー関連のコミック誌で活躍していた漫画家である。広島出身ということもあり同郷の私はけっこう応援していた。ちなみに単行本も持っている。
(でも初期の本が行方不明。実家のどこかにあるはずだが…)

初期はあからさまに広島弁の出てくる粗っぽい漫画だったが、だんだんと真骨頂である「変わった着眼点」という部分が目立ってきた。
たとえば以下のような内容。

「テレビを見ていて『この後の放送は一部地域では放映されません』という放送を見て、すぐ一部地域ぽい場所に車で移動して『あの番組やってない』『あ~あ』と確認する」

「夕食が旨い!と思ったら妻が腕に『より』をかけていた」
※『より』という謎の生物がハンガーのように腕にかかっている


「痛いの痛いの飛んでけ~!とやると『痛いの』という謎生物がはじき出される」(さらに「クッソ、飛ばされた!」と言って走って戻ろうとする)

などなど。
言葉の重箱の隅をつつくというか、独自の感覚で「そういやこの言葉って何となく使ってる部分があるな」という部分を漫画にしていた。そういった「あるある」とか「そういえば」みたいなのが面白く、よく読んでいた。

その中で、人気シリーズのひとつに「おぼっちゃまのアソビ」というものがあった。金持ちのおぼっちゃまがじいやに対して「●●する奴らを集めろ」と言って集めさせる道楽のシーンを描いた漫画だ。

「小銭が落ちた音を聞いて『あっ、オレの!』と反射的に言うやつらを集めろ」
→わざとそいつらの目の前で小銭を落とし、反応せずに戸惑う様子を見ながら 「まっ…みんな大人だもんな」とほくそ笑む。

「雨の時傘の柄にレジ袋をかけて歩く奴らを集めろ」
→「手に持てバカ!」とストレートに怒る。じいやが心の中で「キッパリバージョン」とつぶやく

他にもたくさんあったのだが残念なことに手元にない。すごい読みたくなった。 実家の本棚を発掘すればあるだろうか。
このシリーズを最近よく思い出すのだ。なぜかというと「これってYoutuberの 『金にあかせてやってみたシリーズ』の先駆けじゃないか?」と思うから。
もうメントスコーラだとか大量のスライムだとかドリンク全シリーズ混ぜてみただとかは飽きられていると思うので、今こそユウジローをブレーンに迎えるべきではなかろうか。

ちなみに今画像などを探そうとしてもマイナーすぎるのか全然ヒットしない。
「おぼっちゃまのアソビ」で検索しても「おぼっちゃまくん」とか「みんなのアソビ大全」ばかり引っかかる。と言いながら実は「おぼっちゃまのアソビ」の LINEスタンプはしっかりヒットする。これは本物だ


だが、当然4コマの中身ではなくキャラスタンプなので、雰囲気しかわからない。惜しい。ちなみに今何をしているのかもわからん。スタンプ売るのがメインというわけでもないと思うが…。

個人的にはめちゃくちゃディープな広島弁を操るあらいぐま「ラスコォー」が好きだった。

少年「ラスコォーさん、エサを…」(水と魚を差し出す)
アライグマ「ん?はあはあ、わしが洗って食う思うて?」
少年「あっ、ハイ!用意させていただきました!」
アライグマ「しったげか」(少年に目つぶしをする)
少年「だあぁぁぁ!」

効果音も素晴らしい

アライグマ「わし洗わんで。あとエサいうな、ペットじゃないんじゃけ」

※「しったげ」とは広島弁で「知っているふりをしている奴→生意気」みたいな意味。
※画像は奇跡的に1コマだけヒットしたので引用させていただいた。


あー読みたい。

サポートいただけた場合、新しい刺激を得るため、様々なインプットに使用させていただきます。その後アウトプットに活かします、たぶん。