Tatsuyo Misawa

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最近の記事

「仕事と私とどっちが大事?」考

仕事と私とどっちが大事?という問いを耳にする機会があり、以前からもやっていたので考えてみた。   「仕事と私とどっちが大事?」で検索してみた。 例えば2014年のダイヤモンドの記事がヒットした。 「顕在意識と潜在意識のズレが生む『スレ違い』」などとありますが、いまひとつ女はいなしとけ感がぬぐえない。 ダイヤモンドだし、2014年のジェンダー観だとこのくらいかもしれない。   2010年のゼクシィの記事。 ”20~30代の女性に「夫や彼氏に『仕事と私、どっちが大事なの?』と聞い

    • 個別撃破は施餓鬼だったかもしれない

      私はずっと疑問に思っていた。 例えば、父親は外では私のことをさんざん自慢しているらしいのに、私を絶対に誉めない。 なぜでしょう。 答え)素晴らしい娘さんをお持ちですね、と「自分が」誉められたい。 プレゼント系もやばい。 自分が気持ちよくなるために、プレゼントしてくるからだ。 そのときのヤツの気分にぴったりくるお礼をいうことができないと、地獄が顕現する。 特にお金がやばかった。 お年玉、お小遣い、学費。 学費を全額返せと言われたので、もう鬱で動けなかったので、生命保険を

      • 自装と他装

        着物関連の本を読んでいて、自装と他装という言葉を知った。 自分で着るのが自装。 着せてもらうのが他装。   自装は簡単である。 浴衣なら30分、着物で半幅帯なら2時間あれば着られるようになる。 着物が難易度が高いわけではなく、単にパーツが増える。 しかし、着付け士とか「他装」のプロを目指すといきなり超大変になる。   で、また別の本を読んでいて「自分で着られる」と「自分できれいに着られる」は違うと書いてあって、膝を打った。   私は、祖母はほぼ着物、母も着る人だったので、私も

        • 「『育ちがいい人』だけが知っていること」という本を見てしまってマナーについて考えた

          「『育ちがいい人』だけが知っていること」という本が、twitterでやや燃えていたのをやや覚えていた。 暑すぎてなにもかもがおぼろげである。 本屋で手に取ってパラパラ見てしまった。 お受験の親子のためのマナー講師をやっている著者が書いた、ということだった。  ”婚活成功者続出!難関幼稚園、名門小学校合格率95%!「にじみでる育ちのよさ」と本物の品が身につくと話題のマナー講師が教える、話し方、食べ方、ふるまい、お付き合いの心得。 「育ちのいい人」にとっては当たり前なのに、多く

          着物に抱く感情のカロリー

          着物まわりのエッセイ漫画「召しませ着物」スタジオクゥ ひよさ&うにさ著、という本は、着物好きの方に勧められて読んだが大変面白く、情報量が多い本であった。 この本。 https://www.amazon.co.jp/%E5%8F%AC%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%AD%E3%83%A2%E3%83%8E-%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%82%AA%E3%82%AF%E3%82%A5-%E3%81%B2%E3%

          着物に抱く感情のカロリー

          男子向けの漫画

          先日、某漫画の評で「男子向けだけど面白いんですよ!」という評があり(評者は女性)、私はその漫画がとても好きで、男子向けとして読んだことはなく、どちらかといえば人類向けだよな、と思っていた。   掲載誌が青年誌だったことをずいぶん後から知ったのは、私が電子版で読んでいるからだ。   電子で読む、ということは、掲載誌を越境するということになるので、例えば「ヤングジャンプは男の雑誌だから読まない」等のくびきから逃れることができるのではないかと思っていた。 またひとつ、自由が増えたよ

          男子向けの漫画

          布マスクに見るジェンダー考

          4月5月、マスク不足の時期に、マスクを作って販売した。 始めは、不織布のマスクが買えなくなったので、家にアホほどある布で自分のマスクを作った。 そうしたら、あらそれいいわね、自分で作ったんだよ簡単だよ、えー縫物はちょっとムリなので売って、ということになったので、作って売りました。   大き目サイズ、子供用なども含め各サイズ売ってみて思ったこと。   大き目サイズ、子供用でも男児のものは、本当に柄が選ばれる。 大き目サイズは多くは成人男性が買っていると思われ。   かわいいや

          布マスクに見るジェンダー考

          父の入院

          正月三日に父が救急搬送され、正月で暇だったのですぐに駆け付けることができた。 結論から言えば、胆石だったので、胆のうを摘出して解決した。 解決してしまった。 彼は**が痛ければ手術、**ならばこの薬、となんでも医学でなんとかなると思っているふしがある。 だから体を大事にしない。 壊れたら医者。 今回解決してしまったことで、医者は万能、という回路が強化されたふしがある。 失語症の母と暮らして、ストロークハンガーなせいもあるだろう。 病院で看護師さんに絡んでいる父は、とてもう

          私は激怒した。しかしアンガーマネジメントを手に入れて穏やかに暮らした

          女性がとっさに怒ることができないのは、その場の身の安全を確保することが優先だから、というツイートを見かけた。 なるほど。 性別にかかわらず、体力や権力などの非対称がある場合は怒りにくい、と読み替えた。 私はガチで怒ると言葉が出ないかわりに、泣いていた。 怒りを抱え込み続けることはできないので、せめてもの涙なのかもしれないが、怒れなかったことで、あとでずっと悔しかったりする。 だいたい、これでは何も通じない。 精神にも体にも悪いので「その場で怒る筋肉」を鍛えることにした。

          私は激怒した。しかしアンガーマネジメントを手に入れて穏やかに暮らした

          すばらしい日々

          3歳からのんびりピアノを習っていたが、途中からなぜか音大を目指すような人が行く教室に放り込まれた。 そこではビシビシ叩かれたり、人格否定されたり(当時はそんなことはわからないのでただただ嫌だった)していた。 私の後の時間帯に習っていたN子ちゃんと高校になってから再会した。帰り際の泣いた顔を見られるばかりだったので、声をかけられたときは正直嫌だな、と思ってしまったのだが、「私もあの後、よく泣いてたよ。あの頃友達になれればよかったのにね」と言われ、二人で涙ぐんだのも今はよい思い

          すばらしい日々

          SNSに立ち上がる集合知に救われた話

          父がモラハラをする人というのは、今は知っているのだが、他にもいろいろな方が書いたコラムなどを読んで思い当たる節がありすぎて、膝を打っている。 例えば、物事が父の望まない結果に終わってから、「おかしなことをしているなと思ってみていたんだ。どうしてお前はあの時……(数時間なじられる)」みたいなことは、たびたびあった。 いやいや、それ途中で助言してよ案件。 弁護士事務所の書いた、モラハラ野郎の言動ベスト10!みたいな記事に入っていた。あるあるだった。 ちゃぶ台こそひっくり返さな

          SNSに立ち上がる集合知に救われた話

          棒と理不尽

          「理不尽なことで怒られる」といえば、例えば学校のアホな教師とかにやられた覚えがあると思う。 私の理の方が正しいのに……!と怒り泣いたりする。   国語の時間の「自由に詩を書いてごらんなさい」という課題に、先生にいかに理がなかったか、理のないことで怒られるやり場のない憤りを原稿用紙にぶちまけたら、先生に褒められた。 あの先生は捨てたもんじゃなかった、と今は思う。   ただ、理は変わるので、理不尽も変わるのだなあ、と思った。 そう思ったきっかけは「82年生まれ、キム・ジヨン」の読

          棒と理不尽

          「人権を無視する人の人権も守らないといけない構造」って名前がついているんでしょうか|漫画「アンネ」を読んで考えたこと

          「何が悪かったかわかるまで出られない部屋」という表現をtwitterでみかけ、おお、これは子の学校の体育教師をぜひ入れたい、と反射的に思ってしまったのだが、やはりどんな人間に対してもそれをやってはダメだろう、と全く人権に配慮しない人間の人権に配慮してしまうという矛盾に朝からぶつかる。   有川浩の「図書館戦争」という小説を私は特に好きではないけれど、表現の自由を弾圧する人々と、武装した図書館員が戦う、表現の自由を弾圧する思想も含めてすべての自由を守る、という構造を自分内で「図

          「人権を無視する人の人権も守らないといけない構造」って名前がついているんでしょうか|漫画「アンネ」を読んで考えたこと

          人間は考えるマングローブである仮説2019年版

          昨日で東日本大震災から8年ということで、移住を余儀なくされた方々の嘆きをまた見ることになったので、また同じことを考えた。   以前「人間は考えるマングローブである仮説」として書いたのだが、その先を考えてみた。   自尊感情と、内部と外部を行き来する相対的な視点と、小金があると、わりとどこに行っても生きていけるんじゃないかと思う。   もちろん、嘆く人々を非難したいわけではない。 自尊感情を育てなよ?と上から言いたいわけでもない。 そんなのは人それぞれだ。   ただ、自尊感情を

          人間は考えるマングローブである仮説2019年版

          京極夏彦著『虚実妖怪百物語 序/破/急』を読み終えて鼻息荒く書きました。

          京極夏彦著『虚実妖怪百物語 序/破/急』読んだ。 1388ページ、ついに読み終えた。 結論として、頑張って読むかいはあるぞ!といいたい。 読書に「かい」を求めるのはあまり正しい態度ではないのだが、ひろくおすすめしたいので「かい」はあるといっておく。   なにせ厚い。店頭でみたら、ふつうは怯む。 重すぎて、風呂でも寝床でも読みにくく、落とせば割れそうになる厚さ。 ハードカバー版では、序と破と急、それぞれ1冊ずつだったのだ。 なぜ合本にしたのだろうか。   ディアゴスティーニが後

          京極夏彦著『虚実妖怪百物語 序/破/急』を読み終えて鼻息荒く書きました。

          紙ナプキンを自分に貼っていた話

          なるべく、人目にふれるところで生理の話をすることにした。 あまりに知らない人が多いし、女性の中にも生理痛で苦しんでいるとさぼっているとおもったりする人がいるらしいので、驚いた。 驚愕のあまり、セキララに語っていこうではないか、と思ったのだ。   とりあえず、初潮だ。 初めて生理になったとき、血がでるものだという知識は持っていたが、血は鮮血だと思っていたので、パンツについた茶色いなにかをみたときに、なんだかわからなかった。 わからなかったので、母に聞いた。   母はとても嫌な顔

          紙ナプキンを自分に貼っていた話