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AirPods Max登場

AirPods Proよりもさらに高級な、オーバーイヤー型ヘッドフォンのAirPods Max登場です。高級感のあるアルミニウムのボディに、Apple Watchと同じくデジタルクラウンでのシンプルな操作性。最初からシルバー・スペースグレイ・スカイブルー・ピンク・グリーンと多色展開で、Appleの本気度がうかがわれます。AirPodsやPowerBeats Pro、AirPods Proより価格帯が上の、高級機種路線ですが、高性能なのでヒットしそうです。

そもそもAppleは既に、iPhoneに同梱するヘッドフォンによって、AV機器の老舗メーカーや専用メーカーを上回る、世界一の生産数のヘッドフォンのメーカーになっていました。iPhone恐るべし。Apple自体、MacのDTMから音楽関係には強く、iTunesのリリースとiPodの世界的なヒットで、足場を固めていたのですが。AirPodsのヒットで、MacやiPad、iPhoneやApple Watchの次の事業の柱にするつもりのは、ある程度は予想されていましたが。

■iPhoneを超える可能性■

デザイン性の良いヘッドフォンブランドのBeatsも買収し、Appleのヘッドフォン本格進出の狙いは明らかだったのですが。AirPods ProにPowerBeats Proも大ヒットしましたし。あまり話題になっていませんが、2019年のAirPodsの販売台数は約6000万台、世界のワイヤレスイヤホン総販売台数の50%以上です。iPodが一番売れていた頃でも、年間出荷台数4000万台だったので、この数字だけでも驚異的なんですけどね。

6万1800円の本製品で、Apple Watch以上のヒット作を、Appleは狙っていそうですね。Apple Watchの2018年の出荷台数は推定2250万台で、2019年に推定で3070万台が出荷されたと推定されます。 コレ自体でも凄いのですが、iPhoneのメガヒットに比較すると、やや物足りないのも事実。AirPods Maxが1000〜2000万台レベル売れれば、それこそ数年の内に売上額でiPhone並みのヒット作になる可能性大。

少なくとも、現状ですら6000万台レベルのAirPodsファミリーが、AirPods・AirPods Pro・AirPods Maxのラインナップになって、8000万台レベルも狙えそう。こういう高級機種の出現は、実際はミッドレンジ製品の売り上げを押し上げますから。というか、Beatsブランドと併せると、グループ全体では1億台オーバーの高みに駆け上って、出荷台数でiPhoneを抜きかねない存在。ジョブズ亡き後、二度目のヒット製品。

■消えたマークの意味■

AirPods Maxが興味深いのは、Appleのリンゴマークの排除、ですね。自分が見逃してるだけで、どこかに刻印されてるのかもしれませんが、少なくとも目立つ面にはありません。普通なら、デカデカと入れるか、少なくともデザインのアクセントに入れるはずなのに……。Appleのアイコンであるを排除するのは、デザイン性を重視しつつ、AppleやiPhoneのユーザーにとらわれない、より広範なユーザーを想定しているのでしょう。

もちろんAndroidスマホだと、機能はいろいろと制限されるでしょう。でも、先ずデザイン性が良いですし。使いたい人は多いでしょう。その内に対応したり、別アプリで代替される機能もあるでしょう。Androidユーザーでも使用できれば、iPhoneやiPadへの乗り換えを促すでしょうから。もちろん、Apple製品との相性や使い勝手の良さは別格でしょうけれど。

Apple自身は、顧客囲い込み路線とお客取り込み路線と、2つのパターンがありますが。iPhoneやiPadのみならず、Android系ユーザーを取り込む事自体は、保険にもなりますし。そもそもヘッドフォンという特性上、囲い込みに走っても無意味ですし。マークの消失は、iOSだAndroidだとか関係なく、広く顧客を取り込み、iPhoneやApple Watchの成長の限界に対応した選択肢、ということで。

■目的は能動的な使い方■

竜頭型のデジタルクラウンがApple Watch的ですが、こういうインターフェイスの共通化は、Appleの得意な部分。しかし単なる共通化ではなく、マイクも内蔵され受動的なヘッドフォンではなく、情報感知器としての能動的な機器として、将来的な発展も視野に入れている気がします。仕様を見ていて思ったのは、Apple Watchの蓄積がイカされている点。それはセンサーの多さ。以下に書き出してみましたが、ヘッドフォンらしからぬ多さ。

・光学センサー
・ポジションセンサー
・ケース検知センサー
・加速度センサー
・ジャイロスコープ

Apple Watchも、心拍計ほか多種多様なセンサーを実装し、ただの腕時計ではなく健康管理端末という、プラスαを付加してきたのですが。AirPods Maxもただのヘッドフォンではない部分を目指しているのでしょう。iPhone・Apple Watch・AirPods Maxの三点セットで、音声情報が切り替えをほとんどユーザーが指示せずとも、自動で変化していく感じのようですし。

■今後のAppleの製品展開■

AirPods Max自体はシンプルなデザインで、大型のオーバーイヤー型ヘッドフォンよりスタイリッシュ。ヘッドフォン自体は、もっと高額な高級機種もある世界ですが。そういうのは、ミュージシャンが録音スタジオなどで使うので、デザインが機能重視で男性的というか。Appleも、そういう機種は目指していないでしょうし。ヘッドフォン専用メーカーでもないでしょうし。

また、Appleのシンプル志向からすると、これにインカムが着いたり、スカウターのようなプロンプターが加わることもないでしょうけれど。つまりApple版Googleグラスは、目指さない、と。それより各種センサーを利用して、Apple Watchとの連帯強化を進めるのでしょう。Beatsとの棲み分けもあって、AirPodsファミリー自体は女性的なデザインを維持するでしょうから。シンプルにシンプルにが、貫かれそう。

個人的には、AirPods Max側にSSDを内蔵して、これ自体が独立したiPod的な使い方ができたら面白いなと思うのですが。それはなさそう。Appleとしては、iPhoneやApple Watchと連帯してこそのAirPods Maxでしょうから。逆に言えば、他のメーカーはそこに需要がありそうなんですけどね。ヘッドフォン自体にラジオの受信機能や通信機能とか付けて、スマートフォンから独立した機器として使えるような。

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