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日テレがドラマ制作中止の怪

◉西炯子先生が小学館の青年誌ビッグコミックオリジナルにて、シリーズ連載の作品『たーたん』が、日本テレビでドラマ化で、主演はむろつよしさんというところまで決まっていたのに、突然の中止。この記事自体は、有料記事なんですが。ネット上では、その理由が出回っています。芦原妃名子先生の『セクシー田中さん』のプロデューサーが、脚本家の相沢友子さんを起用した番組で、しかも内容に不穏な部分があった、と。その内容が、ちょっと信じられない改変を、再び原作に施してるという話で。

【《「セクシー田中さん」チームが再タッグ》ムロツヨシ主演ドラマ「たーたん」で発覚した“脚本トラブル未遂事件”「原作のストーリーが“改変”されていて……」】週刊文春電子版

「プロデューサーからの説明や謝罪は一切ありません。現場の士気は低下しています。そして、早くも『セクシー田中さん』の一件を想起させる“事件”が……」

 こう話すのは、4月から日本テレビ系列で放送予定のドラマ「たーたん」の制作スタッフだ。

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b8035

ヘッダーはAmazonのフォトギャラリーより、『たーたん』①巻のカバーです。


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■改変部分は…■

『たーたん』は「15年前、全く冴えない28歳の童貞男だった上田敦は、
友人から赤ん坊を預かる。その友人は殺人を犯し刑務所に入ったのだ。赤ん坊の名は鈴。敦は鈴を娘として懸命に育てた。鈴は父を「たーたん」と呼ぶ。」といった内容。青年誌向けですが、ロマンティック・コメディの系譜で。まぁ、主人公はむろさんのイメージに近い、キャスティングは良い感じなんですが。では、その改変内容は? こんな改変が加わっているとのこと。

たーたん制作中止か

歩道橋から飛び降りようとするシーンを売れない女優志望→ドラマでは漫画家に改変した

これマジ?原作持ってるけど娘の偽母親役だよね?「わざわざ」「漫画家」に変更する必要性無いキャラなんだけど。しかもなんで漫画家?

https://x.com/momiji_t_momiji/status/1760239145790894108?s=20

これ、どういうことですか? 芦原妃名子先生の自死を受けての、わざとではないと思いますよ。でも、企画が上がった時点で、芦原妃名子先生との間にトラブルがあり、その腹いせにこのような改変を加え、でも事態があんな形になって、慌てて中止にしたのではないか。そう邪推することは可能です。脚本の相沢友子氏は、元々はシンガーソングライターで、19歳でデビューで女優。ビジュアルも良く、アイドル的な感じだったようで。ただ、『セクシー田中さん』の件でのInstagramの投稿を見ると、ある種の性格の悪さが、滲んでいました。

ハッキリ言えば、自分を一方的な被害者にして、この漫画家のせいで私は傷ついたと、犬笛を吹いた可能性。事実、その後は芦原妃名子先生を一方的に批判するような言説があったことが、ネットの集合知で事例が集められ、指摘されています。なんというか、オープンレターでも感じた、クラスの女王様のヒステリーに周囲が同調するような、そういう嫌な空気を感じました。事件後、ようやく出したコメントも芦原妃名子先生を一貫にして〝原作者〟と呼び、お名前を出していない部分に、違和感を感じた人は多かったようで。

■プロデューサーは誰?■

言うても、作家はコミュニケーション能力が高い常識人の部分とは別に、壊れている部分が併存していて。人間的に妙な偏執的な部分があったり、意固地な部分があるものです。しかし、ちょっと相沢友子氏には、ちょっと度を超えたものを感じます。そして、この事態にも、プロデューサは出てこない。相沢友子氏が芦原妃名子先生の名前を出さないように、日本テレビも……いやマスコミも一貫して、このプロデューサーの名前を出してきませんね。いったいなぜでしょう(ネット上では出ていますが、思う所あって書きません)。これは、小学館の担当者も同じ。

京都アニメーション放火殺人事件のときは、遺族や関係者へのインタビューは控えてくれという京アニ側の願いは無視して、亡くなった人の名前を執拗に暴こうとしたのに。自分たちは説明責任も国民の知る権利も、埒外と言いたいのでしょうか? 別に、突然の事態に精神的ダメージが大きく、取材やコメントは勘弁してくれでも、自分はいいと思うのですが……。小学館の頑なな態度も含め、なにか脛に傷があって、口を閉ざしているんだろうなという、これまた邪推をされてしまう部分はあるでしょう。

■傷口を広げる前に■

個人的には、なぜここまで日本テレビがプロデューサーを庇うのか、邪推できる部分はあるのですが───そこについては、書きません。青学の先輩後輩とか見ていて、ちょっと思い当たることがあるんですが。ナベツネこと渡邉恒雄氏も、ああ見えて部下思いの人情家という面があることを、ある方から聞いたことがありますしね。日本テレビという読売グループの中核企業としては、ある種の身内かばいはあるでしょうし、それがないと独裁って上手く行かないんですよね。海原雄山も、恐怖だけではなく人望もあるから、畏れながらもついていく中川主任がいるわけで。

いずれにしろ、今回の件で、小説家や漫画家など、作品を提供する側の原作者は、かなり心理的なハードルが高くなったでしょう。同時に、小学館と日本テレビのパイプの太さとか、見えた部分も。『名探偵コナン』とか、関係は長いですしね。結果的に、企業が社員を守ろうとすると、個人事業主のフリーランスという弱い立場に、しわ寄せが行って、結果的に『セクシー田中さん』の問題で吹き出したとしたら、残念なことです。ただ、日テレや小学館が隠しても、結局は情報って、出てきてしまいますしね。早い段階で洗いざらいオープンにしたほうが、けっきょくはダメージも少ないと思うのですが。


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