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イーロン・マスク:ポリコレは共産主義が再ブランド化されたもの

◉まぁた、共産主義者が発狂しそうなことを。ここまで言われたら、日本共産党の党員は一斉に、X(旧Twitter)から離脱するかも知れませんね(棒読み)。マストドンに移動しようぜ運動、すっかり聞かなくなりましたが。でも、共産主義者はブランドイメージが悪くなると、リベラルと称するようになり。そのブランドイメージも悪くなると、Woke mindと言い出しただけで。本質は共産主義しそうなんですよね。世俗化し、批判に一部妥協し、結果的に鵺的になったのが、現代の左派と言っていいでしょう。

【イーロン・マスク氏「ポリコレはウイルスであり文明の脅威だ。共産主義を再ブランド化したようなものだ」】Total news World

Xを購入してから政治的になったかと聞かれ、イーロンはこう答えた「私が文明の脅威だと考えている “Wokeマインドウイルス”と戦うことを政治的だと考えるなら、そうだと思う」
(中略)
Q「政治の戦いの場に進むことに対して後悔はありますか?」

マスク氏「これは必ずしもある候補者か他の候補者かわからないが、私は一般的に、反実力主義的なものや、議論を抑圧しようとするものには反対だ。トピックを話すこと自体が許可されていない場合もる。「Wokeマインドウイルス」は共産主義が再ブランド化されたものだ」

http://totalnewsjp.com/2023/11/12/musk-315/

ヘッダーは共産党の赤旗まつりより、ドラムレクチャーと称してヒトラー髭をつけた安倍総理の写真を張り付けたドラムを叩く女性です。

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■Woke mindの本質とは何か■

政治擁護としての『Woke』は、Wikipedia先生には「Woke(ウォーク、[ˈwoʊk] WOHK)は、「目覚めた/悟った」を意味する「Wake」の過去形からきた黒人英語(AAVE)に由来する、「人種的偏見と差別に対する警告」を意味する英語の形容詞。2010年代以降、性差別などの社会的不平等に関する幅広い概念が含まれるようになり、白人特権やアフリカ系アメリカ人に対する奴隷制の賠償など、アメリカ合衆国におけるアイデンティティ政治や社会正義を含む左翼思想の省略形としても使用されてきた。」と説明されています。

概念的には新しいですが、やってることは昔ながらの反体制活動。それが、コロンビア大学やハーバード大学などの、全米屈指の名門大学で起こること自体が、東大に入って共産主義に目覚めたお金持ちの子弟の行動パターンと同じですね。西武グループの御曹司だった堤清・清二兄弟、地方財閥の一族だった網野善彦博士、旧制東京高等学校で網野善彦の先輩後輩だった渡邉恒雄と氏家齊一郎の読売グループの二人、岡山の名刺の息子だった高畑勲監督などなど。ブルジョアの子弟が、その負い目から弱者に共感し、のめり込むのが共産主義思想の特徴。

本来は、黒人差別への反発から生まれたはずなのに、なぜか白人が、それもお金持ちや地位の高い方々が熱心に行う。これは、人間の中に拭いがたくあるルサンチマンを、刺激するからでしょう。差別される人に共感することで、差別する側から抜け出したい・免罪符がほしいので。これは、自己否定が行き過ぎて、障害のある子どもを持ちたいと思うようになった最首悟和光大学名誉教授の、心性と同じです。批判されないための免罪符がほしいわけです芸人だからと、芸人を免罪符にする水道橋博士や太田光氏の言動も、根っこはこれです。

■共産主義思想のルーツとは■

カール・マルクスの共産主義思想のルーツは、ユダヤ・キリスト教なのですが。これら一神教の原型は、ゾロアスター教です。古代のイラン高原に住んでいた古代アーリア人は、多神教でいろんな神様を拝んでいたんですが。ゾロアスター(ザラスシュトラ ツァラトゥストラ)が主神アフラ・マズダーを信仰対象として創設したのがゾロアスター教。拝火教とも呼びます。これ自体は、厳密ないみでは一神教ではないんですけれども。善と悪の対立と、最後は善が勝つという善悪二元論の考え方(世界観)と、理想世界への転生が、ユダヤ教の最後の審判と千年王国思想に影響を与えたとされます。

実は一神教か多神教かの論点は表層の議論であって、この終末論や来世観がキモです。ちなみに、この善悪二元論と未来観が、西に行ってユダヤ教の神様ヤーウェに、東に行って密教の大日如来になった、という指摘もあります。それぐらい、ゾロアスターの考え方と世界観は、画期的でした。ゾロアスターが活動した年代は諸説ありますが、ナポリ大学のラルド・ニョリ教授は紀元前620年~紀元前550年ごろと推定し、紀元前650~600年ごろという説があります。これ、実はかなり重要です。

・ゾロアスター:紀元前620年~紀元前550年(ラルド・ニョリ説)
・ゴータマシッダールタ:紀元前565年~486年(北伝)
・孔子:紀元前552年 - 479年
・ソクラテス:紀元前470年頃 - 399年
・バビロン捕囚:紀元前597年 - 538年

場所的には遠く離れ、おそらくはほとんど交流がなかった人間が、ほぼ同時代に活動しています。この時代に、宗教から思想や哲学が生まれたのです。まだ、多分に未整理で、宗教と思想が完全に分離はしていませんが、ゾロアスター教や仏教や儒教の教祖が生まれ、ソクラテスもダイモニオンの諭しに従っていた敬神家ですしね。地理的に近いユダヤ教は、多分にゾロアスター教の競技と世界観を取り入れ、多神教から一神教へのモデルチェンジを行い、民族の紐帯となる存在にした面があります。

■ナウシカとゾロアスター教■

宮崎駿監督が、どこまで意識していたかは解らんのですが、この共産主義思想の思想は宮崎駿監督の代表作『風の谷のナウシカ』にも、色濃く見られます。宮崎監督は宮崎航空工学の経営者一族の生まれで、学習院大学卒のブルジョアなんですが。東映動画の組合活動で、共産主義思想に傾倒します。その結果、炎の7日間で文明が破壊され、腐海が生まれて人類は黄昏を迎えるが、実は腐海は地球を浄化する役目を持っていた──という『風の谷のナウシカ』世界観も、ゾロアスター教に類似しています。

ゾロアスター教の世界観とは、Wikipediaの記述をダイジェストにすると、アフラ・マズダーによって始まった完璧な「創造の時代」が、悪神の攻撃後に「混合の時代」になり、善人は死後に審判を受け美少女ダエーナーに導かれて楽土へ渡る。「治癒」と呼ばれる善の勝利で悪は消滅、世界は再び完璧な「分離の時代」になり、永遠に続く…。もろ、ナウシカの世界観でしょ? 大婆様が語る、タペストリーに描かれたナウシカの世界の伝承「その者、青き衣を纏て、金色の野に降り立つべし。失われし大地との絆を結び、ついに人々を青き清浄の地へ導かん」と一致しています。

これ、共産主義の世界観とも合致しています。エンゲルスが提唱した、私有制が普及する以前の人類の社会体制である原始共産制の平等な世界が、資本主義の時代になって乱れに乱れたが、共産主義革命によって糺され、資本家や王侯貴族など悪人のいない共産党一党独裁の完璧な世界が、永遠に続く───という、カール・マルクスの共産主義思想と。興味がある人は下記リンクのnote『ユダヤ・キリスト教の千年王国思想と共産主義思想』をお読みください。

■共産主義的な保守政治家?■

イーロン・マスクCEOがX(旧Twitter)を買収して1年ちょっと。無能な文系社員を大幅にリストラし、技術者を重視し、大胆な改革を断交しています。日本だと、キュレーションチームが解体されたらしく、それまでゴリ押しされていたハフィントン・ポストやBuzzFeedの記事、大口スポンサーだったであろう出版社のTweetが、ほとんど流れてこなくなり。閲覧数が表示され、イイネをいっぱい集めていたのに、実は閲覧数から見たイイネ率は0.1%とかそれ以下という、炎上だったのがバレ。

トレンドに上がってくるワードが激変し、社長が退任すると、理不尽に凍結されていたアカウントが、数年ぶりに次々と解凍。広告収益分配で、ツイッターが稼げるSNSに変化。そして、コミュニティノートの一般化で、情報をトリミングしたり、ただの主観を断定的に発信していたアカウントが、右も左も次々と被弾。それは、独裁的と言えば独裁的なんですが、トップダウン弟子から大改革は難しいですからね。おかげで自分は、4000フォロワーから7000フォロワーに3000人増えるのに6年10ヶ月もかかっていたのに、イーロン・マスク買収後は1年で2500人のフォロワー増。

そういう意味で、共産主義国家の初期で、開発独裁と呼ばれる目覚ましい効果や実績が出るのもまた、事実なんですよね。韓国の朴正煕大統領も、開発独裁で結果を出した人ですが。実は、赤化将校であったことは、あまり知られていません。岸信介もまた、国家社会主義者でした。ただ独裁は、長いスパンでは将来的に、必ず行き詰まりますが……。イーロン・マスクによって、履かせてもらってた下駄を奪われたマスコミは、批判を繰り返していますが。自分は、まだまだイーロン・マスクの改革は必要だと思っています。

■3年先10年先を見つめ改革■

かの勝海舟は、明治維新のグランドデザインを描いた島津斉彬公について「ある時おれは公と藩邸の園を散歩していたら、公は二つの事を教えて下すったよ。それは人を用いるには、急ぐものではないという事と、一つの事業は、十年経たねば取りとめの付かぬものだという事と、この二つだったっけ」と語っています。まずは3年、そこでX(旧Twitter)を黒字化する。そして、10年かけて自由な言論の場であり、稼げる場として確立する。そこを、もうしばらく見守りたいです。

自分は、X(旧Twitter)が今までの新聞や雑誌やテレビや映画を飲み込んだ、総合メディアに育ってほしいと思っています。情報や表現を発信し、優れた情報や表現には硝酸と利益がもたらされる。それまで、情報の流通を独占していたメディアが、その地位を失い。個人が大きな発信力を持つ。Facebookのように、有名人がより有名になるための、高学歴やブルジョアに有利なSNSではなく。情報や表現の中身だけで評価される、ほんとうの意味で平等な、でもある意味で厳しく残酷な社会。この両輪がないと、システムは容易に腐ります。

イーロン・マスク自体は、共産主義思想を積極的に排除するかと言えば、どうもそうではないように感じます(ただの主観)。排除も優遇もしない、だが自滅を待つ。そんな方針に見えます。保守系の言論を冷遇し、革新系の言論を優遇したキュレーションチームの逆をやっても、意味がないんですよね。そのための、オープンな議論の場を造るというのが、イーロン・マスクがコミュニティノート砲を実装した理由かと。万機公論に決すべし、これが民主主義の本質です。

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