見出し画像

プーチン大統領が内部粛清か?

◉プーチン大統領が、だいぶヤバイ状態になってるような感じです。あくまでもこの情報が正しければ、という保留はつきますが。ロシア連邦保安庁(FSB)のトップが自宅軟禁状態とのこと。元々が情報部員出身のプーチン大統領、自分の暗殺を企む部署はどこか、理解はしてるでしょう。あるいは、情報漏洩の疑いかもしれませんが。いちおう毎日新聞が報じていますし、日刊ゲンダイやAERAよりも信用できます。

【「露情報機関幹部を軟禁」報道 プーチン政権、内部粛清開始か】毎日新聞

 ロシアの独立系メディアは11日、情報・治安機関の露連邦保安庁(FSB)の対外諜報(ちょうほう)部門のトップらが自宅軟禁に置かれた可能性があると報じた。侵攻を続けるウクライナでの諜報活動を担当していたといい、首都キエフ攻略などが思うように進まない中、プーチン政権が内部粛清を始めたとの見方も出ている。

 FSB幹部の自宅軟禁については、ロシアの情報機関の取材を長年続けるロシア人記者が11日にSNS(ネット交流サービス)で報じ、隣国ラトビアに拠点を置く独立系ニュースサイト「メドゥーザ」などが詳しい内容を伝えている。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、ウクライナ侵攻関係はこのヘッダーを使うことが多いですが。

◉…▲▼▲▽△▽▲▼▲▽△▽▲▼▲…◉

■出身組織に疑心暗鬼?■

かつて存在したソ連国家保安委員会(Комите́т госуда́рственной безопа́сности СССР)、略称КГБという組織は、ソ連の情報機関であり秘密警察。ソビエト連邦の崩壊でロシア連邦保安庁、ロシア対外情報庁、ロシア国境軍などに権限を移行したわけですが。プーチン大統領もかつて所属していた、巨大なスパイ組織というイメージはありますね。今回自宅軟禁されたのはそのうちの一つのトップ。

日本ではКГБを英語に翻字した KGB(Komitet Gosudarstvennoy Bezopasnosti)が使われますが。青池保子先生や魔夜峰央先生の影響で、KGBと書いてカーゲーベーと読む人が一部に存在するのですが。分割された後の状況を見ても、いかに巨大で巨大な組織であったかが、よくわかります。共産党一党独裁の全体主義国家においては、軍部が情報を握り、国民を監視して、コントロールしていたのがよくわかります。

かつて自分が所属した組織だからこそ、裏で何をやっているかを一番よく知っているのがプーチン大統領。自分自身の暗殺に関する実行部隊として、最も可能性があるのが現状ではロシア連邦保安庁ということでしょう。これ自体はかなり危険な状況にも思えますが。毎日新聞が報じているとはいえ、現時点では自分にはどこまで本当か判断はできません。しかし、プーチン政権にとってはかなり危険な兆候に思えるのですが。

■侵攻を予測していたゼレンスキー政権■

ツイッターで、このような意見を見かけて驚いています。ゼレンスキー大統領のブレーンである人物が、3年前のインタビューでロシアによるウクライナ侵攻をすでに予見していたというお話。しかも単なるあてずっぽうが当たったという話ではなく。ロシアとウクライナとNATOの関係性を冷徹に見抜き、分析した結果というのが驚きです。どこの国にも政治の天才というのはいるのですが、これはずば抜けた慧眼ではないでしょうか?

ツイートが見れない人、あるいは消されたときのために要約&補足すると、
 ・中立には軍事的経済的な実力が必要
 ・このままではなし崩しに12年以内にロシアに併合
 ・NATO加盟を目指せば21-22年にロシア侵攻の可能性99%
 ・ウクライナ侵攻はロシアの敗北で終わる

つまりゼレンスキー政権は3年ほど前の段階ですでに、ウクライナ侵攻を予想して、なりの対応策を講じていた可能性があります。

■ジョージアとウクライナ侵攻■

永世中立国のスイスは、徴兵制があり、重武装した上での中立なんですよね。外国から敵が攻めてきた場合、焦土作戦を展開してでも敵の思い通りにはさせない、という強い意志があります。ロシアに関して言えば、例えばジョージア(グルジア)も、中立とNATO加盟を模索していましたが、2008年に南オセチア州を巡りロシアの間に紛争が勃発し、わずか1週間で休戦になりました。

ジョージア領の南オセチアとアブハジアの独立を、ロシアは承認。ジョージアではクーデター未遂が起こったり、大統領選で与党候補が惨敗したりで、NATO加盟も一時的に棚上げになりましたから。今回のウクライナの件は、ロシア側のこの成功体験も関係あるでしょう。ちょっと落とせば簡単に陥落する、あるいはロシア有利な形で休戦に持ち込める、と。ウクライナ政府の的確な予想も、このような前例があったからでしょうね。

今回はロシア側の士気が低いことや、作戦の展開方法の失敗など色々と指摘はされていますが。3年も前から準備していたならば、ゼレンスキー大統領の腹のくくり方も納得ですし、ウクライナ側の強硬な抵抗というだけでなく、戦術的にも有効な方法でロシア軍に対抗をしている可能性が高そうですね。侵略してきた側の兵站が伸びたところで分断し背後から突く、というのは防衛戦の基本ですが。ある程度訓練していれば効果も全然違うでしょう。

■孫子の兵法とウクライナ侵攻■

ここで思い出すのが孫子の兵法です。最古にして最高の兵法書と呼ばれる『孫子』ですが、ウクライナ侵攻でも当てはまることばかりです。有名な一節に、以下のようなものがあります。意訳するならば「戦争では敵国の経済とか人民を万全な状態で屈服させるのがベストであって、敵国を攻撃して破壊や消耗させた上で屈服させるのは、セカンドベストの策である」ぐらいの意味になります。すでにプーチン大統領の方法は破綻しています。

凡そ用兵の法は、国を全うするを上と為し、国を破るは之に次ぐ。
軍を全うするを上と為し、軍を破るは之に次ぐ。
旅を全うするを上と為し、旅を破るは之に次ぐ。
卒を全うするを上と為し、卒を破るは之に次ぐ。
伍を全うするを上と為し、伍を破るは之に次ぐ。
是の故に、百戦百勝は、善の善なる者に非るなり。
戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。

プーチン大統領としては、電撃戦で短期間にウクライナを占領し、市街地の破壊やウクライナ国民の損害は最小限に抑えて……という目論見だったのでしょうけれど。これ自体がすでに孫子に言わせれば次善の策。それさえも失敗し、長期戦になりそうな状況です。軍事録的には圧倒的に高いロシア側なのに、2週間以上経ってもまだ首都を陥落できてないのですから。ジョージアとの紛争とは、全く異なった様相を呈しています。

■上兵は謀を伐つ■

「戦争は外交の失敗」などと安易に言う人がいますが。外交も戦争も同じ、政治目的を達成する手段にすぎません。外交だけで戦争が避けられれば、それは理想ですが。現実にはそんなことはないのです。原発は安全だから対策は必要がないという考えも、安全対策が必要な原発は危険だから廃止しろという考えも、両方ともダメダメな考え方。この点についてもさらに、孫子の兵法は的確なことを言っています。

上兵は謀を伐つ。
其の次は校を伐つ。
其の次は兵を伐つ。
其の下は城を攻む。

ベストは水面下で敵国や他国に気づかれない内に、スパイや情報撹乱や内部分裂の謀略などの情報戦で敵を屈服させ、兵士や武器、食料などの消耗を避ける。次善の策は、外交戦で同盟を組んだりして敵を屈服させる。さらにその次善の策は、軍事力を投入した戦争。つまり第3段階なんですよね。一番ダメなのは、軍事力を投入した戦争でも、守りを固めて城にこもって防衛戦をしてくる相手を攻める、城攻めであると。

■戦後平和主義の終焉■

さすが最古にして最高の兵法書と呼ばれるだけはありますね。軍事というのを4段階に分けているわけです。最初の二つが実際の戦力を交えて戦わない、冷たい戦争(クールウォー)といえます。後者の二つが実際に戦火を交える熱い戦争(ホットウォー)と、対称形をなしているんですね。プーチン大統領が疑心暗鬼に陥り、自身の出身組織KGBの後継組織であるロシア連邦保安庁のトップを、自宅軟禁状態にしたのが事実ならば、謀を伐つをやられてしまっている状態。

ウクライナの公共放送を抑えても、今はインターネットによって各種の情報が世界中を飛び交う時代ですから。もちろんその中には、ロシア側のフェイクニュースもウクライナ側のフェイクニュースも、多数紛れているのでしょう。しかし、ロシア擁護派には反ワクチン派でデマを流している連中が多い……なんて情報分析も、鳥海不二夫東京大学教授によってなされてしまっています。ロシアのフェイク情報は、ウクライナがコロナの細菌研究などと、稚拙。731部隊の頃とのようで。

つまりロシアは、冷たい戦争の情報戦でも外交戦でも失敗し、実際の熱い戦争に踏み切ってはみたけれど電撃作戦にも失敗し、守りを固めたウクライナを攻撃すると言う、城攻め同然の下策を選択してしまっている……ということですね。孫子の兵法の理想である戦わずして勝つというのは、福島瑞穂的お花畑平和主義とは、まったく異なる、と。まさに、兵とは国の大事なり、死生の地、存亡の道、察せざるべからざるなり、ですね。

コロナ禍に対しても、なんら有効な提言もできなかった学術会議ですが。ウクライナ侵攻に関しても、同様でしょう。出せても、平和が大事との一般論、下手したら憲法9条阿呆陀羅経で終わりでしょう。どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ





売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ