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ソメイヨシノの源流

◉もう締切やら確定申告やらで3月はずっとバタバタしていて、周囲の草本に目をやる余裕もなかったのですが。もうすぐ桜の季節。鹿児島では今ぐらいにもう開花していましたから、東京都は1ヶ月ぐらい感覚が違いますが。東京は桜が多いですね。上野とか見事なものです。そんな桜、代表的なソメイヨシノの原木に近いモノが、特定されたようですね。ソメイヨシノは実が結実せず接ぎ木で増えるので、基本的にクローンなんですよね。なので、遺伝的には同一の種類。

【全国の「ソメイヨシノ」の最初の一本にもっとも近い桜を特定! 源流は上野恩賜公園にあった】ナゾロジー

そろそろ今年も桜の開花する季節です。
かずさDNA研究所(千葉)はこのほど、全国16の研究機関と協力し、ソメイヨシノ(染井吉野)のルーツを探る研究を実施。
国内19の都府県に植栽された46本のソメイヨシノを調べたところ、東京都台東区の上野恩賜(おんし)公園にある4本の古木が、全国のソメイヨシノのルーツである可能性が示されました。
さらに、その4本のうちから、ソメイヨシノの祖先のゲノムに最も近い1本が特定されたとのことです。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、桜の写真です。自前の写真も写真用のフォルダーには多くあるのですが、コチラがいい感じでしたので。

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■ソメイヨシノの起源■

ソメイヨシノは、その名の通り江戸時代の駒込染井村、現在の豊島区駒込のあたりの村で創られた園芸品種です。染井村自体は、植木職人が多く住み、品種改良も盛んだったようで。接ぎ木や挿し木などの技術はもちろん、品種改良も盛んで、現在のメンデルの法則に近いところまで発見していたとか。染井吉野の吉野は、有名な吉野桜にあやかっての命名。オオシマザクラを父系、エドヒガンを母系として、作出されたのが現在ではわかっています。

接ぎ木で増えるクローンですから、遺伝子は基本的に同じ。結果、まとめて何本か植えておくと、同じ時期に一斉に開花するんですよね。これが、花見という大衆文化には都合が良い部分もあるんですよね。花見のシーズンをある程度まとまった時期にやれてしまう。時期がずれて咲いていない桜や、逆に先に散った桜があると、興ざめな部分ってありますからね。そういう意味では、時代にあった品種なんでしょうね。

■多様な桜の文化■

ただ、個人的には染井吉野は、色的に白すぎるなと。桜色って本来、もうちょっとピンク色なんですよね。そういう意味では、三春滝桜のような紅枝垂桜のほうが、自分のイメージする桜色という感じですかね。うちの田舎だと、山の中腹に生える山桜とか、5月ぐらいに満開になったりと、桜の開花時期はけっこう気候によって変わりますからね。沖縄ではバレンタインデーの頃に咲き、北海道だとGWの頃に咲いたりで、日本は南北に長いです。

京都では、街路樹に黄桜と呼ばれる鬱金うこんとかがあって、目にも美しいですね。京都植物園には多種多様な桜があって、桜を愛でる文化が平安時代の昔から、京都や奈良などで育まれたのがわかります。珍しい種類では御衣黄ぎょいこうという緑色の桜もあります。これは、黄桜の一種にかぞれられるようで、実際に時期によっては中心部が黄色かったりします。桜の多様性は、園芸品種の多さからもわかります。それだけ、日本人は桜を愛してきたと。

■バラ科の花を愛でる■

この時期になると必ず、お隣から「ソメイヨシノの起源は済州島の王桜!」というトンデモ説が聞こえてきますが。日本の文化を全否定しないと、右からも左からも攻撃される国情では仕方がないですね。そこを否定した学者が、広義で訂正させられるわけで。『帝国の慰安婦』を書いた朴裕河教授への、弾圧と同じ。程度の差はありますが。日本の皇室の象徴である菊は中国からの外来種ですが、別に気にするような話でもないですしね。日本では菊の品種改良も盛んですが。

同じバラ科の樹木ですが、中国は桃を、日本は桜を、韓国は梨の木を愛でる文化を愛でればいいと思うんですけどね。韓国の缶ジュースに話しのジュースがあり、これが美味ですし。友人に聞くと、キムチにも梨を漬け込むことがあり、また梨花女子大学のような名門大学の名前にもあるように、韓国人話が好きなのですから。それこそ、品種改良してソメイヨシノ方式で接ぎ木で育てて、なしの花見の文化をはぐくめばいいと思うんですけどねぇ……。

■これからの課題■

さて、本題に戻して。今回の調査では、さらなる発見があったようですが。ソメイヨシノは数百年の樹齢を重ねるタイプではないという説もありました。昔は60年寿命説もあり、心配されたのですが。どうも、それなりの期間、保つようですね。100年以上の樹齢のものもあり、そこらの検証はこれから。ただ、樹勢が20-30年で衰えるのも事実で、もっと寿命の長いタイプや多様なタイプを、一定割合で混ぜて植えるのが大事でしょうね。

クローンゆえ、例えば病気にも同じように弱い部分があり、場合によっては一斉に枯れちゃうこともありうるわけで。やはり、京都植物園の多種多様な桜を見ると、八重や紅桜、黄桜、色んな種類が混在していたほうが良いですね。寒桜や開花の遅い山桜とかも含め。右へ倣えで、猫も杓子もソメイヨシノというのは、日本人の悪い部分を見ている気もします。園芸品種だけでも数百種類ありますし、いろんな桜を楽しみたいです。西行法師を始め、日本人が長く愛した花ですから。

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