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第26回参議院議員通常選挙雑感

◉さて、昨日は第26回参議院議員通常選挙でした。結果はもう皆さんご存知でしょうから。個人的に思ったことを。予想通りの自民党大勝でしたし、予想通りの野党大敗でしたが、大物議員の落選は衆議院選ほどなかったのと、インターネットとスマートフォンの普及によって、選挙のあり方が確実に変わったな、と。次の国政選挙では、この傾向がより顕著になるでしょう。

【自民単独で改選過半数の大勝】産経新聞

 第26回参院選は10日、投開票が行われた。自民、公明の与党は参院全体(248議席)の過半数の125議席に加え、改選議席(124)の過半数の63議席を大きく上回った。改選55議席の自民は63議席に達し、単独でも改選過半数を確保する大勝を収めた。与党に日本維新の会、国民民主党、憲法改正に前向きな無所属を加えた「改憲勢力」が、改憲の発議に必要な3分の2(166議席)の維持に必要な82議席以上を獲得した。
(中略)
 自民は焦点だった全国32の改選1人区で28勝4敗と圧勝した。公明は改選14議席を維持できない見通し。立憲民主党(同23議席)、国民民主(同7議席)、共産党(同6議席)も勢力を落とした。立民は20議席を割り込んだ。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、

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■赤松健議員爆誕す■

さてさて。まずは、赤松健先生の当選、おめでとうございます。しかも、終わってみたらトップ当選。これは、党内での発言力が違ってくるようで。多少分散したので、山田太郎議員54万票には及びませんでしたが、52万8029票は。たいしたもの。これを30万票ぐらいに押さえて、他の表現の自由を守ると表明した候補に分散できたら……という意見も見かけますが、それは結果論でしょう。期日前投票では、組織票のある議員が強いですから。前半に赤松苦戦が出たのも、事実です。

また、山田-赤松ラインは、藤末議員に対して、ちょっと含むところがあるようです。サイトのデザインをパクった云々で揉めましたが、あれは指桑罵槐(桑の木を指さして槐の木を罵る=直接要求を突きつけず、相手に忖度させて自発的に服従させる、心を折る兵法)に思えました。山田議員は、Twitterで自分のアカウントをフォローしたけどすぐに解除するを、過去に3⃣回ほど繰り返していますので、慎重な部分があります。これは政治家として必要な資質です。

■切れすぎるナイフは危険?■

「喜多野って、あいつはネトウヨだからフォローしないほうが良いですよ」とアドバイスするブレーンがいるのでしょう。藤末議員に関しても、表には出せない部分で、なにか信用していない・できない部分があるのかもしれません。そこは、政治の内部を知らない自分には、うかがい知れませんが。大同団結も大事ですが、獅子身中の虫を排除するのも大事。その判断の是非は、自分にはわかりませんので。ただ、そういう敏さは、凡人を警戒させる鋭敏さではあります。

平清盛や足利義教、織田信長、石田三成、荻原重秀、田沼意次、大久保利通、高橋是清───この国は、政策通で経済や国際政治に明るい切れ者タイプを、嫌います。赤松先生も、地頭が良く的確なのですが、いちファンとして危惧するのは、そこですかね。吉川英治『宮本武蔵』に登場する宝蔵院の老僧ではないですが、もうちょっと弱くなる、必要はあるのかなぁと、それは、スキを見せる・鷹揚さを見せるということなんですが。もっとも安倍晋三元総理にはそれがあり、同時にそれが悲劇につながった部分もあるので、難しいですが。

■やはり、政党支持率どおりの結果か?■

自民党は単独で63議席を獲得し、改選議席125の過半数を確保して大勝しました。ただ、比例区は得票率34.4%と、事前のNHKの政党別支持率調査の35.6%と大差なく。無党派層が当日になってそれ以外の政党に分散して、得票になった感じですかね。事前には野党第一党に躍り出るかもと予想された日本維新の会ですが、こちらもやはり立憲民主党の支持率5.8%に対して維新は5.4%で、わずかに届いていませんね。N国党と社民党の得票の肉薄も、下記画像に近いですね。

もちろん、日本維新の会は橋下徹元代表と、鈴木宗男議員という、ロシアシンパに見える言動を繰り返し、あれでかなりの票を失ったんじゃないでしょうかね。日本は、朝日新聞や毎日新聞などの左派マスコミがどんなに旧ソ連や中国、北朝鮮を褒めそやそうとも、共産主義政権が生まれなかったのは、満州や中国や半島で、何が起きたかを知ってる人が何十万単位でいましたからね。親族にシベリア抑留で亡くなった方も、結構な割合でいますから。自分が思った以上に、あれがダメージだったようです。

■野党とこれからの選挙■

さて、野党についても。嫌いな議員の落選を願うのは、建設的ではないと、知人にも指摘されましたし。そういう意味では、自民党の赤松先生や藤末議員、立憲民主党の栗下善行候補や要由紀子議員、維新の会の松浦大悟議員などなど、政党に関わらず表現の自由を尊重し守る議員を応援しましたが。それでも、福山哲郎議員や小西洋之議員、杉尾議員、辻元清美議員、斎藤蓮舫議員、福島瑞穂議員など、国政の場から去ってほしかった議員はいます。しかし、参院選は衆院選ほど大物の落選は少なく。

ただ、今回はマスコミがほとんど推さなかったN国党と参政党が、議席を獲得したのは驚きでした。これに、水道橋博士の議席獲得も。これらに共通するのが、新聞やテレビ・ラジオの旧メディアの凋落に対して、TwitterやFacebookのSNSと、YouTubeなどの動画投稿サイトを上手く使った候補や議員が、票を伸ばしたということ。インターネットの登場とスマートフォンの普及で、若者の情報源が旧メディアから新メディアに移りつつある証左に思えます。

■ネットを制する政党が選挙を制する■

現時点ではまだ、60歳ぐらいを境に、旧メディアへの依存度が大きいです。でもきつい言い方をすれば、全共闘世代は後10年もすれば、おおかたが退場するのは確実な世代。そして、新聞やテレビ・ラジオの旧メディアのフィルターがかかった情報が、力を発揮できなくなるでしょう。もちろん、ネットは玉石混交で、YouTubeの情報系のアカウントでも、自分の目から見てもデタラメを言ってる・混ぜ込んでるアカウントは多いです。

ただ、そういうところは同時に批判もされるわけです。この双方向性が、インターネットは相互批判を促します。福島瑞穂議員とか、批判が来そうなツイートはリプライできない仕様にしてツイートするなどしますが、そういうものでも引用ツイートでデタラメ部分や過去の言動とのダブルスタンダードを指摘されますしね。N国党の比例トップの陰謀論者が当選するなど、玉石混淆はしばらくあるし、完璧に排除もできないでしょうけれど、ネットが政治の趨勢を決するでしょう。

■国民民主党への期待■

今回、自分が期待した国民民主党は議席を減らし、ここは自分の推測が外れましたが。自民圧勝の中、1人区で1議席取れたのは大きいと思います。そして、今の政策本位の方針を検事できれば、時間はかかっても、支持は広がるでしょう。今年の東大新入生の支持率では、国民民主党がトップ。これは10年後にはこの支持率どおりの議席になれる可能性大。目先の議席に惑わされず、地道に堅実に、是々非々で政策議論をしてほしいですね。

そして、立憲民主党は、第二の社民党への道を、まっしぐらでしょう。辻元清美議員を当選させるために、他者の議席を奪ったのですから。これは、社民党がもう福島瑞穂議員を当選させるためだけの政党に成り下がった過程と、非常に似ています。大物議員は落選しませんでしたが、そのかわり代替わりを放棄した。これからは、ジリ貧の道しかないでしょう。立憲民主党がきつくなったら、辻元清美議員はまた別の政党にトラバーユでしょうけれど。この予想も、10年スパンで検証でしょうね。

万機公論に決すべし。どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

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