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アルツハイマー病と統合失調症の薬

◉ワクチン狂想曲を見るに、本当に製薬が出来る会社は世界的にも限られていて、先進国の中でも、トップクラスの基礎体力──資金力やマンパワーや過去からの蓄積──が必要なんだなと、つくづく思います。そんな中、ふたつの薬の話題が、偶然眼に入りました。アルツハイマー病と統合失調症の薬。どちらも人間の脳に作用する、とても重要な薬です。

【世界初 アルツハイマー病を「治す薬」が日本でも承認申請へ】ゲンダイヘルスケア

 昨年末、アルツハイマー病の進行へ直接介入することを目的に開発された「アデュカヌマブ」が、米国などに続き日本でも承認申請された。承認されれば、アルツハイマー病の世界初の根本治療薬(疾患修飾薬)となる。日本認知症学会理事長で、東大大学院医学系研究科脳神経医学専攻神経病理学分野教授の岩坪威医師に話を聞いた。
 アルツハイマー病で従来承認されている薬は症状を緩和させるが、病気の進行は止められない。しかも、効果がある期間は限定的だ。

ウチは認知症になりやすい家系なので、やはりこういう話は凄く心がざわつきますね。また、人間はなぜ狂うのか、というのは割と重要な部分。たぶんにそれは、科学的な問題ではあるのでしょうけれど。

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■認知症は天の配剤か?■

認知症はかつて、〝天の配剤〟とも表現されました。ボケることで死への恐怖がなくなると。でも、実際に祖父や伯父伯母が認知症になった姿を見ると、とてもそんな生やさしいモノではないですからね。認知症の家人が徘徊して勝手に家を出て、列車事故を起こした件で、ようやく最高裁で責任を家人に問えないという判決が出ましたが。当然です。有罪判決出した地裁の裁判官が非常識、物知らず。

けっきょく死への恐怖も、ある程度の年齢になり、大病すると多くの患者が葛藤から諦念のプロセスに至るわけですから。それよりは、人間としての尊厳が保てる生き方、ある程度自分の思考ができて、自分で決定し、自分の意志で生きたいですね。日本はどんどん少子高齢化が進みますから、認知症対策は今後ますます大きくなります。こういった製薬の部分は、大きな問題として、国も力を入れて欲しいです。

■統合失調症の新薬■

もうひとつ、統合失調症の新薬発見の話題。人間の心は不思議なモノですが、しかし感情でさえ薬でコントロールできるように、たぶんにそれは機械的な部分があります。ウェイトトレーニングなどやってると、●キロで何回挙上できるなら○キロなら何回挙上できる、みたいな部分で、とても機械的です(集中力によるリミッター解除=火事場に馬鹿力さえも)。ゆえに、統合失調症も薬でコントロールできる、と。

【統合失調症の新薬候補発見 東京大、理化学研究所などのチーム】毎日新聞

 日本人の1%が発症する統合失調症の症状を改善する可能性がある物質を、東京大や理化学研究所などのチームが発見し、13日付の米科学誌セル・リポーツに発表した。この物質を含む薬剤はすでに遺伝性疾患ホモシスチン尿症の治療に使用されている。統合失調症に対するこの薬剤の治療の有効性や安全性を調べる臨床研究を始めた。
 候補物質は、植物や海産物に多く含まれている化合物ベタイン。過去の研究から、患者のベタインの血中濃度は健康な人に比べ低いことが知られているが、統合失調症との関連はよく分かっていなかった。

知り合いで、統合失調症を患った人もいますし、酷い円形脱毛症になった人間も。というか、自分も会社を辞めて作家を目指していた頃は、軽度の円形脱毛症になってたようです。自分では気付いていませんでしたが。やはり自分としては〝人ななぜ狂うのか?〟というのは、大きなテーマです。認知症もある意味で、脳が壊れている、あるいは挙動不全になってるわけですから。人間の心の不思議。

■脳の未解明領域■

その秘密や不思議を探っていくことは畢竟、人間とは何かという問いかけと同じですから。未開と思われていた部族の、複雑な婚姻形態について、行数列のような数学で解明できたように、人間というのは暗黙知のレベルで、真理を知っている、不思議な部分があります。構造主義の原点であるフェルディナンド・ソシュールが晩年、アナグラムの研究に没頭したのも、理由は同じでしょう。

同じ迷路でも、ニワトリは脱出できず、哺乳類は脱出でき、人類なら効率よく脱出できるのも、程度の問題ではないかと思ったりします。フロイトやユングが無意識の領域に考えが及ぶ遙か前に、大乗仏教の瑜伽行派では阿頼耶識や未那識という概念に到達していますしね。そういう側面からも、統合失調症とその薬って、あんがい文学的なテーマに至るんですよね。興味深いです。

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