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夫婦別姓、世論調査の質問を変えたら賛成派が激減?

◉朝日新聞の有料記事ですが、まぁ有料部分は読まなくても充分でしょう。夫婦別姓導入賛成の朝日新聞としては、政府の世論調査の方法に異議を唱えているつもりでしょうけれど。これを読んで、「国葬反対派があんなに多かったのも、質問の仕方とかの誘導があったんじゃないの?」と思われてしまうだけでは? 少なくとも数字としては正しくても、実はグラデーションがあるものを、90%グレーも10%グレーも100%ブラックでないからホワイト、みたいなことをマスコミは、さんざんやってきましたからね。

【夫婦別姓、質問変えたら賛成派「激減」 政府世論調査を研究者が検証】朝日新聞

 世論調査で政府の手法にならい、回答者に選んでもらう意見の内容や並び方を変えると、選択的夫婦別姓制度への賛成派が減ることが、社会心理学者の実験でわかった。

 直近の政府調査では賛成派の割合が「過去最低」だったが、実際に世論が変化したとはいえないことを確かめたという。
(中略)
 前回2017年に「賛成派」は42・5%だったが、昨年末からあった直近の調査では28・9%になった。
(中略)
 専門家から「調査には連続性がなく、結果を比較できない」との指摘が出ていた。

https://www.asahi.com/articles/ASQB64QYMQ9XULEI002.html

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、誘導で検索したら出てきた画像ですが、なかなか味わいがありますね。

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■これは無能な働き者?■

無能な働き者、という言葉があります。都市伝説としての「ゼークトの組織論」に出てくる言葉ですが、人間を利口・愚鈍・勤勉・怠慢の4種類に分け、これを2種類組み合わせて軍人の適性を、ドイツの軍人ハンス・フォン・ゼークトが説いたとされるものです。賛否は置いておいて、なかなかに鋭い人間論・組織論でもあるので、ウィキペディア先生から以下に引用しておきます。愚鈍で勤勉が、無能な働き者と同義でしょう。

・利口で勤勉 - 参謀に適している。
・利口で怠慢 - 指揮官に適している。
・愚鈍で怠慢 - 命令を忠実に実行するのみの役職に適している。
・愚鈍で勤勉 - このような者を軍隊において重用してはならない。

これ自体は、ドイツ軍上級大将のクルト・フォン・ハンマーシュタイン=エクヴォルト(1878-1943年)の言葉を、ゼークトが引用したものとされます。同じく上級大将ですが、ゼークトのほうが知名度が高いから、でしょうか。小林源文先生が最初に紹介したため、という説も掲載されていますね。そこら辺の議論は、学者さんに任せるとして。こちらも、ウィキペディア先生から引用しておきます。

「私はね、部下を4つのタイプに分けるんだ。
 利口な将校、勤勉な将校、馬鹿な将校、怠け者の将校、にね。
 たいていの場合、ふたつのタイプが組み合わさっている。
 まず、利口で勤勉なやつ。
 これは参謀本部に必要だ。
 次は、馬鹿で怠け者。
 こいつがどんな軍隊にも9割いて、決まりきった仕事に向いている。
 利口で怠け者というのが、トップのリーダーとして仕事をする資格がある。
 難しい決定をするとき、クリアな精神と強い神経をもっているからね。
 用心しなきゃならんのが、馬鹿で勤勉なやつだ。
 責任のある仕事を任せてはならない。

 どう転んでも災いしか引き起こさないだろうから

■有能な敵・無能な味方■

馬鹿で勤勉ってエクヴォルト上級大将、ストレートですねぇ~。日本人は、勤勉であることを無条件に称賛しますが、実際に社会に出て仕事をすると、この愚鈍で勤勉=バカで勤勉=無能な働き者が、とても有害だと気づきます。勤勉という本来は称賛されるべき特性が、組み合わせによっては有害になり、怠け者という批判されがちな属性もまた、組み合わせによってはとても友好に機能する。適材適所という考え方もまた、この考えと親和性が高いですね。二宮清純氏は野村克也監督の用兵術を、適時適材適所と評されていましたね。

有能と無能という評価は、これまた切り口で変わります。戦前は東大より難しいと言われた、陸軍士官学校や海軍兵学校から陸軍大学校や海軍大学校に進んだスーパーエリトたちが、五・一五事件や二・二六事件を画策し、インパール作戦やら風船爆弾を実行したわけで。有能な敵は、有能であるがゆえに、交渉の余地がありますが。無能な働き者は、仲間を背中から撃つ部分がありますからね。朝日新聞の意図はどうあれ、また学術的な議論がどうあれ、この記事を読んで朝日新聞の思惑とは別な方向に、連想が行くのは止まらないでしょう。

■藪を突いて蛇を出す?■

───こんなことを書いていたら、Twitterで興味深いツイートが流れてきたので、以下に転載しておきますね。

スクリーンショットは著作権的な部分での議論がありますが、こちらも議論には必要なので、著作権の許す範囲とみなして転載。

前後の流れを書いておきますと、笹川良一勝共連合名誉会長が創立した日本財団から助成金を受け日本財団ジャーナルに登場するなど強いつながりがある一般社団法人Colaboや仁藤夢乃代表に対して、彼女の団体で支援を断られた女の子たちが、他の団体に救いを求めているという話がTwitterで流れてきて、それに対する反論として語ったようですが。

擁護になるどころか郡司さん、完全に仲間を背中から撃つ、フレンドリー・ファイヤーになっていませんか? 

■論破され王に論破され■

辺野古反基地派をからかった論破され王に対して、絶対無謬主義で擁護しようとした人たちが、かえって反基地派のウソ・暴言・暴力を拡散する一助になり、ABEMAでもさらに反論に窮して醜態を晒したようですが。全否定か全肯定かの党派性を丸出しにして擁護すれば、ダブルスタンダードになるのは必然、さらに揚げ足を取られますよね。一方通行の旧メディアとエコーチェンバー現象で反論を圧殺してきたため、双方向メディアでは初歩的な揚げ足取りにも対応できない。反基地派のオピニオンリーダーにしてさえ、この体たらく。

個人的には、西村博之氏の言説にはTwitterでも子のnoteでも、何度か批判を投げかけてきましたし、彼の議論は幅は広いが深くはないイッチョカミだと思っています。でも、曲がりなりにも辺野古基地移転問題では、長らく発言を続けてきた新聞記者とか有名YouTuberが、こんな簡単なことにも反論に給するとは。「暴力は良くないし、山城博治師のやり方は行き過ぎが合った、自分も賛同できない」といえば済む話なんですが、そうなるとお仲間から裏切り者呼ばわりされて、追放されるのでしょう。

自分は、高須院長ともやりあってブロックされましたし、表現の不自由展も開催自体は賛成と何度も書いてきました。それで、右派からも批判は受けましたし、shareNewsJapanのアカウントからもブロックされています。しかし、リコール署名偽造問題が発覚した今となっては、むしろ勲章だと思っています。右だろうが左だろうが、そこは是々非々で行くべきでしょうね。難しいですし、自分も完璧に出来てるとはいえませんが。反基地派は、論破され王だけを見るのではなく、自分たちが最も多い中道層からどう見られているのか、もうちょっと意識したほうがいいのでは?

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ