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恐竜から鳥への進化

◉現在の鳥類は恐竜の生き残り、というのはだいぶ知られてくるようになりましたが。でもこれが確定するには結構長い論争があったんですよね。ダーウィンの進化論が発表された後に発見された始祖鳥とか、恐竜から鳥への進化の途中のように見える、折衷的な形状をしていましたが。鎖骨の謎や指の謎、羽毛の謎などなど、なかなか解決できない問題が多くありましたし。

【恐竜はどうやって鳥に進化したか? この「巨大な謎」を解くカギは、4枚の翼をもつ「異形の恐竜」にありそうだ】現代ビジネス

じつはよくわかっていない「恐竜から鳥への道すじ」
鳥は恐竜の子孫なのか否か、という百年以上続いた論争にも、ほぼ決着がつき、鳥が恐竜の子孫であることが広く認められるようになった。しかし、だからと言って、恐竜がどうやって鳥になったのかについて、謎がすべて解決されたわけではない。

たしかに、恐竜が何らかの進化の道筋を通って鳥になったことについては、すでに数百個の証拠で固められており、確実といってよい。しかし、どういう道筋を通って鳥になったのかについては、それほど明らかではないのである。

https://gendai.media/articles/-/105246

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、福井県立恐竜博物館に展示されているシノサウロプテリクス=中華竜鳥の化石だそうです。

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■恐竜から鳥類へ進化の謎■

恐竜、それは永遠のロマン。その進化は壮大な推理小説。恐竜から鳥へ進化と言っても、これは四足歩行の哺乳類のパキケトゥスがクジラに進化したようなもので、魚類が両生類になったような進化とは違いますけどね。鳥は恐竜の一部ですから。鳥は、トリケラトプスやステゴサウルスとは全然似てないじゃないかという人もいるでしょうけれど。牛とライオンとイルカとコウモリも、同じ哺乳類ですが見た目は全然違うのと一緒で。

現在の鳥類というのは、哺乳類がほぼ全滅してコウモリだけが生き残って、それが爆発的に進化して発展してるような状況に近い……と考えれば、理解しやすいでしょうか? 多くの恐竜は、鎖骨が退化してしまってないのですが。鳥に進化した恐竜は、この鎖骨がある一群でした。恐竜の中でも、古い特徴を残しているタイプだったようです。それが、空を飛ぶ能力を得て、白亜紀末の大絶滅を乗り越えて、世界中で発展しているわけですからすごいですね。

■解明された指の謎■

指の謎も、3本指の恐竜の前肢は、人間ならば親指・人差し指・中指に当たる指なのですが、鳥類の前肢は同じ3本指でも人差し指・中指・薬指で、これは進化の上であり得ないことだとされていたのですが。東北大学大学院生命科学研究科の田村宏治教授らの研究グループが、鶏の卵の発生過程を詳しく検証した結果、実は鳥類も恐竜と同じ親指・人差し指・中指の3本だと解明したのです。これは画期的な研究で、ネイチャーと並ぶ科学雑誌のサイエンスに論文が掲載されました。

これでも、鳥類が恐竜の仲間であることを阻む理由は、ほぼ消滅してしまいました。過去の恐竜のイメージはどうしても、ワニとか爬虫類のイメージがかなり投影されていましたが。温血動物で動きが活発な鳥類の仲間だったとなると、イメージもずいぶん変わってきますね。もっとも、同じ哺乳類でもカンガルーのような有袋類もいれば、カモノハシのような単孔類もいたりします。恐竜でも大型の竜脚類などは、恒温動物であったとしてもだいぶ異なる体の仕組みを持っていた可能性はありそうですね。

■恐竜の多くに羽毛が?■

ヘッダーに使用した中華竜鳥のように、羽毛恐竜の化石の発見と研究では、中国が質量ともに豊富で。羽毛に関してもかなり研究が進んでいます。獣脚類の中の一部にしかないと思われていた羽毛ですが。ティラノサウルスの先祖にあたるでも発見され、どうもけっこう多くの種類で羽毛を持っていた可能性があるんですよね。最も現在の鳥類でも、脚にはウロコが残っていますから。鱗と羽毛が併存しているタイプも多かった可能性は高いですね。

そこで、地上に棲んでいながら、翼を進化させる仮説が、いくつか提案された。たとえば、保温である。現生の鳥類の羽毛には、飛翔と保温と性的シグナルという3つの役割がある。多くの恐竜にも羽毛が生えていたので、それが保温の役目を持っていたことは疑いない。そして、翼は羽毛でできているので、保温と何らかの関係がある可能性はある。

https://gendai.media/articles/-/105246?page=3

例えば、オサガメやジンベイザメは変温動物ですが、体調が2メートルもある巨体なので、実は体温はかなり一定しているという研究があります。同じ60°のお湯でも、コップに入れた場合と浴槽では冷めるスピードが全然違いますよね? 量が多くなればそのぶん表面積は減るので、温度は冷めにくくなるんですよね。これを慣性恒温性と呼ぶそうですが。

■恒温動物・変温動物■

恒温動物の鳥類でも、カッコウなど托卵する鳥は、体温が低くて自分で卵を温めて、羽化させることができないんだそうで。自分が子供の頃は、温血動物・冷血動物という言い方が主流だったのですが。誤解を招きやすいということで現在は恒温動物・変温動物という呼び方が定着していますが。変温動物でも意外と体温が変化せず、逆に恒温動物でも環境によって体温がかなり変化するわけですから。正確な言葉は大事ですね。

鳥類も当初は、小型の獣脚類が保温のために、羽毛を発達させたのでしょうけれど。それが繁殖用のディスプレイの役割を持ったりして、さらに飛翔能力に繋がった可能性は高いでしょうね。始祖鳥のどもグライダー的な飛行がメインだったようですし。空を飛ぶために体を軽くしようと骨は中空になり、歯がくちばしになり、現在の姿に変化していったわけですから。生物の進化を考えるのって、本当に楽しいです。

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