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日本人と牛肉食

◉日本人は肉食を禁じる仏教の影響で、菜食中心になったという説がありますが。その影響は否定しませんが、実際は平地が少なく山がちなので、牛肉や馬肉を食うには充分な草原がないから、というのが現実のようで。動物性タンパクは、四方を海に囲まれているので魚を、あるいは人間と食うものが重ならない鶏が補助的に。で、実際はおもったよりも哺乳類の肉は食っていたんですよね。平安時代は猿も食べていましたし、江戸時代も初期までは狗肉食はポピュラーでしたし。彦根藩とか、牛肉の味噌漬けが名物だったぐらいですから。

【「日本人が牛肉を食べ始めたのは明治時代」は間違い、江戸中期には食べていた】JBpress

 12月14日は赤穂浪士四十七士が吉良上野介の屋敷に討ち入った日だ。

 といったところで、いわゆるZ世代のほとんどは『忠臣蔵』という言葉すら知らないようだ。今年の正月にたまたま観ていたテレビ番組で、渋谷を歩く10代の若者にアンケートを取ったところ、『忠臣蔵』を知っていたのはわずか1%だったと知って驚かされた。因みに、次に認知度の薄かったものが「カール・ルイス」の5%、次いで7%の「PHS」だった。もっとも、調査がどれほど信用に値するものかも定かではないが、それでも個人の感覚として、それはそれで理解できる。

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/73124

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、牛肉盛り合わせの写真です。美味しそうですね。

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■牛肉食は日本には不向き?■

加えて日本の場合、米という主食が、実はアミノ酸スコアが高いんですよね。アミノ酸というのは、タンパク質の元となる有機化合物。米の次にアミノ酸スコアが良いのは里芋。日本は、縄文時代には里芋が伝播して、青森から沖縄まで幅広く栽培されていましたから。そして、大豆。こちらも縄文時代には伝播したようですが、植物なのに牛肉並みのタンパク質含有量ですから。日本の場合は、大豆などマメ科の植物と共生する根粒菌という存在が大きいです。この根粒菌が、作物の育成に必須の窒素を空中から固定して、植物に供給するので、痩せた土地でもけっこう生育するんだそうです。

で、日本は味噌に醤油に豆腐に納豆に黄粉にと、大豆大好き国民ですしね。タンパク質は不足気味なんですが、けっきょく米と大豆食品で、けっこうなんとかなってる部分があります。でも、不足は不足ですからね。けっきょく、動物性のタンパク質は何かで補充しないといけませんから。鶏とか、人間が食べない飼料でも育つので、あんがい便利。卵も採れるし。逆に豚は、人間と食べるものが重なるんですよね。その点では、人間には消化できない植物のセルロースを、四つの胃で微生物を使って消化できるウシのほうが、日本では飼育する意味があったんですよね。農耕にも使えますし。

あとは、山がちなので猪や鹿やウサギなど、野生動物の肉をたまに食べると。そういえば、火縄銃研究科の方に、なぜ日本の火縄銃は銃床が発達しなかったか、という話をした時。日本史的には戦国時代の合戦での使用が語られがちだが、日本では鳥撃ち用として発達したから、という仮説を聞いた記憶が。確かに、大型の獣を打つには火薬量が大きく、反動も大きいので銃床が有効ですが。飛ぶ鳥を打つには、スピーディに動かすには銃床は邪魔ですね。まぁ、獣肉には抵抗があっても、鶏肉は抵抗が少なかったのは、ウサギをわざわざ一羽二羽と鳥として数えていたことからも明らか。

■牛肉食は地球を滅ぼす■

牛肉自体は、栄養価がとても高いです。特に霜降りの和牛とか。でも、牛肉1kgの生産に必要な穀物の量は、トウモロコシ換算で11kgも必要なんですね。同じく豚肉では6kg、鶏肉では4kgとなるんだそうです。それなら、トウモロコシを食ったら良いって話ですからね。事実、インドの人口と中国の人口はほぼ同じですが、国土面積はインドは3分の1ぐらいしかないです。これは、インドは南部を中心に菜食文化が浸透しているため、穀物で人口を維持できる面があるそうで。

逆に、中国人がアメリカ人並みに牛肉を食うようになったら、世界の森林が滅びるという説もあります。そういう意味では、牛肉職というのは環境の負担が大きいのですが。人間はこの美味しい食べ物を手放すのは、難しいでしょうね。ずいぶん昔に読んだ『脱牛肉文明への挑戦』は、なかなか刺激的な内容でした。地球の人口は、このまま130億ぐらいまで増え続けますが、どこかで牛肉職は一部の先進国の贅沢になり、値段が高騰して庶民には食えなくなるでしょう。クロマグロとか、同じ感じになるのかもしれませんね。まぁ、そうなったら昆虫食が流行りそうですが。

■牛肉食の未来とは■

前述した通り牛肉の栄養価は、確かに高く。歳を取ったら、魚より牛肉のほうが栄養摂取には向いていると、服部栄養専門学校の服部先生とか、ラジオで指摘されていましたね。そもそも牛肉は、美味しいですから。もっともインド人とか、ヒンディー今日の関係もありますが、牛肉は臭いといいますね。これは、美味しんぼでも指摘されていますが。処理の仕方もあるのですけど、確かに匂いがきつく思うことはありますね。でも、これも慣れで。マトンとか、確かにきついですが、慣れちゃうとその匂いが食欲をそそりますしね。くさやの干物と同じでしょう。日本人も、本格的に牛肉を食い出したのは戦後ですし。

さて、核融合発電が商業化され、労働がますます機械化・自動化されると、穀物の生産とかほんと1%の農業生産者で済むことになったりして。有り余る電力で、海水の淡水化とか大規模にできて、砂漠地帯に人工湖を作って農地も拡大して。また、人工肉の研究とか、そっちも進みそうですね。そうなった時、あんがい自分らは大豆のタンパク質から作った人工牛肉で、満足しているのかもしれません。3Dプリンターで牛肉を作る未来。天然牛肉は、富裕層の贅沢になる未来。でもまぁ、そこまで牛肉食に執着するのは、現在の鯨肉食と同じ扱いになっていそうですが。

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