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東京新聞の漬物擁護論

◉東京新聞が「農家手作りの漬物がピンチだ~!」と、情緒的な記事を書いていますが。これって、2018年の食品衛生法の改正で、決まったことですよね? 6年も前に決まり、猶予期間もこれだけ置いてあって、でも直前直後になって騒ぐマスコミ。インボイス制度でも、見た風景です。本当に問題だと思うなら、直後から問題提起し、定期的に取り上げ、識者の意見などを紹介し、議論を喚起すればいいのに。内容もダラダラと長く、その割に建設的な意見は少ない、駄記事の部類です。

【「農家の漬物」もう食べられない? 生産者の心を折る「許可制」6月から 地域の食文化を守る道はないのか】東京新聞

 道の駅や直売所で人気の農家手作りの漬物がピンチを迎えている。食品衛生法の改正で保健所の「営業許可制」となり、6月以降はすべての生産者が厳しい衛生基準を満たさないと製造販売できなくなる。食中毒とは縁遠い「保存食」だったはずの漬物だが、どうして食の安全と結び付けられるようになったのか。そして後世に残すためには。6月を目前に考えた。(山田雄之)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/329403

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、「白菜と塩こぶ(クラコン)を和えた。若干の砂糖とレモン汁を加えた。」ものだです。美味しそうですね。

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詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。試しに、東京新聞の公式サイトの検索機能を利用して、〝食品衛生法〟で検索したら、結構な数がヒットするのに、漬物の件はほとんど出てきませんね。見落としている可能性もありますので、ゼロとは言いませんが。ずっと問題点を訴え、専門家に解決策を聞き、提案していたならともかく。すごこうやって、情緒的な内容に落とし込んで、政府批判につなげようとする。三島由紀夫が嫌った、「おかわいさうに」の精神と、寄り添い左翼仕草のコンボで、昭和の時代のテンプレートですね。

厚労省の「昔と違い、さまざまな漬物が出てきた。消費者の健康志向で、塩漬けでも減塩の商品も出てきた。浅漬けと他の区別を試みたが、明確な線引きが難しかった」という意見は、これはもう正論でしかなく。事実、東京新聞からは、こうすれば良かったという基準は示されず。大学教授の「自治体は補助金や共同加工所の設置、申請の手助けなどで生産者に寄り添ってほしい」という情緒論を出す。補助金出してでも守るべき文化なのか、先ずそこの是非はなく。

食品コンサルタント会社の話が、多少は建設的な部分はありますが。でもそれは、全体の記事量の中ではごく一部。生産者側の声を、記事中では数多く取り上げますが、困った困ったで、同情を買うのには良いのでしょうけれど、建設的な議論には益しませんね。日本の野党やマスコミの根本的な問題は、対案や代案がなく、ためにする批判がほとんどだという点。それに情緒的な感情論を絡めてくるので、議論にならないわけで。荻上チキイズムです。

商品というのは、需要と供給のバランスで成り立つものですから。需要がなければ、供給は途絶えて当たり前です。その漬物が本当に文化として大事なものであれば、鯨肉や一部の特殊な野菜のように、維持保存されるものです。現実には絶えたり廃れたりして地方の食文化 なんて、いくらでもありますから。商業ベースに乗らなくなっても、優れたものならば細々とでも、民間で個人的に伝承されると思いますので。

新聞なんかいらない、肝心なことが載ってない。
蓋し名言。


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