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KADOKAWA社長が表現規制推進

◉KADOKAWAとドワンゴの社長である夏野剛氏が、AppleやGoogleの表現規制に合わせるべきという、持論を述べて話題になっています。愚かな発言です。案の定、漫画家はもちろんゲームなど他の分野のクリエイターからも、ボロクソに批判されてます。欧米コンプレックスゆえでしょうか、あるいはグローバル・スタンダードなる言葉に酔う経営者は多いですが。日本の強みや表現とは何か、深く考察したことがないんでしょうか?

【ニコ動などの表現規制は現状維持、niconico代表が声明 夏野剛社長はネット番組で規制推進を示唆】ITmedhiaニュース

 ニコニコはプラットフォームとしての表現規制方針を現状から変更する予定はない――niconicoの栗田穣崇代表(ドワンゴCOO)が7月26日に自身のTwitterアカウントで声明を発表した。KADOKAWAとドワンゴの社長を務める夏野剛氏がネット番組で、書籍などの表現について海外に合わせて規制を推し進める旨の発言をしたため、niconicoとしての立場を明らかにしたとみられる。
 夏野社長は7月21日、ABEMA TVの報道番組「ABEMA Prime」で少年向け雑誌の水着グラビアの是非について「日本には水着グラビアよりも過激な漫画が溢れており、GoogleとかAppleの審査に通らない」と主張。「僕がいる出版業界は“自由派”ばかりだが、どこまでは公共でよくて、どこからダメなのか、このネット時代にふさわしい基準を作り直さないといけない」とコメントし、業界での表現規制の見直しを示唆した。

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■KADOKAWAの特殊性■

出版業界は、大手の講談社や小学館などでも、同族経営が多いです。もちろん、それによる弊害はイロイロとあるのですが。でも、出版事業は自分一代の商売ではなく、子や孫やその先の世代まで、長い長いスパンで考える文化事業の側面も、確実にあります。ところが、KADOKAWA(自分らの世代だと角川書店のほうがしっくり来るのですが)は大手の出版社で数少ない……というはほぼ唯一、孫正義氏とかのお金持ちが買うことができる企業なんですよね。

欧米と同じ基準なら、欧米のものと日本の表現と、差がなくなるだけなのに。社長だなんだと言っても、夏野氏の経歴を見ると、ハイパーネットやNTTドコモやドワンゴを経由していて、出版事業に対する愛情とか深い理解があるとは、あまり思えないですね。今は赤字でも数十年後に黒字添加するようにという、長いスパンでの布石が打てない。愛情があればいいってもんじゃないんですが、いかにもサラリーマン社長が陥る、薄っぺらい考えだなと思います。

■出版事業と文化事業の狭間で■

たとえば講談社とか、若社長が音頭を取って電子書籍市場にいちはやく力を入れたのですが。当時の講談社の幹部の多くが電子書籍に否定的だったとか。もともと、本好きで出版社に入り、そこで編集長を経由して役員になったような人間ですら、電子書籍の可能性とか未来を見通す力はなかったわけで。自分が退職した後の事業なんか知らねーよ、危険なことに手を出して事業を傾けたらどうするという、保守的な側面も強かったでしょう。

出版社畑の人間ですらそうですから、畑違いの分野出身の雇われ社長やサラリーマン社長は、目先の利益しか考えない。経団連の社長が、だいたい雇われ社長のサラリーマン社長で、恐ろしく似たような学歴───東大や一橋卒が多い───のように。そういう社長たちが、大学は即戦力を育ててほしいとか文系学部無用論などを、口走るわけです。世界最高峰の理系大学のひとつマサチューセッツ工科大(MIT)の教授陣は、こういう人間と真逆のことを言います。

■一世を風靡して閑古鳥?■

そもそもKADOKAWAは、前社長のカワンゴこと川上量生氏からして、表現規制に迎合的と言うか……。言葉はイロイロと誤魔化していますが、グローバルスタンダードに合わせるのが、事業拡大への道という、三流コンサルタントが言いそうなことを小難しく言ってるだけですね。自分で独自プラットフォームを作るわけでもなく、音頭取りする訳でもなく。欧米の禁欲的なキリスト教の文化に迎合したら、日本の独自性なんか大きく減じますから。

【川上量生「中国のネット管理政策は正しい」】東洋経済オンライン

――中国の「グレートウォール(グーグル、フェイスブックなどの利用規制)政策」についても時々発言されますね。
 中国の政策はある意味正しい。国家として当たり前のことをやっていると思う。近年、国家と「GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)」のようなグローバルプラットフォームが対立する構造はより明確になってきていて、そんな中で国家ができうることは「遮断」しかない。プラットフォーム側も、国家と衝突し、規制されることをいちばんのリスクと感じている。

どうも、川上量生氏や夏野剛氏を見ていると、地頭自分なんかより遥かに良いのでしょうけれど、ある人達と非常によく似たものを感じます。
 ・2ちゃんねるの西村博之氏
 ・livedoorのホリエモン
 ・mixiの笠原健治氏
 ・ニコニコ動画の川上量生氏

この人達、一代で財を成したんですが、みんな目先のお利益にこだわって経営判断を誤って、一斉を風靡したのに今は閑古鳥(ではないにしても往時の勢いはない)という感じです。

なるほど、彼らは並の人間よりはるかに多くの金を稼ぎましたが。スティーブ・ジョブズのような人間はともかく、本田宗一郎や稲盛和夫や、あるいはいま大河ドラマで盛り上がっている渋沢栄一とか、そういう人間にはなれないタイプに思えます。ちなみに、GAFAといってもFacebookとマーク・ザッカーバーグ氏には、上記の人達と同じものを感じていますけどね。市井の貧乏物書きが批判しても、何も変わりませんけどね。自分は自分のやれることを、細々とやります。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

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