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朝日新聞がまた反科学記事

◉一見すると、自然と触れあう町医者の紹介に見えますが。この本間真二郎医師のトンデモぶりがすぐにSNSで共有され、この記事を書いた朝日新聞の中野渉記者がどういう人か、あっという間に共有される、インターネットの時代です。「ブログなどで発信してる」って、そのブログの内容のトンデモぶりを解った上で書いてる、確信犯(誤用)だと解る記事です。朝日新聞は科学知識から全力で離脱中。

【大学病院から那須の町医者に 本間真二郎医師】朝日新聞

 「これ大根、これが白菜、大豆、水菜……」。
 栃木県那須烏山市の国民健康保険「七合(ななごう)診療所」。すぐ隣に広がる100坪ほどの畑で、所長の本間真二郎医師(51)が白衣のまま、自慢の作物について説明した。
(中略)
 「大学病院のときより忙しい。特にコロナのせいでより忙しくなった」。夜9時に6歳と3歳の子どもと一緒に寝て、早朝に起きた後の数時間だけが自分の時間だ。ウイルスの専門家として新型コロナに関するデータを集めて解析し、ブログなどで発信している。
 昨年6月には「感染を恐れない暮らし方」と題した本を出版。「薬やワクチンなど何かを求めるのではなく、生活の中で自分自身の免疫力を高めれば、何も怖くない」と主張する。

毎日新聞が津田大介芸術監督に代弁させたように、朝日新聞の中野渉記者が主張したいのは「薬やワクチンなど何かを求めるのではなく、生活の中で自分自身の免疫力を高めれば、何も怖くない」って部分。ここに信憑性を持たせるため、本間医師の生活やら経歴やら、詳細に書く。毎日新聞のカンカラコモデケア作文と同じ手法です。というか、あまりに典型的な手法で、呆れました。

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■ネットの集合知で暴かれる背後■

先ずは医療関係者からの、本間真二郎医師と朝日新聞への批判をば、リンクしておきます。木下医師は自分もフォローしていますが、日頃から医療の啓蒙的なツイートをされており、また疑似科学的な事例には厳しいツッコミを入れている人。なので、今回の朝日新聞の底意を見抜いてか、さっそく批判のツイート。新型コロナウイルスのワクチンに関しては、医療関係者が積極的にマスコミ批判をされていて、心強いです。

そして、本間真二郎医師がどういう人物か、さっそく情報が。新型コロナウイルスのワクチンについては、蕎麦アレルギーの発症率よりも低いアナフィラキシーショックの事例を喧伝する人、高齢者が寿命で死んだ例をさもワクチンの副作用で死んだかのように喧伝する人、様々です。ご本人はそれを信じているのでしょうけど、商売でやってる人間より、信念がある分厄介になる傾向(一般論)が……。

さらに、周辺情報も。日野市会議員の池田としえ(利恵)議員企画の反ワクチン集会にも参加とのこと。この人物、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会事務局長で、「子供に打っても死亡率に変化はありません」などと、子宮頸癌ワクチンに効果はないとツイートしている御仁。コロナウィルスでも反ワクチン。日本は言論の自由がある国でますから、何を主張しようとも自由です。が、少なくとも自分は信じるに値しない医師だと、警戒しますね。

そして、中野渉朝日新聞記者についても。朝日新聞別働隊ハフィントンポスト出向ですか。早稲田大学政治経済学部卒業の経歴を書かれていますが、要するに私立文系で高校の時の一般教養以上の科学的なバックグラウンドはなし、と。津田大介芸術監督や永田浩三元NHKプロデューサーが、なんの芸術の教育や研究や実践の経験も無いのに、あいちトリエンナーレの表現の不自由展でしゃしゃり出るのと、同じですね。

■中野渉記者のカンカラコモデケア作文■

カンカラコモデケア作文、これは以前に別エントリーにも書きましたが。毎日新聞の故山崎宗次記者の文書作法の極意だそうですが。感動・カラー・今日性・物語性・データ・決意・明るさを盛り込めという、新聞記事にはおよそ相応しくない手法。主観丸出しのエッセイやプロパガンダ文章ならともかく。そしてこの記事、典型的です。先ずは本間医師の、大学病院勤務から地域医療への取り組みで感動させますから。

冒頭で大根・白菜・大豆・水菜と野菜を語らせいろのイメージを喚起させ、ご丁寧に写真でも野菜の緑を示す。本日から始まった医療関係者へのワクチン接種に合わせてタイムリーな今日性。アメリカ留学直前の9.11テロからの、大学病院勤務から地域医療への転身と自然治癒力を高める生活を実践というドラマティックな物語性。文系記者らしくデータは挙げられないので、米国立衛生研究所(NIH)やら札幌医大付属病院の新生児集中治療室(NICU)室長と、肩書きで権威付け。

患者の主観を語らせ、信頼される良い人を印象付けるついでに、そういう地位と名誉を捨てても地域医療に身を投じたという、決意も読者に示し。最後は「大学病院の医師でないとできない仕事もあるし発言の重みも違う。しかし、自分のやりたいことをやってきた。後悔はまったくない」と、明るく前向きな言葉で締める。教科書に載せたいぐらいのカンカラコモデケア作文の出来上がりですね。
巧言令色すくなきかな仁。

■日経新聞は提灯持ち■

かと思えば日経新聞は、大幸薬品が空間除菌薬クレベリン12万個を医療機関に無償提供という、記事を載せる。未認可の消毒薬なんですが、ラッパのマークの正露丸でお馴染み、大幸薬品も何をやってるんだか……。こんなもん、寄付された方も困るし、コレを嬉々として使う医療関係者はもっと問題でしょう。というか、廃棄に困って押し付けたんじゃないでしょうし。宣伝かなぁ、やっぱり。

コチラに関する批判ツイートも。もう、医療関係者で批判していない人は、見識を疑うレベル。

日本のマスコミの科学知識のなさ、それをチェックする体制のなさが、昨年の新型コロナウイルスによって、顕わになりましたね。反子宮頸癌ワクチンに対する迎合、東日本大震災での反原発キャンペーンで、もう一部の人にはバレちゃっているんですが。10年が経過して、若い世代にはそれがもうハッキリと解っていまい、見放されつつあります。リテラシーの低い高齢読者相手に書いてるのでしょうけれど、それさえ見捨てられるでしょう。
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ


売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ