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アフガニスタンとフェミニズム

◉案の定と言うか、世界中のマスコミがかなりの比重で書いているアフガニスタンからの米軍撤退と、タリバーンによる政権奪取を、日本のマスコミはまともに論じられていません。タリバーンは女性の教育の権利を否定し、近代人権思想とは相容れない女性観を持っていることは、明らかなのですが。自分が見た範囲の話でしかないですが、日本のフェミニストたちは声を上げていませんね。「小田急フェミサイド!」と連呼してる人は何人も見かけましたが。

【「タリバンに鼻を削がれたアフガン女性」の衝撃】日経ビジネス

 2010年8月7日号の米『タイム』誌が表紙に掲載した衝撃的な写真が世界的な話題を呼んだ。タリバンに鼻を削がれた18歳のアフガン女性のあまりに悲惨で痛々しい顔がアップで掲載されたからである。
 「アフガン女性とタリバンの復権」と題された記事の内容は、この若いアフガン女性の身に起きた悲劇を、背筋が寒くなるほど詳細に描いている。
 この女性アイシャは12歳のときに、アフガニスタン南部のウルズガン県にあるタリバン戦闘員の家庭に売られ、そのタリバン兵と結婚させられた。アイシャの伯父にあたる人物が、そのタリバン戦闘員の親族を争いの末に殺してしまった代償として、部族の習慣に従って妹共々このタリバン家庭に売られたのだという。

もともとタリバーンは、アフガニスタンの難民キャンプで生まれた集団という部分があります。部族社会の地縁血縁から引き剥がされた若者が、宗教という紐帯を元に極端な思想に走るというのは、実は中国で王朝が倒れる時のパターンでもあるんですけどね。だから中国共産党は、法輪功を大弾圧してるのですが。

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■宗教を紐帯とする反政府活動■

中国では、干魃や洪水、あるいは飛蝗の大発生で農村部が荒廃すると、土地を捨ててっ都市部に流れ込む人間が増えます。農村よりもまだ都市部のほうがぎりぎり食えるんですね。そうすると、そうやって都市部の新住民となった下層の人々が、宗教を紐帯として秘密結社を作ります。秘密結社といってもショッカーやデストロンのようなものではなく。イタリアのマフィアのルーツである、コーザ・ノストラみたいな互助組織みたいなものが近いですが。

しかし、都市住人は地縁血縁から切り離されるので、宗教系の団体がその中来になるわけです。後漢王朝を傾けた黄巾賊、元朝末期に起きた白蓮教を紐帯とする紅巾の乱、清代の白蓮教徒の乱、キリスト教の信仰を紐帯とした太平天国の乱などなど。そういう意味でタリバーンというのは、原田実先生が指摘されるような側面があります。レベルは違いますが菅直人総理大臣や盧武鉉・文在寅政権の過激版とも言えそうですが。日本の学生運動も、マルクス主義という宗教が紐帯ですから。

■また大統領の失政と失脚■

アメリカの失政は、いつものパターンですね。例えば以下の人物の共通点、わかりますか? そう、全員がアメリカ合衆国の支援で親米政権を築き、長期政権の独裁者となり、多くがアメリカに見放されて悲惨な末路をたどった人達です。アメリカの悪い癖として、親米政権を築こうとしてロクでもない人間をトップに据えてしまう。敵の敵は味方で選ぶと、人間的にトップの器にない小さな人間を選んでしまうんですよね。彼らの肩書は全員、大統領なのが象徴的。

李承晩大統領(韓国)→選挙不正で国外逃亡で客死
ゴ・ディン・ジエム大統領(南ベトナム)→暗殺
フェルディナンド・マルコス大統領(フィリピン)→国外逃亡で客死
サッダーム・フセイン大統領(イラク)→処刑
アンワル・アッ=サーダート大統領(エジプト)→暗殺
ホスニー・ムバラク大統領(エジプト)→革命で失脚
ハーフィズ・アル=アサド大統領(シリア)→病死
アシュラフ・ガニー大統領(アフガニスタン)→国外逃亡

もうひとつ、彼らは外国留学経験がある国際派で、あるいは貧しい立場から才覚ひとつで権力の地位を登った叩き上げが多いですね。ある意味でアメリカンドリームの体現者でもあると言うか、いかにもアメリカが好みそうな政治家です。李承晩はともかく。アメリカの政治家も、そうやって叩き上げが多いので、逆に与謝野馨氏のような、父親も外交官で祖父母は文学者の与謝野鉄幹と与謝野晶子で、英国流のスマートな外交作法を身に着けてる人間には、かなりのコンプレックスを感じるようで。

李承晩→ハーバード大学で修士号、プリンストン大学で博士号
フェルディナンド・マルコス→父親は弁護士、フィリピン大学法学
サッダーム・フセイン→エジプトに亡命しカイロ大学法学部
アンワル・アッ=サーダート大統領→カイロの王立陸軍士官学校1期生
ホスニー・ムバラク→空軍士官学校を優等で卒業しソ連で訓練を受ける
ハーフィズ・アル=アサド→飛行士官学校に入校しソ連で訓練を受ける
アシュラフ・ガニー→コロンビア大学で人類学博士号を取得

ある意味で、欧米出羽守みたいな人間に政権を取らせたら、こうなるということでしょうね。「よくわからんがコイツの英語が一番聞き取りやすい」とかで、口八丁の人間を抜擢してそう。

■そして日本のフェミニストは■

日本のフェミニストは、警察に届けでもせずに、緊急事態宣言下にわざわざデモをして、密になっています。フェミサイドとか、誰も死んでいない事件を殺傷事件と言い募り大騒ぎして、本物のフェミサイドと言うか、女性虐待・虐殺の可能性があることにはダンマリ。全部のフェミニストを見ているわけではないので、安易な一般化は避けますが、それでも主だった人達は同情や通り一遍の懸念は表明しても、広河隆一氏の問題のときのようにアリバイ作りに見えます。主観ですが。

福島瑞穂センセーは、こっちのほうが大事なんでしょうね。声明出すだけならただなのに、この人は弁護士時代から一貫して中国共産党政府によるチベットの人権弾圧については触れない、触れても通り一遍という点では、徹底しています。たぶん、イスラーム絡みは危険と察知して、消極的な批判はしても積極的にはなにも動かないでしょう。憲法9条をを持ってアフガニスタンに飛び、タリバーンを説得するなんて偉業は、期待できませんね。

■敵の敵は味方…ではない■

日本のジャーナリストや左派言論人でも、反米をこじらせた人が多数いますが。「アメリカ、ザマァ!」みたいな気持ちでこの件を語るのは、人間性が顕になると思うんですけどねぇ……。左派の希望の星であったバイデン大統領が、アメリカファーストを掲げて、今はトランプ大統領と罪のなすり合いをしていますが。双方にそれぞれ問題があるとは思いますが、思った以上にバイデン政権はトランプ政権の手法を取り入れており、それは安倍-菅政権の歩調とも一致するという皮肉。

さて、タリバーンは新型コロナウィルス対策として、ワクチンの摂取をやめるそうです。それでボロボロと死者が出ても、気にしないでしょうね。指導者層は中国からのワクチンを摂取するかもしれませんが。けっきょく、アフガンのような地域にはもう介入せず、内部崩壊を待つしかないのでしょうね。多分に、中国が対米戦略として影響力を伸ばすでしょうけれども、共産主義中国と宗教紐帯のタリバーンが相容れるはずも無し。難民対策だけで静観が、今後の世界の動きと予想します。

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