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タコの養殖をカルフォルニア州が規制?

◉𝕏(旧Twitter)を見ていたら、こんなポストが話題になっていました。カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事が、食用のタコを養殖を禁止する法案に署名した、とのこと。理由は、タコは賢いからと。なぜナチスが優生学を推進できたのか? 大衆が支持したから。それと同じです。

Newsom signs bill to ban octopus farming in California

https://x.com/latimes/status/1840416257218138147

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。


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■欧米の浅薄な動物観■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。頭の良さなんて、いろんな視点で評価軸は変わるんですが。人間だって、大学教授が素人にツッコまれる姿が日常茶飯事で。中央大学中退の人間を、東大生は自分より頭が悪いと言うか? 少なくとも、東大の将棋部の人間は、米長邦雄永世棋聖を尊敬こそすれバカにはしない。だって、飛車格落ちでも勝てないんですから、当然ですよね。それは東大野球部も、野村克也さんには野球については学びこそすれ、馬鹿にしようがないわけで。知能と知性は異なるでしょうし、絶対的な指標などないですから。

反捕鯨でも、欧米はこの屁理屈を持ち出しますが。鯨だって、ヒゲ鯨類と歯鯨類では、相当に異なる生物です。たとえて言うなら、同じ偶蹄目の反芻動物でも、鹿と羊ぐらいに違う。そもそも、クジラと言っても約80種類ほどが存在し、多種多様です。一般的に、イルカなどを含む小型の歯鯨類は頭が良いとされます。では、ヒゲ鯨類はといえば、牛や豚と同じぐらい、って説を見かけた記憶が。現在、クジラは鯨偶蹄目という分類で、牛や羊と同じ系統とされますから、まぁ当然ですね。なのに、そこを雑にまとめて〝スーパー・ホエール〟という、独自の概念のクジラを持ち出す、藁人形論法になっているとの批判が。

ペットと暮らす人は普通に、動物の知性を感じるように。牛やブタも、頭良いなと感じることはありました。でも、それは部分的なモノなのも、また事実でしょう。そもそも、明治の頃にやってきた宣教師たちは、日本人は蛇や狼を神様として祀る、淫祠邪教のたぐいだとバカにしていましたし、動物と人間は違うと、主張していたわけです。進化論が発表されたのが1859年11月24日出版の『種の起源』にて。宣教師たちにとっては、まだ10年とか経っていない、珍説ぐらいの扱いだったでしょうしね。万物の霊長だから、他の動物を殺しても無問題という立場でした。

【Newsom signs bill to ban octopus farming in California】ロサンゼルス・タイムズ

Gov. Gavin Newsom signed a bipartisan bill Friday making it a crime to farm octopuses for human consumption in California.

The new law makes it illegal to raise and breed octopuses in state waters or in aquaculture tanks based on land within the state. It also prevents business owners and operators from knowingly participating in the sale of an octopus — regardless of its provenance — that has been raised to be eaten by people.

【翻訳】
ギャビン・ニューサム州知事は金曜日、カリフォルニア州において食用のタコを養殖することを犯罪とする超党派の法案に署名した。

この新法は、州内の水域や陸地にある養殖水槽でタコを飼育・繁殖させることを違法とし、事業主や経営者が、その出自にかかわらず、人が食べるために飼育されたタコの販売に故意に関与することを禁止するものである。

https://www.latimes.com/environment/story/2024-09-29/newsom-signs-bill-to-ban-octopus-farming-in-california

■適者生存と優勝劣敗■

人間に近いかどうかが、基準になれば、これまた判断を誤ります。シーラカンスは生きた化石と呼ばれ、何億年も姿が変わっていませんが。それは進化する必要が、ほとんどなかったから。まさに、適者生存。もし1億年後、人類が滅び去ってシーラカンスが生き残っていたら。人類は劣っていたから滅び、シーラカンスは優れていたから生き残った、ということに。優生学の信奉者は、それを認めるんですかね? 無理でしょうに。いわんや、頭が良いから生き残った、なんて話にはなりません。欧米の動物保護活動が薄っぺらく、恣意的に感じる理由のひとつでしょう。

そもそも、欧米の頭が良い・悪いは、いかに人間に近いかが、頭が良いの基準。でもそれって、人間は神がその姿に似せて作ったという、聖書由来の考え方がベースに在り、非科学的です。人間は万物の霊長、なんて考え方にも通じますが。要するに、選民思想がベースのユダヤ教から生まれた、選宗教思想のキリスト教由来の、選人間思想とでも呼ぶべき思考です。マルクスも、ダーウィンの進化論の適者生存の考えを誤解し、優勝劣敗と考えたわけです。優れた方が生き残り、劣った方が絶滅したと。これって、最後の審判で異教徒が滅ぼされ、正しき信仰の民が生き残るって考えと、地続きなんですよね。

■優生学を求める文化■

ヒトラーはそういう誤解を、さらに優生学に発展させ、〝劣等民族〟は滅ぼしちゃえとユダヤ人を迫害し、それどころかT4作戦では精神障害者や身体障害者は、強制安楽死に。でもコレ、親の側がそういう自分の子どもを、積極的に安楽死にした面もあるとか。かのアルベルト・アインシュタイン博士も、学生時代に統合失調症を発した次男に対しては、かなり冷たかったとか。ドイツの文化に、どうもそういう冷たさがあるのかと、素人的には勘ぐってしまいます。ヒトラーやナチスにすべての罪を押し付けていますが、受け入れる土壌がなければ、あそこまでの独裁政権は生まれづらいですよね。

現実の科学は、ヒトラーの思惑とは裏腹に、人類の中で最も進化しているのは、白人ではなく黄色人種、モンゴロイドだと指摘しています。モンゴロイドは熱帯から寒帯まで、環境適応能力が高いんですから、当然ですよね。イヌイットなどのように、白人より寒さに強いんだそうで。また、遺伝子の研究では、多くの染色体を持つ種はジンベエザメで102本、ニワトリで78本ですが、人類は46本ですからね。遺伝子の数でも決まらないですしね。欧米の思考には無意識に、一神教系の思想が入り込んでしまい、本人たちは正義を成してるつもりで、容易にエスノセントリズムや選民思想が、混入してきます。

この「頭の良い動物は食べるべきではない」という発想の根底には、
「有色人種は白人より劣っているから…」
で、暴虐の限りを尽くした「差別」の発想がある。
それが裏返って「食べるな」になっているだけで、つまり、あの連中は何も反省してないから、また何かの拍子でやらかす危険性が高い。

https://x.com/takuramix/status/1841721653824573910

ある程度距離を置き、冷静に見ることが必要ですね、今後も。出羽守には注意を。


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