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朝日・毎日新聞の苦境

◉朝日新聞が、やや挑発的なタイトルの本の広告掲載に当たって、広告料を3.3倍に吹っかけてきて、広告主の出版社が諦めるように仕向けたとして、批判されています。タイトルは『さよなら朝日』で、出版社は左派系の柏書房。朝日新聞系のWeb論座に掲載された内容をまとめたモノなのに、です。キッパリ断ると角が立つので、自主的に団円するように仕向けるって、かえってセコいですね。

【『さよなら朝日』広告掲載を断念、柏書房がツイート 「通常の3.3倍の出稿料を提示された」】弁護士ドットコムニュース

現役の朝日新聞記者、石川智也氏が書いた『さよなら朝日』の広告掲載をめぐり、版元の柏書房(東京都文京区)が、朝日新聞への広告掲載を断念した理由をツイートし、話題となっている。

3月31日、同社のツイッターアカウントによれば、本の広告を朝日新聞に掲載しようとしたところ、通常の3.3倍という高い出稿料を提示され、取り下げざるを得なかったという。

朝日新聞も、社内の極端な意見の人間をWeb論座やハフィントンポスト、バズフィードなどに分散して、右旋回を始めているので、これは朝日新聞左派と右派(経営陣)の戦いに見えます。

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■広告費は100万円?■

記事には「通常であっても数十万円かかる広告料金」とあるので、たぶん30万円の広告費が100万円になったであろうと、推測できます。『さよなら朝日』は1980円。この手の本は1万部ぐらいでしょうかね? もしも1980万円の売上があっても、出版社の利益は25%から35%ですから、利益は496-693万円ぐらいでしょうか? 他にも2社、広告を打っていますから、計260万円の宣伝広告費は厳しいでしょう。

もっとも宣伝効果を狙うなら、毎日新聞と日本経済新聞の広告を取りやめてでも、朝日新聞1本に絞ってでも広告を掲載する道を選ぶかもしれません。そっちの方がインパクトがあったでしょう。というか、読者的にも一番多いでしょう。その上で、こんなに吹っかけられましたと騒ぐことで、一粒で二度美味しかったかな、と。すいませんね、いやらしい考え方で。産経や読売に掲載しなかったのは、柏書房の矜持か。

■毎日新聞は大阪本社譲渡■

朝日新聞は実売で600万部を割ったら右旋回する──こう予言されたのは、朝日新聞OBの稲垣武氏でしたが。事実、押し紙を割引くとそこを割った辺りで植村隆記者の記事を撤回しました。本当はもっと早く、撤回したかったのでしょうけれど、退社した途端の行動でした。そして、左派系新聞社のもう一方の雄である毎日新聞も。もともと、関西発祥の新聞社なんですよね、毎日新聞は。

【毎日新聞が「虎の子」大阪本社を差し出し資金捻出、急場しのぎの弥縫策スキーム】ダイヤモンド・オンライン

毎日新聞社が大阪市にある自社ビルなどを信託銀行に譲渡し、210億円を借り入れることが分かった。販売部数の減少に歯止めが掛からない毎日新聞は、社員の早期退職などのリストラを進めてきたが、虎の子だった不動産も手放さざるを得なくなった。

毎日新聞社は資本金を41億5千万円から1億円に3月1日付で減額すると1月に発表していましたが。資本金1億円以下の企業は税法上は中小企業の扱いとなり、税優遇措置を受けることができるので、そこが狙いと指摘されていましが。さらに創業の地の本社を譲渡とは。1882年に『日本立憲政党新聞』大阪で創刊し、1885年に『大阪日報』と改題。さらに1888年に『大阪毎日新聞』と改題したのがルーツのひとつです。

■本業は不動産屋のメディア各社■

旧メディアの凋落は明らかなのですが、グループ全体で見ると、朝日新聞グループも毎日新聞グループも、不動産収入が堅調で、庵野秀明監督のスタジオχαράと同じですね。TBSは本業のメディア・コンテンツ事業の営業利益24億円に対し、不動産・その他事業は同79億円。朝日新聞もメディア・コンテンツ事業のセグメント利益19億円に対し、不動産事業は同68億円。もはや不動産業が本業。

TBSが不動産業で好調なためでしょうか、TBSラジオで重用されるタレントの、左傾化が酷いです(個人の感想です)。でも、ここら辺も、クロスオーナーシップの解消で、新聞部門はさらに凋落するでしょう。というか同じメディアが複数のメディアを支配するのは、先進諸国では多くが違法とされてるのですから、そこから自己批判しろと思いますが。電波オークションと併せて、メディア正常化への一歩。

■クロスオーナーシップ解消の未来■

思うに今回の動きも、朝日新聞の主流派から外れたWeb論座系の、怨念を感じます。鮫島浩記者が退職するように、朝日新聞が一昨年に従業員の年間給与を一律165万円引き下げることを決め、労働組合副委員長が自殺するという事態に陥り、内部的にはかなりの混乱が続いているようです。そういう社員の召し放ちのため、Web論座やハフィントンポストなど、別働隊を作ってるようなのですが。

しょせん、朝日新聞という権威がないと立ち居かない人達。反体制を気取っても、本質的に権威主義者ですからね。自分には鮫島浩記者や三浦英之記者にも、そういう部分を感じます。先輩には佐藤章元記者もいますし。個人的には、同書『さよなら朝日』には興味を持ったので、さっそくKindle版を購入しました。4月1日発売なので、面白かったら、別途感想を書こうと思います。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

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