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地球は蟻の惑星

◉蟻って、小さな虫の代名詞的な部分がありますね。それだけ身近な昆虫ということなのでしょう。蟻自体は、蜂と同じで社会性昆虫と呼ばれ、集団で生活する珍しい昆虫でもあります。そのため数も多く、世界中で観察されるのですが。その総数の見積りが出たようなのですが……桁があまりにも大きすぎて、ピンと来ませんね。地球の陸上部分に関しては、蟻の惑星と呼んでも差し支えなさそうです。

【地球上にいるアリの総数は20,000,000,000,000,000匹と判明!】ナゾロジー

皆さんは、地球に何匹のアリがいるのか、考えたことはあるでしょうか?
これは「宇宙に星がいくつあるのか」や「サハラ砂漠に砂粒が何個あるのか」といった問いに答えるのと同じくらい難しいです。
しかしこのほど、独ユリウス・マクシミリアン大学ヴュルツブルク(JMU)、中国・香港大学(HKU)の研究チームは、世界中から集めた先行研究の広範なデータ解析により、これまでにない正確なアリの総数の推定値を導き出しました。
さて、地球上には一体どれくらいのアリが住んでいるのでしょうか?
研究の詳細は、2022年9月19日付で科学雑誌『PNAS』に掲載されています。

https://nazology.net/archives/115160

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、軽井沢タリアセンのアリのオブジェのようです。昆虫自体が苦手な人も多いので、こういう写真は助かりますね。

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■アントイーター■

ちなみに蟻は、蜂の仲間から分化したようで。蟻には羽がありませんが、繁殖時期には羽のある状態で飛び、パートナーを見つけたりしますね。そして後尾をして地上に降り立つと、羽根を落として地上で活動。ちなみにシロアリはアリの仲間ではなく、どちらかといえばゴキブリなどに近い原始的な昆虫です。南米のオオアリクイやコアリクイ、アジアのセンザンコウ、アフリカのツチブタ、オーストラリアのフクロアリクイなど、アントイーターと呼ばれる哺乳類が存在します。彼らはほとんど蟻やシロアリだけを常食し、それで生命の維持ができるわけで。

彼らアントイーターは、それに特化した形態をしています。アリを舐めとるようにして食べるため、細長い舌の長さが何十センチもあったり。頑丈な蟻塚を壊すために、鋭い爪を持っていたり。蟻の活動する音を聞き分けるために耳がウサギのように大きかったり、聴覚が発達していたり。顔も長い舌を収めるために細長いことが多いですね。違う種類の生物でも、生活環境や食べる対称が同じだと似たような形状になる、収斂進化の例で教科書などにも載っていますから、知ってる人も多いでしょう。マグロ(硬骨魚類)とサメ(軟骨魚類)と魚竜(爬虫類)とイルカ(哺乳類)が似てるように。


■多様な社会性昆虫■

アントイーターは、膨大な量がいる蟻を食べるだけで、普通に生きていけるということですね。蟻だけを食べているわけではないですが、アルマジロなども蟻が主食ですね。なのでアルマジロの顔は細長く舌が長く、耳もツチブタのようにピョンと長く、センザンコウのように硬い皮膚を持っていますね。個人的にはこの蟻を常食とするアントイーターの生物は、形状もユニークですし生態も興味深くて、イロイロと調べるとほんと楽しいですね。コアリクイとか、古いスクール水着を来たような毛並みで、可愛いですし。

そして食べられる側の蟻の方も、これまた世界中で膨大な種類がいて、実に興味深い昆虫です。それこそ、数を持たずに集団で移動して獲物に襲いかかる軍隊アリや、雨季と乾季があるオーストラリアの厳しい環境に適応して腹部に膨大な量の花の蜜を溜め込むミツツボアリ、キノコを栽培してそれを食べる農業をするハキリアリ、巨大な蟻塚を作る種類もたくさんありますね。その蟻塚の形状もまた、地域によって煙突型だったり扇子型だったりと、とてもユニークだったり。

■蟻と甲殻類の生命循環■

もし蟻がいなければ、昆虫の死骸とか、分解が遅れますしね。あり自体は微々たるものですが、社会性昆虫の名の通り、集団で群れを形成するので、そういう蟻がまとまっている蟻塚を襲うことで、アントイーターはまとまった食事ができるわけで。もっとも、オオアリクイは一回の食事の時間は短く、1つの蟻塚でたくさん食べすぎないようにするそうで。そうすることで、蟻塚は速やかに回復しますからね。動物のほうがよほど、持続可能な社会を本能的に理解しているわけで。この膨大な数の蟻が、地球の生命の循環にも貢献していると。

海では、甲殻類がこの役割を果たしていますね。南極のオキアミは同大な生体料で、エビやカニの仲間は地球の至る所で生息していますから。昆虫と甲殻類の惑星、それが地球。こういう部分の循環って、とても大事なんですよね。自分は、欧米の環境保護活動って、地球の営みをあまりに単純化していて、この穴を埋めるために向こうの壁に穴を開けようぜって活動に見えてしまうんですよね。地球温暖化とかも同じで。科学する心というのは、そういうことに立ち向かう力になると思っています。

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