ドラキュラは血の涙を流す病に罹患?
◉ヴラド三世。ルーマニアでは、当時は強大だったオスマン・トルコなどのイスラム勢力と対抗して戦った、救国の英雄とされますが。大国に隣接した小国の悲哀もあって、かなり強権的な政治をせざるを得なかった面もあり。敵対者は串刺しにして見せしめにしたため、別名『串刺し公』と呼ばれた、恐怖政治の人物でもありましたが。血の涙を流す奇病にかかっていた……というのは、驚きですね。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、ドラキュラの町、ルーマニア・シギショアラの風景だそうです。美しいですね。
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ドラギュラ。ブラムストーカーの小説で人口に膾炙し、吸血鬼の代名詞になっていますが、元々は ルーマニアの国王であったプラド3世のあだ名。元々は父親の称号であるドラグーン、これは竜騎兵の意味です。竜騎兵とはマスケット銃などの火器で武装した騎兵の意味で、『銀河鉄道999』で星野哲郎が大山トチローから託された拳銃の名前が、コスモドラグーン(宇宙竜騎兵銃)でしたね。この竜騎兵の息子が、ドラキュラという言葉の意味。
ルーマニアでは、チャウシェスク元大統領が、共産党政権下で独裁政治を敷いた時、ドラキュラシェスクと揶揄されたそうですが。そのチャウシェスク大統領も、ソビエト連邦とは一定の距離を置く独自外交をしていたという点では、ヴラド三世にちょっと似ている点はありますね。ヴラド三世自身も、絶対的な権力を握っていたわけではなく、貴族階級の裏切りによって何度かの失脚と復権を繰り返しており、そのために政治が苛烈になったという面も。
吸血鬼に関して言えば、日光を嫌悪するような症状があったり、また当時の医療技術のせいもあって、死んだと思って土葬された人物が生き返ることがあったようです。キリスト教文化が根強いヨーロッパにおいては、最後の審判が来ていないのに死者が蘇る……というのは、かなりまずいことのようで。また、生きているのに葬ったという負い目もあって、あいつは吸血鬼になっていたんだという風にした方が、罪悪感も軽減されますからね。
ヴラド三世の血の涙に関しても、ただでさえ恐怖政治で恐ろしい人物と思われているところに、血の涙を流されたらそれはかなりインパクトあるでしょう。水戸黄門こと水戸光圀も、目を開けたまま寝るという習性があったそうで。寝ている間も、目がギョロキョロと動いたという記録が残っています。現在の科学だと、レム睡眠とノンレム睡眠の時に起きる一般的な生理的現象だと、理解できるのですが。家臣を手打ちにし、若い頃は 辻斬りもしていた お殿様の奇妙な習性は、怖かったでしょうね。
個人的には、こういった怪奇現象の謎が科学で解けるのは、非常に面白いと感じるのですが。そう思わない人も多いようで。
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ