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藤島ジュリー景子社長が退任へ

◉三代で滅びた鎌倉幕府の将軍家、二代で滅びた豊臣政権がありますが。ジャニーズ帝国は、完全に豊臣政権の道をたどりそうですね。一代の英雄・豊臣秀吉亡き後、急速に衰えていった豊臣政権によく似ています。特に、後継者の育成に失敗したことと、後継者をもり立てていく側近作りに失敗した、これが大きいような。さらに巨大化した企業を、同族経営の体制から企業としての体制を整えられなかったこと、体制作りに失敗したのも大きかったですね。あまりにも典型的すぎて、経営学の教科書に載るレベルです。

【〈独占〉ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長(57)が退任へ「人前に出られるような状態ではない」《60年続いたファミリービジネスの終焉》】文春オンライン

 創業者ジャニー喜多川氏の性加害問題に揺れるジャニーズ事務所のトップで、ジャニー氏の姪にあたる、藤島ジュリー景子代表取締役社長(57)が退任することが「週刊文春」の取材でわかった。

 ジュリー氏は、ジャニー氏の実姉で創業時から事務所の経営面を担ったメリー喜多川副社長の長女。ジュリー氏はメリー氏の教育方針で、都内のインターナショナルスクールからスイスのセレブリティの子弟が集まる寄宿学校に進み、帰国後は上智大学に入学。その後数年間のフジテレビ勤務ののちに、“家業”であるジャニーズ事務所での仕事を始めた。

https://bunshun.jp/articles/-/65418

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、ジャニーズファンの方のイラストです。

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■豊臣家と喜多川家■

ジャニーズ事務所、名までだけ見ると、ジャニー喜多川氏の事務所のような気がしますが。実は、実姉のメリー喜多川(藤島メリー泰子)女帝の事務所なんですよね。小説家の藤島泰輔氏と不倫関係に陥り、藤島ジュリー景子代表取締役社長を産んだメリー喜多川女帝。藤島泰輔氏は、藤島康介先生と名前が似ていますが、学習院では上皇陛下の御学友で、三島由紀夫からも後輩として可愛がられ、東京新聞に在職中に小説家デビューという経歴。保守派の論客としても知られます。自分も、予備校時代にポール・ボネ名義のエッセイを、けっこう読みました。

銀行員の両親のもとに生まれ、本人も人気作家で金銭的に余裕があり、初期のジャニーズ事務所を経済的に支え、政財界の人脈をジャニーズ事務所に紹介しと、藤島氏の貢献は大きく。メリー喜多川女帝も経理を担当し、事実上の経営者であった部分があります。豊臣政権だと、実弟の豊臣秀長が、経営的な部分を支え、また温厚な人柄で諸大名の調整役だったのですが。ジャニーズ事務所はタレントの目利きと、タレントのマネージメントをジャニー喜多川氏が、資本と経営をメリー喜多川女帝が握っていた感じですかね。だから、娘の藤島ジュリー景子社長への禅譲にこだわった。

でも、秀吉の人たらしの能力が一代芸であったように。ジャニー喜多川氏の目利きの能力も、同性愛者ゆえの直感という部分が大きいでしょうね。Beatlesのマネジャーのブライアン・エプスタイン氏が、Beatlesにマッシュルームカットやほっぺたをくっつけあった写真など、同性愛者の人間がそそるツボをわかった演出で、本人らもなぜ自分たちがこんな人気者になったかわからないほど、売れに売れたように。同性愛のデザイナーの服も、やはり優れた感覚で、男女ともに受けたりするように。これはもう、センスの世界でしょう。学んで身につけられる部分に、限界があります。

■三井家の番頭経営■

なので、姪っ子にそのセンスが遺伝するかと言えば、んなこともなく。本来ならば、「売家と 唐様で書く 三代目」なんて江戸川柳もあるように、目利きの力も経営センスも、そうそう遺伝しません。これが、職人的な技術職なら、また違うのでしょうけれども。だから、越後屋で知られる三井高利の場合、子孫の代になると優秀な番頭に経営を任せ、資本と経営の分離という、近代的な企業運営の萌芽みたいなものが、既に江戸時代にあります。関西の商家とか、娘に優秀な番頭を婿養子にして、息子は逆に養子に出して他家との政略結婚に使う。バカ息子に身代潰される例が、多かったのでしょう。

なので、ジャニーズ事務所も実力でのし上がったSMAPの飯島三智マネージャーを、番頭として経営を任せ、藤島家は資本をガッチリ握って分離独立を許さない、大相撲の出羽海部屋のような体制で行くべきでしたね。ところが、あろうことか飯島マネージャーを追放する暴挙に出る。主導したのはメリー喜多川女帝。豊臣政権なら、後継者指名してた関白秀次の、一族郎党までも処刑した暴挙に匹敵します。結果的に、最大の看板であったSMAPは解散。この秀次処刑で、娘を側室に入れていた大名の多くが、関ケ原では東軍につくことが多く。豊臣家滅亡の端緒に。ある意味で、飯島マネージャー追放が、ジャニーズ帝国崩壊への序曲。

「4月17日時点の案では、自ら社長を退いて外部から社長を招くという文言もありました。これらは社員や弁護士の意見を聞く中で削られたのです」(事務所関係者)

同上

ああ、これを読む限り、側近もろくな人間がいませんね。イエスマンばかり揃えて、女帝に逆らわない人間ばかりだったのか? この時点での退任の発表と、新社長の内部昇格とか、手を打っておくべきでしたね。藤島ジュリー景子社長の脅威になる人間が飯島マネージャーのように排除されてしまい、内部に人材がいなかったのかも。そういえば滝沢秀明氏も、白波瀬傑副社長も退任しちゃっていますしね。バカ息子を社長に据えるなら、お守り役の人材はガッツリ固めないとダメ。幕府なら、官僚組織の充実が必須。豊臣秀吉は、五奉行五大老の制度を作りましたが、晩年で泥縄でした。

■このまま瓦解か?■

逆に、徳川家康は鎌倉幕府の歴史書・吾妻鑑を愛読し、源氏が三代で滅び、北条家に乗っ取られ、その北条家も得宗専制政治になって幕府が滅びた歴史に学んで、官僚組織を固めたわけで。やっとついた将軍を数年で息子に譲り、大御所として二代目体制を十年以上もバックアップ。ジャニーズ事務所にも、飯島三智女史に土下座して、新社長として迎えるという、アクロバットな選択肢もあったでしょうに。まぁ、受けないでしょうね。独立後はかなりの嫌がらせを受けたことが、タレントの口から語られていますし。

二代目のひ弱さを、藤島ジュリー景子社長が示してしまった以上、組織は引っ張れないでしょう。滝沢氏に頭を下げるか、白波氏に頭を下げるのか、そこはわかりません。たぶん、側近もプロ市民の接近を跳ね除けたりと、優秀な人はいるでしょうから、何か手を打ってくるのかもしれませんが。今までは、独立するとジャニーズ事務所の報復が怖くて、沈黙してたり廃業したり、より強いバーニングに移籍していたジャニーズ系タレントですが。少年隊は錦織と植草がジャニーズ事務所を退所。TOKIOはジャニーズ事務所関連会社の株式会社TOKIO所属になり、長瀬智也は対処。男闘呼組の復活なども含め、ジャニーズ事務所の神通力が、すっかり弱くなっています。

「ジュリー氏は精神的にかなり追い詰められていて、人前に出られるような状態ではない。再発防止特別チームの提言を受けた流れで、社長を退任すると聞いています」(別のジャニーズ事務所関係者)

同上

このまま行けば、飯島派はCULENに再結集し、滝沢派は滝沢氏の元に再結集し。いちおう、少年隊方式やTOKIO方式で、半独立するタレントも増えそう。そうなると、パッケージとしてのジャニーズ事務所のブランド力は、もう無くなるでしょうね。二所ノ関一門のように、分家独立を奨励しつつ、年2回ほどのドーム会場級ビッグイベントで集結という、ゆるい連合を維持できればいいでしょうけれど、それも難しそう。昔ほどの勢いはないが勢力維持か、事実上の瓦解か、どっちかしかないのでしょうけれど。昔の夢よもう一度で、ネパール最後の国王、ギャネンドラ元国王のようなことをやらかしそうな。経営学的な面で興味深いので、そこは追っていこうかと思います。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ


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