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奄美大島でマングース根絶へ

◉マングース、奄美大島や徳之島などにいる、猛毒のハブを退治するために導入された経緯があります。日本に導入されたのはジャワマングースと呼ばれる、中東やインド、ネパールに分布する種類ですが。現在はフイリマングースという呼び名になってるようです。紛らわしいですね。

【マングース、根絶近づく 奄美大島で4年捕獲ゼロ 環境省】毎日新聞

 環境省が鹿児島県・奄美大島で駆除を進める外来種のマングースの根絶が近づいている。2018年4月を最後に捕獲がなく、21年度もゼロだった。同省は「生息数は極めて少ないか根絶できている状態」とみて、早ければ23年度の「根絶宣言」を目指す。

 環境省によると、21年度は島内に2万9000~2万2000基のわなを仕掛け、474地点にセンサーカメラを設置した。島民から目撃情報は12件あり、カメラによる監視や探索犬での調査を進めたが、生息は確認されなかった。

https://mainichi.jp/articles/20221006/k00/00m/040/166000c

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、蛇を食べるマングースです。

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■ハブ対マングース■

マングースと言えば、二ノ宮知子先生の『のだめカンタービレ』ですね。昔は鹿児島でもハブ対マングースの対決ショーが、見られました。池田湖の近くでは、自分が小学生ぐらいの頃は、定期的にはショーしてやっていましたね。もっとも、実際は仕切りをオープンにした途端マングースがあっという間にハブに襲いかかり、一瞬にして倒していました。なるほどあれを見ると、マングースがハブを退治してくれるような錯覚を保ちます。

実際には、マングースはハブを主食にしているわけでもなく。そもそもハブは夜行性で、マングースは昼行性ですから。出会う確率がそもそも少ないんですよね。出会ってしまったら、マングースは自分の身を守るために毒蛇に襲いかかりますが。できるなら出会いたくないというのが、本音というか。人間とツキノワグマが戦ったら、ほぼツキノワグマが勝ちますが。多くの場合ツキノワグマは人間との接触を避けるのと似ています。

■ハブも減ってる?■

導入されたマングースは、ハブは襲わずに天然記念物のアマミノクロウサギを襲い、それどころか家畜の鶏や飼い猫を襲ったりする始末。すっかり害獣と化していたのですが……。駆除活動が功を奏して、絶滅状況に追い込むたようです。人間が勝手に連れてきて、駆除して絶滅と言うのも、なんだか物悲しいですが。昔だったら帰ってきたウルトラマン当たりで、マングースが巨大化した怪獣が日本に復讐するストーリーを、上原正三さんあたりが書いたかも。庵野秀明監督作『帰ってきたマングース』とか、やりませんかね?

ちなみに、徳之島出身の友人の話だと、彼が小中学校の頃に生きているハブを見たことはなかったそうです。つまりもう30-40年ほど前の時点で、徳之島のハブはだいぶ少なくなっていたようですね。ただし、夜行性のハブが夜や明け方に道路で自動車にひかれて、死体になってるのはけっこう見たそうです。彼が子供の頃には、まだ通学路などの角のところに、ハブを押さえつけるための専用の長い棒がまだあったとか。椋鳩十先生の作品の中にもその棒、登場した記憶がありますが。

■生態系のバランス■

マングースの導入と失敗の実例は、逆の意味で動物保護というのがそう簡単ではないということを、自分に気づかせた事例でもあります。ある動物が絶滅危惧種だからといって、それを保護さえすれば自然に増えるかといえば、そんなこともなく。ある湖沼にブルーギルが増えたため、これを駆除したらまた元の環境に戻ったかと言うと、そんなこともなく。それまではたいして反応してなかったある種の川藻が、異常に繁茂し始めてしまったとか。

生態系というのは、微妙で危ういバランスの上に成り立っているものなので。人間の愚かな知恵で何かを改善しようとしても、かえって環境にとってはマイナスになることさえあるということで。マングースが奄美大島や徳之島などに導入されてから、もう数十年経っていますので。生態系の一部に組み込まれていた可能性は、高いですね。絶滅したらしたで、また何か新たな反応が起きるのではないかと、ちょっと心配しています。

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