山田尚子監督が平家物語をアニメ化
◉監督は『けいおん!』『聲の形』の山田尚子、脚本は『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』などの吉田玲子、キャラクター原案は『おともだち』などの漫画家・高野文子、音楽は『リズと青い鳥』などで山田監督と組んでいる牛尾憲輔、製作は『映像研には手を出すな!』のサイエンスSARU。あ、これは傑作になる要素しかないですね。このメンバーで劇場公開版ではなく、TVアニメというのが嬉しいですね。長い尺で描くべき作品ですから。
トップ画像はnoteのフォトギャラリーから。那須与一の扇、ということで。
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■ポスト宮崎駿監督の本命?■
山田尚子監督――ある意味で彼女こそが、ポスト宮崎駿監督なのかもしれないと、思ったりします。テレビアニメ『けいおん!』の監督に抜擢され、その才能をいかんなく発揮し、後に女子高生が集団で活動するタイプのフォロワー作品を多く生み出したという点では、とても重要です。このスタイルは、京都アニメーションにおいては『小林さんちのメイドラゴン』や『ツルネ -風舞高校弓道部-』などの作品の雛形にもなりましたしね。
劇場版『聲の形』も素晴らしかったですし、『リズと青い鳥』に至っては富野由悠季監督も押井守監督も褒めていたほどで。なので今回、京都アニメーション製作ではないということで、ひょっとして独立したのか、という噂になりましたが。そこは特に公式発表もないので、京都アニメーションに席を置いたまま、外部のスタジオと組んだという形なのでしょう。まだまだ京都アニメーション、テレビ制作を複数抱えるほど、回復していないのでしょう。
■新たな挑戦■
コミックナタリー―の画像が、あっさりした感じなので、どんなものかと思って動画を見たら、もうPVの段階で心を撃ち抜かれますね。なんでしょう、山田尚子監督作品といえばキャラクターデザインは、作画監督を兼ねる堀口悠紀子さんの印象が強いので、高野文子先生の絵が、この背景でこの動きを見せると、まったく違う魅力ですね。サイエンスSARUは『映像研には手を出すな!』で、もう動きが圧倒的に良かったですし。これは、期待するなという方が無理でしょう。
京都アニメーションはウィキペディアによれば、現在は141人の社員数ですから。経理とか事務方も結構いるでしょうし、そこで34人もの人間が、ほぼ4分の1が一瞬にして奪われたのですから、当然ですよね。アニメーターも才能の世界ですから、足りないからすぐ補充、とはいきませんしね。いわんや京都アニメーションが要求する・ファンが要求するクオリティを満たすには、すぐに人材は育ちませんから。ここは新たな試みということで歓迎です。
■平家物語復権■
さて、個人的にはNHK大河ドラマの『平清盛』という作品が、自分は大好きなんですが。あの番組は、枝葉の部分で悪い評判を書き立てられ、素晴らしい脚本に松山ケンイチさんら役者も良い演技で応えたのに、視聴率は振るわず、低迷しました。でもあの当時、Twitterの自分のタイムラインでは、絶賛する漫画家や小説家が、たくさんいたんですよね。これは宮藤官九郎脚本の『いだてん〜東京オリムピック噺〜』もそうでしたが。
『平清盛』は結果的に、その後、かわぐちかいじ先生が『ジパング 深蒼海流』を描き、北崎拓先生は『ますらお』を復活させ、ゆうきまさみ先生は『新九郎、奔る!』を、松井優征先生は『逃げ上手の若君』を描きと、鎌倉から室町時代を舞台にした作品の、新たな波が生まれています。戦国幕末以外の作品を書きたいという、新たな刺激を与えたのかもしれません。クリエイターの心に引っかき傷を残す作品って、そういうものなんでしょう。
そして、その流れの中で山田尚子監督が、個展中の古典である『平家物語』をアニメ化する。楽しみに待ちましょう。テレビは見ないので、配信待ちですが。どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ
売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ