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サブスクとミュージシャン

◉Togetterに、音楽のサブスクリプションによって、コスト回収率が高いCDが売れず、ミュージシャンが困っているというツイートがまとめられていました。中には「サブスクというシステムを考えた人は地獄に堕ちてほしいと思っている」なんて過激な言葉が、有名ミュージシャンから発せられていて、かなり深刻な問題だなぁ……と。

【ミュージシャンは活動継続のためコスト回収率の高いCDを買ってもらいたいが、再生機を持っていない人も増えているという話】

サブスクそんなに利益少ないんか…

https://togetter.com/li/1947280

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、CDの写真です。

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■サブスクは広く薄く■

個人的にはサブスクリプションって、あまり好きじゃないんですよね。かなり格安の設定ならともかく、Adobe の Creative Cloud なんて、買い切りのアプリに比較しても、価格の設定が高くて。2年も使えば買い切りよりもお高くなってしまう感じです。生前に解約してなければ、亡くなった後も口座からお金が引き落とされるって言うのも、気持ち悪いですからね。

それはともかく。サブスクリプション自体は、NO MUSIC NO LIFE な人たちにとっては、最新の楽曲などを安価に、大量に聴けるシステムですから。ユーザーがそちらに流れるのは仕方ないですね。これまでかかっていた音楽購入費用よりも安くなるわけですから、そのぶんミュージシャン側が受け取る金額が、広く薄くなるのは必然です。

■Kindle Unlimitedの場合■

自分の方の業種で言えば、Kindle Unlimitedなどは一冊まるごと読んでもらっても、50円とかの分配金ですから。よほど多くの人に読んでもらわないと、たいした利益にはなりません。ただ、こちら自体はメリットもあって。石原苑子先生の『祖母から聞いた不思議な話』は、Kindle Unlimited入りした途端に、読む人が押し寄せて売上ランキングで総合31位という、驚きの順位に。

もちろん、最大瞬間風速にすぎませんし、とにかくページ単価は安いので、事務局によれば売上自体はさほどの数字にはならなかったそうです。ただ、宣伝としてはものすごく大きく。読んでみたら面白かったので、本自体を購入したという人も、けっこういましたね。そういう意味では、サブスクリプションによる聴き放題・読み放題サービスみたいなものは、宣伝用と割り切る必要はあるのかもしれません。

■ビジネスモデルの転換■

これは先日のnote【ビジネスモデルの転換】にも書いたことですが。流通のシステムが変われば、ビジネスモデルの変わるのが世の常。音楽自体がダウンロード販売が主流になってもう何年も経っているのに、未だにCDと言っている時点で、昭和末期から平成前期のビジネスモデルに、固執しているってことなので。残念ながら、昔に戻ることはできません。

であるならば、個々のミュージシャンは広く薄くのサブスクリプションで多くのユーザーに名前と楽曲を知ってもらったら、それとは別に狭い濃いファンをそこから育てて、収益を得る方法論を、考えるべきなんですよね。知り合いの漫画家とか、pixivのファンボックスを上手く運用し、そこそこの利益を出したりしていますし。

https://note.com/preview/n553686f78db9?prev_access_key=2ffcba27e2796de8ab2c521e648065b6


■収益多様性の確保■

もちろんミュージシャンのほうは、ファンクラブとか、とっくにやっていることでしょうから。コロナ禍で、コンサートやライブもなかなか開催できないという状況も、あるでしょう。でもそれならば SNSやYouTube などをうまく活用して収益を広げるのは必須。先進的な業界であればあるほど、更なる先進性を発揮するしかないのは、仕方がないです。

結局、そういう点でアイデアを出せるスタッフや、外部のアドバイザーというのが、重要になってくるわけで。今は本当に簡単に、動画を作ってアップできる時代ですし。YouTube でもサンクスボタンを押して投げ銭が払える時代ですから。ライブ・CD・DL・ファンクラブ・SNS・動画をうまくミックスさせ、狭く濃くの収益を積み上げていくしかないでしょうね。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ



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