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豊田章男社長とEV化の真実

◉例えば、欧米の環境保護運動とか、非常に近視眼的というか刹那的な部分があり、トータルの生態系のバランスを考えず、●●を守れで熱狂的に動いてしまう。反捕鯨運動とかが典型的なんですが、ある種のフランス革命の熱狂のようなものとも、通底しますね。劇的な変化を求める、一神教の文化ゆえでしょうか? でも結果的に、急進的な変化は軋轢や歪みをもたらすのが常です。欧州のEV車推しも、結果的にそれと同じ道を辿りそうですね。

【日本に豊田章男氏がいたのは幸運だった…「EV化の真実」を主張し続けた豊田氏が筆者に明かした「真意」 トヨタが「メディアの偏向報道」に屈しなかったワケ】プレジデント・オンライン

 世界のEV化に急ブレーキがかかっている。モータージャーナリストの岡崎五朗さんは「EV一本化は無理だと理解されはじめている。トヨタが掲げるマルチパスウェイ戦略の正しさが証明された格好だ」という――。

https://president.jp/articles/-/83196

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、トヨタFT-3eの写真です。

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■盤石の横綱相撲■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。トヨタという会社は日本では珍しく、理論的に考えることができる企業です(完璧だとか瑕疵が一切ないとか、そんな中学生のようなことは言っていません。コメント欄に出現するバカ避けのために、わざわざ書いておきますね)。その結果、EV車は将来的にはともかく現状では難しいという結論と、水素エンジンが有力という結論に至ったわけで。同時に、ハイブリッド車とEV車でも抜かりなく用意する。確かに、韓国企業のようにオール・インするとその分、成功したときのリターンは大きいですが、リスクも高まるわけで。リスクヘッジすることで、得るものも大きいわけです。

 しかし、急速なEV一本化は無理だから、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、水素など、あらゆる手段を使いつつ、ベストミックスを探って二酸化炭素を着実に減らしていきましょうというトヨタのマルチパスウェイ戦略は論理的にみて明らかに正しい。

これは、体力のあるトヨタだからこそできる、という面もあります。弱小企業では、これは難しいです。逆に言えば、それができる会社だから実行する。ある意味で、攻めて良し守って良しの、盤石の横綱相撲です。いちおう書いておきますが、企業の歴史を見ると、追い込まれた企業が乾坤一擲の賭けに出て、成功してそれが主流になることもあります。写真植字(写植)では写研に大きく負けていたモリサワが、新興のパソコンによるDTP(デスクトップ・パブリッシング=パソコンを用いた製版)のフォントに社運をかけたら、大成功したように。得てして、成功している企業は、新しいムーブメントに対して、既得権益維持に走りますから。

■トヨタ排除の方便■

トヨタが横綱だなぁ……と思うのは、ガソリン車はまだまだ社会の主流と、EV車にもハイブリッド車にも背を向けることも可能なんですが、それをせず。それどころか、将来的には水素エンジンという明確なビジョンを持ち、でも過渡期のものをちゃんと対応していることですね。これをやられたら、乾坤一擲に出ざるを得ない企業は、厳しいです。個人的には、水素エンジンという選択は、かなり良いと思うんですよね。第四世代原子炉が稼働すれば、高温ガス炉による水素生成が可能になりますから、水素の供給がかなり簡単になるはずですから。このnoteでは、水素とアンモニアの可能性について語っていますので、興味がある方はエネルギー関係のマガジンをどうぞ。

 「気候変動対策推進の信奉者にとって不都合な真実を語る豊田章男氏の姿勢は支持に値する。そして、自動車業界リーダーの中で、そうした行動を取る勇気を持った人物が彼だけだというのは、恥ずべき状況だ」という結論で締めくくった。

この気候変動云々も、実際は欧州からTOYOTAを排除するための、方便ではないかと、自分は思っていますけれどね。あからさまな排除は、自由貿易の観点から難しいので、気候変動を言い訳にEV車を推して、間接的に排除する。ただ、その思惑は結果的に、中国を利しただけで。どうも、天然ガスなどの利権でプーチン大統領を増長させたように、欧州の政治家は目先の利益を負って大局観がないなと、感じる部分があります。

■世襲のメリット■

大局観ということで言えば、やはりTOYOTAが豊田章男氏という、創業家の人間をトップに持ってこれたことも、大きいでしょうね。世襲、というと問題点も多いのですが。でも、世襲だからこそ、大局的にモノが見れるわけです。例えば、経団連の社長たちって、東大や一橋出身者がほとんどで、転職経験がない生え抜きの、サラリーマン社長って人間が、とても多いんだとか。そんあサラリーマン社長には、自分が退いた後、50年後や100年五といったスパンで、社会や文化を考えることは、難しいでしょう。でも、世襲なら、自分の孫の世代の事を考える部分がある。これって大事で。講談社も、デニ書籍に難色を示す役員を、野間家の若旦那が押し切って、舵を切ったように。世襲のメリットも、確実にあるわけです。

 尺度がEV比率から二酸化炭素削減率になった途端、実績面でも技術面でも日本が一気にトップに躍り出るからだ。

 そもそも二酸化炭素を一切出さないEVこそが唯一の解決策であるという意見は、生産から廃棄に至るトータルでの指標、LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)という考え方のもとでは説得力が薄れる。

そう、改善で知られるTOYOTAですが、それはトータルでのコストを考えるという意味で、実に合理的で。どこぞのコンサルのいう、目先の利益を追求する、思いつきのようなアドバイスで潰れる会社とは、ずいぶん違いますね。EV車も、目先に二酸化炭素排出規制という面ではメリットはあっても、トータルで見るとそうでもない。結果的に、水素エンジンの普及が回答という結論に至ったわけで。なんですかね、若手官僚を集めた総力戦研究所が、昭和16年の夏の時点で、日米開戦の結果を恐ろしく正確に予想したように。TOYOTAのブレーンは、かなり優秀なのでしょう。それが完璧とは言いませんが、自分が好意的に見ています。細かい問題はあるにしても。


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