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中国が日本に専守防衛堅持を要求

◉2022年、ウクライナ侵攻をしたプーチン大統領が、そのウクライナに対して非武装化と中立化を要求。おかげで、昭和の日本社会党から令和の社民党まで唱えてきた非武装中立論が、侵略国家にとって都合の良いお花畑平和論だと、バレちゃったのですが。中国が日本に対して平和憲法や専守防衛を堅持せよと言うのは、それが権威主義国家にとって都合が良いからだと、間接的にバラしちゃいましたね。日本の左派の主張は日米安保改定断固阻止の昔から、ソ連(ロシア)・中国・北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)にとって、都合が良いことなのが、圧倒的に多いのですが。

【護衛艦「かが」空母化に中国激怒 「平和憲法に従い、専守防衛を堅持せよ」】ザ・ニュースレンズ

注目ポイント

改修が一部終わり、戦闘機の発着が可能となった海上自衛隊の大型護衛艦「かが」の甲板が今月8日、母港の呉基地で報道陣に公開された。これについて香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは14日、同艦の空母化に激怒した中国が、攻撃的兵器の保有を禁じた平和憲法違反だと主張していると報じた。

https://japan.thenewslens.com/article/6055

ヘッダーはWikipediaのフォトギャラリーより、護衛艦かがの写真です。

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■平和憲法は世界中に■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。しかし中国、「自衛隊は違憲だ解散しろ」と言わないのは、逆に苦笑してしまいました。中国も集団的自衛権は、否定しないんですねぇ~。当たりまえの話ですが、日本のお花畑平和論者には、かなりのダメージです。そもそも平和憲法とか、日本だけのものでもなく。なんらかの戦争放棄条項を持つ憲法や条文を持つ国は、西修駒澤大学教授の調査によれば、2006年の時点で182カ国中150ヶ国もあったとか。

専守防衛も、要するに相手が先制攻撃するまで動けない、という話ですからね。それこそ、ミサイルの飽和攻撃を先に仕掛けられたら、完全には防御はできないのは、イスラエルのアイアンドームですら95%ほどの防御率だったことからも、明らか。だから、敵基地攻撃能力とか、ないとどうしようもないんですが。そういう、自国の安全保障よりも、自分が掲げる理念に殉じたい、オマエも殉じろという方々がいるのですが。非武装中立論とか、無防備都市宣言とか、侵略したい国家には「ごっつぁんです!」でしかないのですが。

でも、こんなアタリマエのことが、ウクライナ侵攻前は大手マスコミが、非武装中立は素晴らしい理念と、抜かしてたんですから。この国はおかしな言論空間に、1950年代からずっと包まれていたわけです。福田恆存が55年態勢が始まる1954年に、『平和論の進め方についての疑問』を中央公論に発表して、正論をぶちかましたのですが。それを左派はもちろん、右派も理解できずに、福田はロックフェラー財団から金をもらったに違いないと、令和の世も跋扈する陰謀論で塗りつぶし、右派の側も干したわけで。この国は、右も左も政治家や言論人がおかしいです。

■次艦は強襲揚陸艦で■

今回の中国の意見に関して、個人的な感想は「効いてる効いてる」ですね。ここは積極的無視で、「では次は空母ではなく、アメリカ級と同じタイプの強襲揚陸艦を造りま〜す。空母じゃなければ良いんですよね?」とか返したら、地団駄を踏みそうですね。だいたい、かがは護衛艦であって空母ではないです。というか基準排水量1万9500トンで満載排水量も2万6000トンと、軽空母ですらないです。イギリス海軍で運用されていたインヴィンシブル級アーク・ロイヤル軽空母が、基準排水量が4万3340トンで満載排水量が5万3060トンです。クイーン・エリザベス級航空母艦が基準排水量が4万5000トンで満載排水量が6万7699トンですから。

ちなみに、ワスプ級強襲揚陸艦が軽荷排水量が2万7565 - 2万8295トンで、満載排水量が4万0329 - 4万1684トンもあります。新型のアメリカ級強襲揚陸艦でも、満載排水量は4万5570トンあります。護衛艦かがは、軽空母や強襲揚陸艦の半分ぐらいしかないのがわかます。アメリカの正規空母は、最新型のジェラルド・R・フォード級航空母艦は、全長337メートルと東京タワーより長く、最大幅78メートルとサッカー場より幅が広く、満載排水量は10万1600 トンと、かがの4倍近くあります。いっしょにされて空母空母と呼ばれたら、たまりません。

Wikipediaより『アメリカ級強襲揚陸艦』

日本は国土地理院の集計で1万4125島があり、有人島数でさえ416島もあるので。こんなにも島嶼部が多い日本は、強襲揚陸艦が選択肢のひとつです。ウェルドックを備え、ホバークラフトで大型の重機を港がない地域にも運べる強襲揚陸艦は、病院線としても有能。令和六年度能登半島地震でも、ウェルドックとヘリコプターの離着陸が可能な全通甲板のおおすみ型輸送艦が大活躍しましたが、満載排水量でも1万4000トンと、護衛艦かがの半分ちょっとの大きさしかありません。なので、現実的にはウェルドックを備えた強襲揚陸艦が現実的。そして、護衛艦かがより、多くのF-35Bが搭載できます。

■孔子学院を巡る暗躍■

この件に関して、間接的な部分ではありますが、こういう話も出ています。スウェーデン当局が、同国に在住の中国人女性記者に対し、国家安全保障に深刻な脅威を及ぼしているとして国外退去命令を出したのですが。これ、明確に書かれていませんが、要するにスパイ活動の疑いがあるので、国外に出したって話です。それよりも重要なのは、孔子学院を全て閉鎖したということ。つまり、孔子学院が、スパイ活動の拠点になっている疑いがある、ということですよね? いよいよ、中国の台湾有事に対する現実的な危険性が高まり、各国が動いてる感じでしょうか……。

【スウェーデン、中国人の女性記者に国外退去命令 「国家安全保障への深刻な脅威」】産経新聞

 【ロンドン=黒瀬悦成】北欧スウェーデン当局は同国に住む57歳の中国人女性記者に対し、「国家安全保障に深刻な脅威を及ぼしている」として国外退去命令を出した。女性記者の弁護士が9日、ロイター通信に明らかにした。スウェーデンは、治安機関SAPOが今年2月に中国とロシア、イランを「最大の安全保障上の脅威」と指摘するなど、中国への強硬姿勢を年々鮮明にしている。
(中略)
一方のスウェーデン政府は同年、国内8カ所にあった中国政府による中国語普及の国外拠点「孔子学院」を全て閉鎖したほか、複数の自治体が中国との姉妹都市交流を打ち切った。

https://www.sankei.com/article/20240410-IGIXVMCMS5IVDKAM7BJHQI27ME/

ちなみに、孔子学院があるのは以下の14大学・学校です。

・早稲田大学
・立命館大学
・武蔵野大学
・桜美林大学
・工学院大学
・札幌大学
・北陸大学
・愛知大学
・山梨学院大学
・大阪産業大学
・兵庫医科大学
・神戸東洋医療学院
・福山大学
・岡山商科大学

いやぁ~、見事に東京・大阪・京都・兵庫と、左派マスコミが強い大都市と、地方都市に固まっていますねぇ。そして、岸田文雄総理大臣のアメリカ議会演説とか、大きな意味があったわけで。アメリカが、権威主義国家との戦いから降りたら、他の国は単独で戦わないといけなくなるのですから、まさに国民の生命と財産の問題に。この国の言論空間は、ソ連・中国・北朝鮮の工作の影響を受け、日本の国力=経済力・軍事力・外交力・文化力を削ぐ方向に、傾いていましたが。令和の世に、インターネットとスマートフォンとSNSの力が高まり、おかしな言論の旧メディアの、対抗策になりつつあるのが救いです。


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