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海自が南アフリカで共同訓練

◉海上自衛隊が南アフリカ共和国海軍と、合同演習とのこと。日本のマスコミは軍事音痴なので、こういう話題に無頓着ですが。これの意味するところは、大きいですね。南アフリカと言うと、アパルトヘイトがあった国、ぐらいの認識の日本人は多く。せいぜいが、ラグビーの強豪国ってところですが。英連邦の一員。そう、安倍晋三元総理の『自由で開かれたインド太平洋戦略』の一貫ですね。インド洋の端っこが、南アフリカ共和国と、喜望峰。

【海自の練習艦「アフリカの大国」と史上初めて共同訓練 実はかなり重要な“要衝地”】乗りものニュース

アフリカでは数少ない防衛駐在官を配置する国

 海上自衛隊は2024年7月8日、南アフリカ海軍と初めて共同訓練を行ったと発表しました。

 実施したのは、遠洋練習航海に参加中の練習艦「かしま」と「しまかぜ」で、7月2日および同4日に、南アフリカ海軍のフリゲート艦「AMATOLA」、沿岸哨戒艇「KING SHAKA ZULU」と親善訓練したそうです。
 
 なお、これに関連して7月2日に「かしま」と「しまかぜ」はケープタウンに入港していますが、これもまた練習艦隊としては初の寄港だといいます。

https://trafficnews.jp/post/133676#google_vignette

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。

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■外交老大国・イギリス■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。また同じく安倍元総理が提唱したクワッド(Quadrilateral Security Dialogue)は、日米豪印戦略対話。この中でオーストラリアとインドも、元々が英連邦の国で、今でもイギリスとの関係は深く。アメリカだって、イギリスから独立しましたが、関係はイスラエル・イギリス・カナダの順で重要視していますからね。ある意味で、イギリスというのは今でも世界の政治においては、強い影響力があり、世界的にはアメリカの田舎者の泥臭い力押しの外交に対して、イギリスは二枚舌三枚舌を駆使する、したたかでスマートな外交術。

良い・悪いではなく、国際政治とは本音と建前、計算と打算が入り乱れる、複雑怪奇な部分があり。やはりその中で、イギリスは常に勝ち戦にベットしてきた、強かな国。国際政治音痴の日本では、太刀打ちできないノウハウと経験の蓄積とが、ありますから。そして、日本は戦後日米関係を重視しすぎて、バランスを欠いていました。かといって、迂闊にアジア思考を言い出すと、大東亜共栄圏の亡霊復活かと、痛くない腹を探られるわけで。アメリカと友好的な自由主義国で、なおかつ国際政治での発言力と、日本の政治との親和性の良さという点で、イギリスはベストチョイス。

日本の次期戦闘機F-3の共同開発も、ある意味でイギリスとの繋がりを強化する、大事な動き。イギリスはロールス・ロイス社など、エンジン開発は歴史と伝統があり、日本も学ぶべき点は多く。また、次期戦闘機は昔で言えば支援戦闘機で、主力戦闘機ではないです。ただ、その戦闘力はF-16以上の第六世代戦闘機。同じ島国の日本とイギリスは、双発エンジンで航続距離が長いタイプの、マルチロール機はほしいので、アメリカのコンセプトとは異なる支援戦闘機がほしいし、それを輸出の軸にしたい。F-35がベストセラー確実な状況で、同盟国にも商機を少しは回せというのは、アメリカも呑める条件ですしね。

■ポリネシア人と海の道■

日本にとって、中東からの石油ルートは、生命線。これはオーストラリアやインドも、貿易ルートとして重要ですが、スエズ運河から地中海を通っての、欧州各国とイギリスに至るルートも、当然ながら重要。そして、アフリカ大陸をグルっと回って喜望峰からインド洋に至る大西洋のルートもまた、いざ中東に事が起きれば、迂回路としても、まだまだ重要。そういう意味では、海上貿易の要衝なんですよね。インド半島とスリランカ、アフリカ大陸とマダガスカルって、三角形の地形に島という、似た感じなんですが。どちらも要衝。

ちなみにマダガスカル島は、日本の国土面積の約1.6倍もの広さを持つ、世界で4番目に大きな島です。そして、日本人のルーツのひとつであるポリネシア人が、アウトリガー・カヌーで到達した、西端でもあります。ポリネシア人は、現在の台湾と対岸の福建省のあたりを発祥とし、東はイースター島から、北はハワイ諸島から南はニュージーランドまで到達した、大海洋民族。サツマイモの伝播ルートからたぶん、南米大陸にも到達していた可能性があります。『自由で開かれたインド太平洋戦略』は奇しくも、ポリネシア人が活躍した海の道が、重なるんですよね。

■令和の日英同盟を希望■

欧米の文化は、東洋の文化の中にある日本人には、理不尽に思える部分もありますし、アングロサクソンの内なる有色人種への差別心は、個人的にも感じます。でも、政治的なプロコトルを守りつつ、交渉のテーブルに付くことは出来ます。背中にナイフを隠しつつですが。しかしロシア連邦に中華人民共和国、そして北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は、そのプロコトルが通用しない、権威主義国家。であるならば、組むべきは米英の自由主義陣営。自分は保守派ですが、国粋主義者でもなければ、民族主義者でもないので、西部邁氏的な安易な反米には、与しません。

確かに都市の無差別爆撃や原爆は、当時でも国際法違反の蛮行、許されざることですが。しかし死者数的には、シベリア抑留も原爆に匹敵しますし。このことは、左派マスコミがいくら無視しても、忘れてはいけないことです。日ソ中立条約を一方的に破って、背後から襲ってきた悪辣さと、満州からの引き上げでソ連軍がやったことは、今もウクライナでやってることと、同じですしね。自分は、ロシア文学も古典音楽も、またその舞踊や文化も、素晴らしいと思いますが、政治の相手としてのロシアは、ロマノフ王朝以来400年間、周辺国の脅威でしたし。本質は代わりません。アメリカは沖縄や奄美や小笠原を返還しましたが、ソ連・ロシアはどうですか?

そういう意味では、令和の日英同盟と呼べるような、日本とイギリスの関係強化は、必須でしょう。そもそも、東洋の新興国であった日本は、日英同盟によって、日本の天皇もインド皇帝を兼ねるイギリス国王と対等の同盟ということで、なんとなく皇帝として世界に認知され。でも、日英同盟を切って、陸軍と朝日新聞が推す日独伊三国軍事同盟に邁進した日本は、御存知の通りの結果に。日本は明治の昔から、北進論が本来の姿。北の国の脅威に備え、貿易立国が日本の生命線。周辺国とは友好と交流で、憲法の理想である国際社会における名誉ある地位を目指すべきですが。軍事的裏付けなき平和論は、机上の空論ですしね。


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