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安倍晋三記念紙幣?

◉何やら馬鹿馬鹿しいニュースが流れていきました。実際にこ、ういうことを言い出している、保守系の人間や議員がいるのかもしれません。でも紙幣なんてものは、棺を覆いて100年の後に、評価されるものですから。はっきり言えば、発想自体が馬鹿丸出しだと思います。記念コインの金貨や銀貨ですら、難しいと思いますよ? 

【今度は「安倍晋三記念紙幣」発行を求める文書が出回る…保守系や自民議員が発起賛同】日刊ゲンダイ

【「安倍晋三記念紙幣発行推進国民会議」設立趣意書】と題したA4サイズの紙には、<今こそ、不世出の大政治家であり、国守であられた安倍晋三元総理大臣の面影を永久に後世に伝えるべく、氏の在りし日の面影を挿入した新たな紙幣(参万円札)を発行し、法制度によって、国民の間に永久に通用させることが必要と思われます>などとある。

 発起人や賛同者は、いつもの保守系や自民党国会議員の面々で、どうやらエリザベス女王の肖像画が印刷されている英国ポンド紙幣を参考にしているらしい。

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/312446

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ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、紙幣の写真です。福沢諭吉さんとも、もうすぐお別れですね。

■コレを書いた人は馬鹿■

そもそも、日刊ゲンダイの記事ですから、いかにもな内容ですが。以下に、その入手した文章なるものを、転載しておきますが。今時国民皆兵なんて、とんだ軍事音痴ですね。安倍晋三元総理大臣は国会での答弁で、高度に専門化した現代の軍隊にあっては、徴兵制は有効ではないというのをはっきりと答えています。これは20年以上前に保守系の産経新聞が、とっくに結論として出していましたね。これを書いた人は馬鹿でしょう。

日刊ゲンダイが入手した文章

そもそもなぜ徴兵制度が生まれたかといえば、フランス革命がきっかけです。ブルボン王朝の絶対王政を打倒し、ルイ16世とマリーアントワネット処刑して生まれた、フランス政府ですが。これは対外戦争には無類に強かったのです。理由は簡単で、徴兵制によって兵士を保護も腎臓に供給できたから。実は絶対王政における軍隊というのは、国王がポケットマネーで雇っていた、いわば国王の私設軍隊のようなものです。はっきり言えば傭兵です。

■傭兵は戦争に弱い■

傭兵と、そこら辺の農民や町人など一般人を徴兵した国民兵だと、戦争のプロフェッショナルである傭兵の方が、強いような気がします。ところが実際には、傭兵というのはお金をもらって私的な兵隊をやっているわけですから。実際に戦争になると、負けそうになるとさっさと逃げてしまう。ところが、徴兵された兵士だと、国のために死ぬまで戦うという人間が圧倒的に多いのです。戦国時代の日本だって、金で集めた織田信長軍よりも、半分農民だった武田信玄軍の方が強かったように。

特にフランス革命のような形で成立した、国民軍だと母国に対する愛国心が、半端ではないのです。自分の国は自分で守るのだという、当事者意識ですね。しかも、雇うのにお金が必要な傭兵に対して、国民兵はほぼ無料で供給することが可能です。食費とかは、傭兵だろうが徴兵だろうが、同じようにかかりますからね。こんな状態でしたから、フランス軍はめちゃくちゃ強かった。そこにナポレオンのような軍事の天才が出現してしまいましたから、連戦連勝。

■民主主義と戦争の関係■

少領主の寄せ集めで、江戸時代の日本の幕藩体制に近かったドイツなどは、いきなりフランス軍に攻め込まれてボッコボコにされてしまいました。これはスペインなどでも同じです。徴兵制によるフランス軍のあまりの強さに、周辺の国王制の国も次々と、共和制や憲君主制に移行しました。民主主義とか国民主権とか、別にそれが理想や理念的に正しかったから世界の種類になったわけではなく、戦争に強かったから他国に対抗するために採用せざるを得なかった。この事実は重いです。

しかし、徴兵制度による国民軍が強かったのは、実はナポレオン戦争の頃まで。日露戦争の頃になるともう、機関銃などの高性能の武器や、塹壕や鉄条網やコンクリート製のトーチカなど高度な防御方法の出現で、数を頼んだは力押しが通用しなくなっていました。ここら辺は映画の『二〇三高地』などを見ても、状況が分かります。二〇三高地での苦戦をもって、乃木希典大将の無能説・凡将説が唱えられますが、実際には日露戦争というのは第1次世界対戦を先取りした、近代戦争だったのです。

■一般人に飛行機の操縦は無理■

第1次世界対戦では、航空戦力や戦車などが本格導入され、徴兵制度でかき集めた雑兵をいくら投入しても、近代化された武器を使いこなすには、きちんとした訓練が必要ですし、その訓練に耐えるにはそれなりの意欲や目的意識がないとダメということが、見えてしまったわけです。だから現代の軍隊では、そういう意識が高い志願兵でないとなかなか難しいわけです。陸軍ならまだしも、海軍や空軍は船舶や航空機などを操作しないといけないですから。

確かに徴兵制度を維持している国はありますが、それは信仰上の理由などで商品を拒否した国民が、その代わりに福祉などの勤労奉仕をするため、これがある意味で低賃金の労働力の供給源になっている、という側面もあったようで。ドイツが徴兵制をなかなか廃止できなかった理由も、そこだったようで。ロシア連邦軍によるウクライナ侵攻によって、徴兵制がまた見直されている部分もありますが、それは今回のような特殊な状況であって、恒久的なものには思えません。

■スイスは国民皆兵■

保守派の産経新聞ですら、20年ぐらい前にそのような徴兵制否定論に到達したのに。日本のリベラルは知性派を自認する割には、軍事音痴ですからね。もっとも、軍事だけでなく経済音痴で国際政治音痴で、いったい何が詳しいのかと思ってしまいますけれども。なので、ここで国民皆兵などと書いてしまうのは、立憲民主党や共産党レベルで軍事音痴な人間の戯言と断じていいでしょう。

もちろん、日本人が大好きな永世中立国スイスは、国民皆兵の徴兵制度があります。近年は、女性の徴兵され検討しているそうです。ある意味で、男女平等ですよね。スイスは永世中立国というポジションと引き換えに、重武装国家です。各家庭に自動小銃があり、もし他国が攻め込んで来たら焦土作戦に出る、覚悟を持った国ですので。日本のリベラルは、そういう点に言及しませんけどね。

いずれにしろ、こういう馬鹿馬鹿しい怪文書には、笑ってしまいます。某議員とか名前を連ねていたら、思いっきり笑ってやりますよ。どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

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喜多野土竜
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